電脳筆写『 心超臨界 』

心地よいサマーレインのように
ユーモアは一瞬にして大地と空気とあなたを洗い清める
( ラングストン・ヒューズ )

◆戦後の歴史教育のゆがみの原点——プライドを奪われた国・日本

2024-07-11 | 05-真相・背景・経緯
§7 心が臨界質量を超える――誇りある日本を取り戻すために
◆戦後の歴史教育のゆがみの原点——プライドを奪われた国・日本


アメリカ人の目には、日本人というのは日露戦争以来、自分たちが白人と同じレベルにあると考えているというように映っていたでしょう。だから、まずその意識を奪い、二度とアメリカに刃向かうことのないようにしなければならない。では、ある民族からその意識を奪うにはどうしたらいいか。それにはプライドを奪うことである。そしてプライドを奪う一番いい方法は、その国の歴史を奪うことである。どこの国の国民も、プライドのもとは歴史なのです。


◇戦後の歴史教育のゆがみの原点

『戦後七十年の真実』
( 渡部昇一、扶桑社 (2019/3/27)、p40 )

ご承知のように、アメリカの建国は有色人種である先住民のインディアン(ネイティブ・アメリカン)から国を奪ったところから始まります。したがって、彼らのDNAには、白人と有色人種が対等では困るという意識が刷り込まれていたはずです。戦争中の日本はアメリカ以外では機動部隊を持つ唯一の国でした。当時、航空母艦はソ連もドイツも持っていませんでした。大英帝国には航空母艦はありましたが、機動部隊は持っていません。ですから、機動部隊を使って戦争をする有色人種が現れたことは、アメリカ人にとっては許されざることでした。

そう考える彼らの深層心理の中には「有色人種が白人と対等になってもらっては困る」という伝統的な人種差別意識が間違いなくあったと思います。だから、アメリカが日本を占領しに来たときに第一に考えたのは、一言でいうならば「日本人をインディアンのようにしよう」ということだったでしょう。

彼らの目には、日本人と言うのは日露戦争以来、自分たちが白人と同じレベルにあると考えているというように映っていたでしょう。だから、まずその意識を奪い、二度とアメリカに刃向かうことのないようにしなければならない。では、ある民族からその意識を奪うにはどうしたらいいか。それにはプライドを奪うことである。そしてプライドを奪う一番いい方法は、その国の歴史を奪うことである。どこの国の国民も、プライドのもとは歴史なのです。

これをわかりやすく説明するために、私はよくジェフリー・アーチャーの大ベストセラーになった『ケインとアベル』という小説について話します。この小説はポーランド移民としてアメリカに渡った男がホテル王として成功するという物語です。その男は自分の娘を教育するためにイギリスの有名な女子高の先生をスカウトします。ところがその先生は、「ポーランドの歴史だけは、あなたが教えてください。歴史はプライドを持って教えなければなりませんから、私が他国の歴史を教えるわけにはいきません」といった趣旨の話をします。それでホテル王の男は忙しい仕事の合間を縫って自ら娘にポーランドの歴史を教えます。その娘はポーランド人としてのプライドを持って育って、やがてアメリカ初の女性大統領になるのです。

歴史というものがその国民のプライドのもとになるということをこれくらい明瞭に書いた小説はないと思います。だからアメリカは、日本人からプライドを消し去るために躍起になって日本の歴史を奪おうとしたのです。これが戦後の歴史教育のゆがみの原点にあるのです。
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