電脳筆写『 心超臨界 』

他者の働きによるのではなく
自ら他者に尽くすことにより成功をつかめ
( H・ジャクソン・ブラウン Jr. )

アドラーは積極的に教育現場に足を運び、教師や子供たちの声に耳を傾けました――石井俊憲さん

2012-03-22 | 03-自己・信念・努力
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【『致知』http://www.chichi.co.jp/ 2012年4月号、p57 】
勇気づけがよき人生の未来をひらく――岩井俊憲・ヒューマン・ギルド社長

◆健常者を勇気づけるアドラー心理学

欧米で心理学の三代巨頭といえば、アルフレッド・アドラー(1870~1937)のほか、ジークムント・フロイト(1856~1939)、カール・グスタフ・ユング(1875~1961)が挙げられます。しかし、日本ではアドラーは他の二人ほど知られていません。アドラー心理学の主な対象が健常者であるのに対して、ユング、フロイトの考えは心を病む人の心理学として医療現場などで応用され注目を集めたのも一つの理由かもしれません。

アドラーはいまから約140年前、オーストリアのウィーン郊外で生まれました。子供の頃からくる病などを患い劣等感に悩みながらも精神科医となり、1901年からは精神分析の開祖ともいえるフロイトとともに共同研究に取り組みますが、考え方の違いから約十年後に決別。以来、フロイトとは正反対の理論を構築し、その理論は「個人心理学」と呼ばれてアメリカを中心に大きな広まりを見せましてた。

アドラーは市井(しせい)の精神科医であり心理学者でしたから大学の研究室に籠(こ)もって学問を究めるのをよしとせず、積極的に教育現場に足を運び、教師や子供たちの声に耳を傾ける手法をとりました。その結果、世界で初めてとなる児童相談所を開設、健常者の心理的・教育的支援に従事していくのです。

では、アドラー心理学はどのようなものなのでしょうか。アドラーは従来の心理学とは異なり一人の人間を細かい要素に分けて考えず、一人の人間全体が、備えらた機能を伴って目的に向って行動していると考えました。具体的には、人間は皆なんらかの劣等感を抱いているため、より優越性を求めて行動すると考えました。

それをカウンセリングに応用した場合、心理的に健常ではあるけれども、何かの要因によって問題行動を引き起こしたり、環境に適応できなくなった人を前向きにさせ、勇気づけ、社会に適応できるよう導くことができます。そのポジティブな考えは、『夜と霧』で有名なビクトール・フランクル、欲求段階説で有名な心理学者のアブラハム・マズロー、社会教育者のデール・カーネギーなどにも大きな影響を与えました。

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