電脳筆写『 心超臨界 』

人生は良いカードを手にすることではない
手持ちのカードで良いプレーをすることにあるのだ
( J・ビリングス )

真珠湾攻撃の真実 《 山本五十六の戦略ミス――福井雄三 》

2024-07-26 | 04-歴史・文化・社会
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問題は、開戦以降の彼の行動です。海軍が、長年にわたってその頭脳を総力結集して練り上げた漸減邀撃(ぜんげんようげき)作戦を無視し、艦隊決戦にこだわった。そして本来ならば、日本が長期にわたる持久戦法により、優勢のうちに展開することができたはずの日米開戦で、虎の子の連合艦隊主戦力を一挙に失い、日本を破滅に追いやってしまったんです。


◆山本五十六の戦略ミス

『自ら歴史を貶める日本人』
( 西尾幹二・福地惇・柏原竜一・福井雄三、徳間書店 (2012/12/20)、p184 )

【福井】 もう一つ例を挙げましょう。半藤さんは、山本五十六を徹底的に美化して描いています。劇的な戦死を遂げた悲劇の英雄として描かれ、海軍善玉の象徴的人物にされています。確かに山本五十六は戦争が始まるまでは親米的で、アメリカとの戦争には反対でした。だがこれは山本だけでなく、当時の良識ある日本人なら誰でもそうでした。

問題は、開戦以降の彼の行動です。海軍が、長年にわたってその頭脳を総力結集して練り上げた漸減邀撃(ぜんげんようげき)作戦を無視し、艦隊決戦にこだわった。そして本来ならば、日本が長期にわたる持久戦法により、優勢のうちに展開することができたはずの日米開戦で、虎の子の連合艦隊主戦力を一挙に失い、日本を破滅に追いやってしまったんです。

連合艦隊よりも海軍軍令部のほうが立場は上ですが、彼は軍令部の作戦を無視し、自分の辞任をちらつかせて横車を押し通し、おのれの独断で作戦を強行して大敗を喫した。

山本のこのような軍人としての戦略ミスに対してこそ、徹底的な分析と批判のメスを入れねばならぬのに、全く無視されている。このように、いざ肝心要の最も重要な部分にさしかかると、彼の筆は突如として形容詞の美辞麗句が踊りだし、読者はいつのまにか煙に巻かれてしまうのです。『山本五十六』(平凡社)からいくつかの例を挙げましょう。

〈名をも命も惜しまざらなむ〉〈この愚劣きわまる戦いでは名をも捨てた。敗者の矜持(きょうじ)も顧みない〉〈この戦は、俺の流儀で戦ってやる、他の批判も後世の検証も恐れない、という捨て鉢な決意を固めた〉〈山本は敢えてやれといわれるなら“自分の戦争”をやるまでだと決心し、それに固執した。大本営が考える“南方要地を確保して敵の来攻を待つ長期不敗の構想”など、彼にあっては愚の骨頂なのである〉

まるで、源義経かあるいは赤穂浪士の浪曲をうなっているかのような語り口です。

この結果が、日本にいかなる悲劇を及ぼしたかという点こそ、徹底的に議論され検証されなければならないのに、半藤さんはそれをしない。自分の都合の悪いことになると一切説明を省いて、焦点をうやむやにぼかしてしまうんです。

【西尾】 山本五十六については、『昭和史』を読んでいても、平和主義者として何度も記述し、海軍の平和への志の高さを述べておきながら、突如として〈山本五十六連合艦隊司令長官が「対米英戦争はもはや避けられないのであろうか。やむを得ん。いざとなったら真珠湾を攻撃しよう」と考え出したのはこの時でした。言い換えれば「いざとなったら伝統の戦術などかなぐり捨てて、俺流の乾坤一擲の戦法でいく」ということです。〈戦争への道を突き進む海軍中央の動きを止める手段が全くないとみた彼の苦悩の選択ではなかったかと思えないでもありません〉と記述しています。

コロッとひっくり返るんですよ。これは、今まで彼が言っていることと正反対の明らかに矛盾した記述です。これじゃあまるで、「さあ見ていらっしゃい、聞いていらっしゃい」という紙芝居屋さんですよ。
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