ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

家族が病気になって

2021年12月15日 | 随筆
 突然家族が病気になりました。つい先日まで元気で周囲の人達を笑わせていましたのに。現在は大学病院に入院しています。人生は中々思う様には行かず、賀状を書きつつ今年は良い一年だったようだ、と思ったばかりでした。
 今入院すると、コロナのために面会も出来ず、何か美味しい物なんて差し入れも叶いません。入院とは、家族の断絶みたいなものです。「では行って来るよ」と云った夫に手を振って、大学病院に送ったのですが、以来様子を見に行っても面会出来ないし、規則によって、持たせたケータイ電話にこちらから電話を掛けることが出来ません。過去に電話が可能な談話室などに行けば、いつでもケータイなどから家族に電話が出来た私には、信じられない事でした。
 私は数年前に股関節置換手術を受けましたが、その時はこのあたりでは股間節手術が上手いと全国誌にも載っていた、評判の医師に手術して頂きました。個室に入って実に伸び伸び楽しい入院生活を過ごしました。間もなく歩けるようになって、何不自由なく楽しい入院だったと云えば笑われそうですが、毎日家族など誰かが病室を訪れてくれて、過去の日記にも楽しかったと書いて有ります。
 手術では、私の体質のために急に血圧が下がって、危険な一時もあったようでしたが、無事に終わりました。
 今回は大学病院ですが、でも面会も差し入れも一切受け付けて貰えません。病院側がらは、必要な物は正面玄関を入ると警備員の方が居られるので、お願いして持って行ったものを預かってもらえば、病室の係の看護師さんに引き継いで下さるとのことでした。それ以外は一切だめです。確かに病院と云うところは病気の人達が入院しているのですから無理の無い事で、看護の立場に立って考えると矢張りこれは致し方ない事なのでしょう。
 そのような事を知らなかった私は、夫の方から電話が掛かって来るのを待つ以外、何も出来なくなりました。入院後は色々な検査が沢山あって、時間が無いのもそのうちに解りましたが。現在は足の痛い夫から、何時来るか解らない電話だけが元気である事を確かめる方法なのです。
 友人や知人から「ご主人はどうですか」と聴かれても現状が分かりませんので、どうにもなりません。家族への説明は一人だけで、それはさすがに国立の大学病院らしく、とても良く説明して頂きしたが「病気の夫に会えない」と云うのは初めてですから、困惑しています。
 
 個人的な事ですが、大晦日が別々という経験も初めてになります。耐えなければ成らないのなら、しっかり耐えるのが留守を預かる者として、当たり前のことでしょう。皆さんにまでこのような繰り言を書いてしまって申し訳ありません。

 どうぞ皆様良いお歳をお迎え下さい。今年も下手なブログにお付き合い頂き、有り難うございました。心から感謝しています。  あずさ
 

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