電脳筆写『 心超臨界 』

神はどこにでも存在するというわけにはいかない
そこで母をつくられた
( ユダヤのことわざ )

人格神を超越する――柳澤桂子

2024-07-30 | 04-歴史・文化・社会
電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『世界政治の崩壊過程に蘇れ日本政治の根幹とは』
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(2005年6月20日投稿)
科学と宗教は対極にあるのではなく、同じ方向をめざしているのだと思います。結局、宗教上の神というのは脳のなかの機能ですよね。たとえば、私は病気のために研究所から解雇を告げられた直後に神秘体験をしています。でもそれは極度のストレス状態で出る脳内快感物質の働きであって、宗教的な体験はそのうちに科学の言葉で説明できると思っているのです。人間の意識というのも、アニミズムに始まり、人格神を求める自我が育ち、さらに人格神を超越したところに神のない信仰の世界があるのだと私は信じています。


◆人格神を超越する

「時世(ときよ)の地平線 その十八」 生命科学者 柳澤桂子さん
「省エネルギー」6月号(財団法人/省エネルギーセンター)冒頭インタビューより

……創造的な仕事は、歓びと苦しみを伴うのですね。先生は意識の進化をめぐる思索を深めていくなかで、病もまた進化のために大切だと説かれていますが。

遺伝学的には“進化圧”と呼びますが、生き物にとって病気は強いものを選ぶ圧力として、とても大事なものなのです。病気は動物には付き物で、弱いものは死んでいき、集団としてはだんだん強くなっていく。人類という集団にも、必ずある頻度で障害や病気を持った子が生まれてくるのです。ですから人間である以上、健康な方は病気の遺伝子を受け取ったのがたまたま自分でないことに感謝して、弱いものを守っていく社会であってほしいものです。だからこそ人間だと思うのです。

……これは宗教の領域かもしれませんが、意識の進化は今後、どのような変遷をたどるとお考えですか。

科学と宗教は対極にあるのではなく、同じ方向をめざしているのだと思います。結局、宗教上の神というのは脳のなかの機能ですよね。たとえば、私は病気のために研究所から解雇を告げられた直後に神秘体験をしています。でもそれは極度のストレス状態で出る脳内快感物質の働きであって、宗教的な体験はそのうちに科学の言葉で説明できると思っているのです。人間の意識というのも、アニミズムに始まり、人格神を求める自我が育ち、さらに人格神を超越したところに神のない信仰の世界があるのだと私は信じています。この考えは宗教学では否定されているようですが、生物学的には理に適っているのではないでしょうか。

……環境問題は、人格神を超えるまでの試練ですね。

最大の試練であって、もう人類絶滅も幻想ではないと思いますよ。でも、人間には希望を抱いて考える力があるのですから、京都議定書の目標達成だってできるはずです。私は、“エネルギーキップ”というのがあればいいと思っています。今日はどれだけ電気やガス、クルマを使えますといった割当があれば、もっとエネルギーを大切にできるのではないでしょうか。それくらい切迫した問題なんです。哲学者のフロムは、「持つことに執着する人間の性癖を、存在に重きをおく生き方に変えなければならない」と説いています。一人でも多くの方が「所有」に執着する生き方を省みて、私たち一人ひとりの「存在」そのものが奇跡であると気づく営みのなかに、環境・エネルギー問題の危機を乗りこえる大きな力があるのです。
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