電脳筆写『 心超臨界 』

あなたが家族を選ぶのではない
家族は神からのあなたへの贈り物
あなたが家族への贈り物であるように
デズモンド・ツツ

人間学 《 人間が人間を信じるということ――伊藤肇 》

2024-06-12 | 03-自己・信念・努力
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散記事『榎本武揚建立「小樽龍宮神社」にて執り行う「土方歳三慰霊祭」と「特別御朱印」の告知』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


中国人といえども、どの民族もがそうであるように、一応、地位とか、財産とか、名誉とかを求めもするし、それを得ようと努力もする。だが、それらが、いかに空しいものであるかを歴史の体験で知っているのだ。というのは、ひとたび、革命が起れば、まっさきにやっつけられるのは、地位が高く、財産をもち、名誉ある人間だからである。


『人間学』
( 伊藤肇、PHP研究所 (1986/05)、p34 )
第2章 人品骨柄の人間学

◆人間が人間を信じるということ

さいわい、安岡正篤師の快諾を得たので、志を同じくする好学の士を15人ほど集めた。

岡野喜一郎〈駿河銀行頭取〉。小島直記〈伝記作家〉。松尾金蔵〈日本鋼管会長〉。岩田弐夫(かずお)〈東芝社長〉。鈴木二郎〈古河電工顧問〉。山内隆博〈大和証券会長〉。小川義男〈住友軽金属社長〉。大原栄一〈富士重工会長〉。平岩外四〈東京電力会長〉。岩沢正二〈住友銀行副頭取〉。武田豊〈新日鉄副社長〉。池田芳蔵〈三井物産社長〉。勝本信之助〈日本合成ゴム社長〉。藤江英輔〈新潮社取締役〉。林繁之〈全国師友協会常務理事〉。

このメンバーで月1回、新橋は「松山」で講義を受け、およそ1年半で『十八史略』をあげたが、その後、ひきつづいて、『世説新語(せせつしんご)』『易経(えききょう)』『言志四録(げんししろく)』と進み、今は『酔古堂剣掃(すいこどうけんすい)』を読んでいる。

それはともかく、『十八史略』を読みあげてわかったことは「中国5千年の歴史は動乱と革命の連続である」という事実だった。

50年、百年にわたる「天下の大乱」などは中国史の中では少しも珍しいことではない。「比類なき太平時代」と謳歌された清朝初期の康熙乾隆朝(こうきけんりゅうちょう)でさえ、せいぜい70年の小康状態にすぎないから、その中で育ってきた漢民族というものは、内乱とか、革命に対しては、きわめて抗毒素の強い民族に成長してきているのである。中国人といえども、どの民族もがそうであるように、一応、地位とか、財産とか、名誉とかを求めもするし、それを得ようと努力もする。だが、それらが、いかに空しいものであるかを歴史の体験で知っているのだ。というのは、ひとたび、革命が起れば、まっさきにやっつけられるのは、地位が高く、財産をもち、名誉ある人間だからである。

このため、何事に対しても懐疑的であり、漢民族特有の虚無感をもっている。

しかし、人間である以上、何かを信じなければ生きてゆく意味がない。

いったい、何を信ずればいいのか。

それは人間が人間を信ずるということである。それ以外に手はない。ところが、悪い人間、つまらぬ人間を信じて、これと行動をともにすると、こちらの運命までおかしくなってくるし、逆に、善(よ)き人間、立派な人間と裸の交わりを続けていけば、自分の人生も自ら開けてくる。そこで、「人を見る明」が乱世を生きぬく叡智(えいち)として発達してきたのである。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 論語 《 子曰く、雍や南面せ... | トップ | 生きるための杖ことば 《 雲... »
最新の画像もっと見る

03-自己・信念・努力」カテゴリの最新記事