司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

議決権行使書と委任状の関係 その4

2012年10月05日 | 株主総会

おはようございます♪

今さらですが、司法書士事務所では、必ずしも登記に関係しない書類の作成をする場合があります。
「場合がある」というのは、「しない」事務所もあるだろうという意味です。

ウチの事務所のように(特にワタシ!?)、登記の書類とか、そうじゃないとか、あまり考えていない事務所もありまして、手続書類全般の作成をお手伝いいたします。
もちろん、作って欲しい書類、アドバイスして欲しい事柄は会社によって違いますが、株主総会の議決権行使の委任状に関しては、作成の依頼も多いし、相談を受けることもそれなりにあります。

で、株主総会の議決権行使の委任状というモノ。大きく分けて2パターンありますね。
「株主が各議案の賛否を表示し、その指示に従って議決権の行使を委任するもの」と「株主総会の議案全てについて、代理人に議決権の行使を委任するもの」です。

前者は、一応、株主の賛否の意思が表示されていて、後者は株主の賛否の意思表示はせず、代理人に一任するものです。
汎用性という意味では、後者の方が使い回しがききます(日付だけ直せば次回に使えます)が、株主の考えを尊重しているか、という点では後者ではモンダイが多いと思います。

したがって、どちらを採用するかは、株主と会社の関係によって異なりますね。
例えば、100%親子会社の場合は、形式的に書面を整えるだけなので、招集通知は詳しく書いたとしても、委任状は簡単なものが多いですね~。同族会社などの場合も同様です。

一方、外部株主サンがいらっしゃるような会社の場合は、株主サンの意思を反映した委任状を作成することがほとんどです。
(外部株主サンがいらっしゃる会社サンは、大体、株主の数もそれなりに多いです。)

。。。というわけで、前置きが長くなりましたが、今回は、賛否の表示のある委任状です。
モンダイは「空欄」や「誤った内容の記載があった場合」の考え方について。

委任状のうち、実際に株主が記入する欄は、代理人の(住所及び)氏名と賛否の「○印」、ご自分の住所・氏名(+届出印押印)くらいなモノです(株主の住所・氏名は既にタイプしてあることも多いですね)ので、そんなに難しくはありません。返信のための送料は基本的に会社が負担しますから、さほど面倒ということもないと思います。

それだけのことなのに、有効性については、まぁ~色々あるようで、ワタシも勉強させてもらいました。

。。。というのも、委任状って、作成はしても登記には使いませんので、出来上がりを拝見する機会が少ないし、代理人を誰にするか。。。などは事前にご相談いただくので、後日、「こういう委任状は有効ですか?」というようなお問い合わせは非常に少ないからなんです。

なるほどぉ~。。。そうだったのね~♪
新鮮な驚きがあったワケですが、続きはまた来週~!

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6 コメント

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Unknown (受験生補助者岩田)
2012-10-07 18:04:09
こんばんは、いつも楽しく拝見させていただいております。

委任状と議決権行使書面を混同されている会社はおおいですよね。
委任状については内閣府令なるものもあるらしく、奥が深いようですね。


ところで先生の事務所では組織再編の依頼が多いようですが、
ご経験上、株式移転の最短期間を教えていただけますでしょうか。


私の考えでは、債権者保護手続きが不要な場合、
考える法定期間は、
株式買取り請求の20日間、
事前開示から株主総会までの二週間のみ
でありますので、原則20日間でできるとおもいます。
さらには株主全員の同意があれば、買取り請求期間は省略でき、二週間でもできるように思えますが実務上いかがでしょうか。
期間につき教えていただけますと幸いです。
宜しくお願いします。
返信する
Unknown (charaneko)
2012-10-09 11:06:11
受験生補助者岩田さん、コメントありがとうございました。
委任状に関しては、「議決権の代理行使の勧誘に関する参考書類」を作成している上場会社が使用する「委任状」というモノもありまして、こちらはどちらかというと、議決権行使書に近いモノかと思います。
が、記事に出てくる「委任状」は、コレに該当しない一般的なモノです。ご参考まで。。。

ところで、ご質問の件、事前開示期間や株式買取請求期間は、法文上は短縮できないように読めますが、いずれも総株主の同意(株式買取請求権に関しては、ワタシ自身は、株主全員に放棄書を提出してもらっています)で期間短縮している会社サンもあります。
(企業法務系の弁護士事務所さんは、皆さんそういうご見解のようなので、実務上は一般的なのではないかと思います。)

ま、あまり積極的にはお勧めしておりませんが、債権者保護手続を要しない株式交換においては、株主保護の趣旨での手続期間だと考えられますので、場合によっては期間短縮できる、との解釈です。

なので、株式交換契約締結の翌日を効力発生日にしたケースもありました。
ただし、くどいようですが、特別な事情が無い限り、原則は、20日間の期間を置くべきと思っております。
登記申請がある場合は、念のため法務局にもご確認くださいね。

ではでは、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (岩田)
2012-10-11 01:12:02
大変よくわかりました。
移転交換はまだまだ確立されてない部分があるのですね。
ありがとうございます。

最後にもう1つだけ質問させてください。
A、B、Cの三社が共同株式移転を行う場合、
AはBの完全子会社であり、Cは独立した資本関係であるばあいに、株式移転を行うと、
Aと新設会社は株式を相互保有する結果となりますが、
最初からAには新設会社の株式を割り当てず、Cのみに株式を与えるような、
株式移転は可能なのでしょうか。
相互保有になると、結局新設会社は自己株式として取得することになり、
二度手間だなあと考えてたら疑問に感じ、質問させていただきました。
これで最後にしますので宜しくお願い致します。笑
返信する
Unknown (charaneko)
2012-10-11 12:51:55
岩田さん、コメントありがとうございました。

お問い合わせのケースは、ワタシ自身はやったことがないのですけれども、新設会社が株式を発行しないことはあり得ないから、株式移転では少なくとも対価の一部を株式にしなければならないのだろうと思います。

そう考えれば、共同株式移転の場合、株式移転完全子会社1社(の株主)だけに対して対価(株式)の交付を行うこともできるような気がします。

が、あくまでも私見ですので、ご了承ください。

そうそう、こういうケースでは、BCが共同株式移転をした上で、Bが後日A社株式を現物配当することが多いみたいですけども、それではダメなのでしょうかね~?(やっぱり二度手間?)
返信する
会社法上は可能です。 (みうら)
2012-10-13 19:35:20
でも税法上だめだと思います。多額の課税に耐えられない。
返信する
余談 (みうら)
2012-10-13 19:37:48
相互会社の場合は、すべての会社の社員に株式を割り当てないとだめですが、株式会社の場合はそういう規定がない。
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