電脳筆写『 心超臨界 』

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( セネカ )

◆「海軍が善玉で、陸軍が悪玉だ」と思わされてきた日本人

2024-07-28 | 05-真相・背景・経緯

§3 日米戦争によってアメリカは日本を侵略した
◆「海軍が善玉で、陸軍が悪玉だ」と思わされてきた日本人


真珠湾攻撃については、東條英機首相ですら知らなかったと言われています。日本には統合参謀本部がありませんでしたから、海軍は独自に作戦を立てており、陸軍に伝えていなかったようです。さらに、真珠湾攻撃から半年後には、こちらからミッドウェーにまで出かけていって惨敗を喫しています。ミッドウェー・アリューシャン作戦についても大きな疑問が残ります。


『世界を操るグローバリズムの洗脳を解く』
( 馬渕睦夫、悟空出版 (2015/11/27)、p138 )

大東亜戦争時の日本軍は、戦後、「海軍が善玉で、陸軍が悪玉」ということになっています。陸軍が強引に誤った国策に日本を引きずり込み、国際的視野のあった海軍が反対したが押し切られた。我々はそのように思い込まされてきました。

しかし、真実は逆です。逆だからこそ、真実を隠すために海軍を善玉にして陸軍を悪玉にする情報を流し続けた人たちがいると私は思っています。

それは、事実を丹念に追っていけば簡単にわかります。誰もが知っているように、日米が開戦したのは海軍が真珠湾を攻撃したことが始まりです。ところが、戦後の東京裁判では、死刑に処されたA級戦犯に海軍軍人は一人もいません。文官の広田弘毅を除くと、死刑になったのはすべて陸軍です。

アメリカを攻撃したのは海軍であるにもかかわらず、アメリカは東京裁判で海軍軍人よりも陸軍軍人の責任を問うています。

そもそも海軍の作戦は、最初からおかしなものばかりです。真珠湾を攻撃する必要があったのかどうかについても、きちんと検証する必要があります。

当時は、北進と南進の議論があり、陸軍は北進、海軍は南進を目指しました。常識的に考えれば、北進すべきだったと思います。ドイツと日本がソ連を挟み撃ちにすれば、ソ連は身動きがとれなくなったはずです。しかし、ゾルゲと元朝日新聞社の尾崎秀実(ほつみ)などのスパイが南進に向けた工作を行ないました。

仮に南進するにしても、オランダ領のインドネシアの石油だけ抑える作戦にしていれば、アメリカは対日戦に参戦できなかったはずです。

アメリカ国民は参戦に反対していましたから、オランダ領が攻撃されたのみでアメリカの領土が攻撃されていなければ、開戦の理由になりません。ルーズベルトがいくら参戦を望んでも、自国が被害を受けていない状態で、アメリカ国民、アメリカ議会が対日宣戦布告に賛成することはなかったでしょう。

ところが日本の海軍は、アメリカの領土である真珠湾に攻撃を仕掛けました。これでは、アメリカに参戦させるためにやったようなものです。

作戦的に見ても真珠湾攻撃をする必要があったのかどうか非常に疑問です。

難しい方程式があって真珠湾作戦が立てられたという説もありますが、戦略的に言えば、日本はアメリカを迎え撃てばよかったのです。

日本近海で待ち受けていれば、アメリカが自らの石油を使って太平洋を横断して日本近海に近づいてきます。日本海開戦のバルチック艦隊と同じで、近海におびき寄せて、疲弊した艦隊を迎撃すれば、日本が勝てた可能性は他の作戦より高かったでしょう。

しかし、日本はこちらからわざわざハワイに出かけていって米艦隊への攻撃を仕掛けています。そして広大な太平洋で戦いました。

しかも、真珠湾攻撃は極めて中途半端なものでした。よく指摘されるように、石油施設はまったく攻撃しませんでした。

石油施設を爆撃しておけばアメリカ海軍はしばらくの間動けなかったはすです。南雲忠一提督が弱腰だったから第一波、第二波の攻撃で打ち切って、第三波攻撃をしなかったと言われています。ですが、もともと山本五十六長官は真珠湾を徹底的に叩いて、アメリカの戦意を喪失させることが目的だと言っていましたから、徹底的に叩かなかった理由が釈然としません。そのようなことがあって、山本五十六スパイ説というものまで出てきているわけです。

日本は、アメリカにおびき寄せられたというのが妥当な見方ではないかと思います。日本は攻撃する必要のない真珠湾を攻撃して、中途半端な攻撃でやめてしまっています。しかも、真珠湾には老朽艦しかおらず、空母はすべて湾外に出ていました。

おびき寄せられたとすると、巧妙に仕組まれた可能性があります。単純なスパイ工作ではなく、真珠湾攻撃をさせるように周到に謀った者がいるのでしょう。それに呼応したのが日本の海軍です。

真珠湾攻撃については、東條英機首相ですら知らなかったと言われています。

日本には統合参謀本部がありませんでしたから、海軍は独自に作戦を立てており、陸軍に伝えていなかったようです。

さらに、真珠湾攻撃から半年後には、こちらからミッドウェーにまで出かけていって惨敗を喫しています。ミッドウェー・アリューシャン作戦についても大きな疑問が残ります。

「海軍は善玉で、陸軍は悪玉」と洗脳されてきましたが、本当にそうでしょうか。

実際には陸軍のほうがはるかにまともだったように思います。海軍善玉論は、戦後に誰かの思惑によって流布されたものである可能性が高いでしょう。

支那で戦っていたのは主に陸軍ですが、陸軍は支那を完全に抑えていました。今年は両陛下の慰問があり、ペリリュー島の激戦がマスコミで取り上げられましたが、ペリリュー島のように海軍がまったく支援しない場所で陸軍の兵士たちは奮闘しました。最大の問題は、海軍が補給を確保しなかったことです。ガダルカナル島でも膨大な戦死者が出ていますが、ほとんどの戦死者は餓死によるものでした。

素人が考えてみても、海軍が採った作戦はおかしなものばかりです。陸軍の責任で戦争が起こり、海軍は開明的だったという説が本当に正しいのかどうか、先入観なしに見直すべきだと思います。

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