電脳筆写『 心超臨界 』

どんな財産も誠実にまさる富はない
( シェークスピア )

仏の舌は長く大きく、誠実の言を説く――興膳宏

2024-07-01 | 04-歴史・文化・社会
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「広長舌」で説かれる仏の言葉はありがたいものだが、それがなまって「長広舌」となると、すっかり印象が違ってくる。「長広舌をふるう」という表現からは、長々としゃべっている人物の得意然とした顔つきと、それを聞かされている不特定多数の人々の迷惑そう表情とが二重になって浮かんでくる。そもそも長いのは舌であって、話ではない。また仏の説教は弁舌さわやかなだけでなく、話の内容が真実で、虚妄を含まないことが肝心なのだが、「長広舌」はその点がだいぶ怪しい。


◆仏の舌は長く大きく、誠実の言を説く

「漢字コトバ散策――『長広舌』広く長い舌で仏典を説く」
2005.02.20日経新聞(日刊) 京都国立博物館長 興膳宏

小泉首相の国会答弁は、短いセンテンスの言葉をくり返して、相手の質問の核心をはずし、聞いていてもどかしい思いがする。その一方で持論をのべたてるときには、一転して冗舌になり、最近も延々と長広舌(ちょうこうぜつ)をふるって、質問者から、「答弁は簡潔に」と注文がついたそうだ。

「長広舌」は、漢訳仏典の言葉で、正しくは「広長舌」という。仏に備わる32種の優れた身体的特徴、いわゆる「32相」の一つが、「広長舌相」である。仏の舌は長く大きくて、口から出すと顔をおおって、舌先が耳にまで達するという。弁舌に巧みなことの象徴である。もともとインドでは、偉大な人物の優れた特徴として、細くて長い舌が想定されていたのだが、仏典が漢訳されると、それが「広くて長い」ものになった。

この「広長舌」、『法華(ほけ)経』や『阿弥陀(あみだ)経』といった最もポピュラーな教典に見えていて、一般にもなじみ深い。『法華経』如来神力品(じんりきぼん)では、仏が一切衆生を前に「広長舌を出して」、超人的な奇跡を現出した、と述べられている。また、『阿弥陀経』では、四方上下の世界に在るもろもろの仏たちが、おのおのその国において、「広長舌相を出して、三千大千世界をおおい、誠実の言を説いた」とされる。その「誠実の言」こそが仏典となる。

「広長舌」で説かれる仏の言葉はありがたいものだが、それがなまって「長広舌」となると、すっかり印象が違ってくる。「長広舌をふるう」という表現からは、長々としゃべっている人物の得意然とした顔つきと、それを聞かされている不特定多数の人々の迷惑そう表情とが二重になって浮かんでくる。

そもそも長いのは舌であって、話ではない。また仏の説教は弁舌さわやかなだけでなく、話の内容が真実で、虚妄を含まないことが肝心なのだが、「長広舌」はその点がだいぶ怪しい。長くても、短くても、国民が聞いて納得できるような説明を心がけて下さい。ねえ、小泉さん。
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