最近とても怒りっぽくなったというか、自分では気付かないうちに気短になったらしく、夫に「直ぐにカッカと怒らないように」と言われます。政治の話題にしても直ぐに頭に血が上ってしまって、「こんなじゃ、どうしようもないじゃないの」「党利党略ばかり考えないで、もっと国家の為を考えてほしいものだわ」などと言い、一寸したニュースや新聞記事にもすぐ反応してしまいます。
朝食を取りながらの家族の話題は、新聞やテレビのニュースが主たる話題で、侃々諤々(かんかんがくがく)になることもあり「朝食の食卓を囲ん、家族でこれ程政治について話している家はそんなに多くはないだろう」と息子が半分呆れて言います。
他所のご家庭のことは知る由もありませんが、もしかしたらその原因の一つは主婦の私の政治への関心が強すぎるせいかもしれないと秘かに思っています。 私の母は新聞が大好きで、忙しい子育ての最中でも、新聞を隅々まで読んでいました。忙しいので何時も立ち読みしていましたが、そんな時に私が「明日遠足だから、おにぎりを作ってね」と頼んでおいても、母は「はい、はい」と答えるのですがそれは大抵上の空なのです。翌日の朝は、決まっておにぎりが出来ていません。大急ぎで作った湯気のたったおにぎりを持って出かけたものです。私は母が新聞を読み始めると、大切な話はしないように気をつけました。米寿を過ぎても、病に倒れるまで、一人で留守居をしている母のところへ話し相手に出向くと、母は良く国会中継を見ていて、「私はこの大臣が気に入っている」等と言っていました。
父は政治的に偏ることもなく、ごく平凡な人でしたが、甥には○○議員もいて(私には従兄)確かに政治が好きなDNAの流れがあります。私のように歳を取った女性で、新聞とネットでニュースを読み、日々話題にしている人間も確かに少ないかも知れない、とこの頃自分が変人に思えてきました。
夫の方は直接政治にかかわった親族もいますので、どちらの血を引いても息子が政治に無関心でないことも頷けます。ただ息子の場合は、政治を表面だけで捉えず、他党との関係や、諸外国との関わりの中で理解しようとする姿勢が私の及ばないところです。いつもカッカと怒る私に、解りやすくその事態が起きている原因を解説してくれますので、燃えさかった怒りの炎も簡単に鎮火してしまうのです。地元紙と中央紙(日経新聞)を購読し、それ以外にネットで中央紙の社説に必ず目を通しているそうです。私も真似をしようと思っても、中々毎日となると大変で、社説までは付いていけない状態です。
夫は「政治そのものより、関係する各界の人物に興味がある」と言い、矢張り私より良く考えて見ています。一番無知で単純な私が一番カッカとするので、夫が「発火点をもっと高くするように」と良く言うようになりました。
ついつい力が入って声が大きくなり「そんなに大声を出さなくても聞こえる」と言われたり、「低すぎ」「低すぎ」と言い、私の発火点が低いのを注意して、「怒る前に、どうして当事者はこのような言動を取るのか、考えなさい」と注意するのです。歳を取ると怒りっぽくなると言われます。気を付けたいと思いながら矢張り怒りっぽく、そして頑固になって来ていることに気付かされています。「歳を取っているのだから、もう少し穏やかに」と言われたり、何にでも首をつっこみたがる私を注意しますが、これも夫の愛というべきか、でも少し干渉しすぎにも思えます。
雑談ばかりになってしまいました。政治も程々にして、発火点を高くすることに矢張り気をつけてないといけないと感じています。多くのお年寄りは、それなりに穏やかに暮らしておいでのようです。私も見習わないといけません。
毎日起きる様々な悲しい出来事を新聞やテレビで見ていますと、もう少し人間が自己本位の我欲を減らして、お互いを思いやる温かい心を持ったら、この地球ももっともっと住み安くなるのにと思います。けれどもそんな気持で政治のニュースを見ると、またしても発火点が低くなってきてしまうのです。
霜月の蒼き月光(つきかげ)我を射て秘めたる怒り湧き上がりくる(某誌に掲載)
ほのかなる香(かう)のかほりの路地に流れ独り居の媼(おうな)健やからしき
(某誌に掲載)
朝食を取りながらの家族の話題は、新聞やテレビのニュースが主たる話題で、侃々諤々(かんかんがくがく)になることもあり「朝食の食卓を囲ん、家族でこれ程政治について話している家はそんなに多くはないだろう」と息子が半分呆れて言います。
他所のご家庭のことは知る由もありませんが、もしかしたらその原因の一つは主婦の私の政治への関心が強すぎるせいかもしれないと秘かに思っています。 私の母は新聞が大好きで、忙しい子育ての最中でも、新聞を隅々まで読んでいました。忙しいので何時も立ち読みしていましたが、そんな時に私が「明日遠足だから、おにぎりを作ってね」と頼んでおいても、母は「はい、はい」と答えるのですがそれは大抵上の空なのです。翌日の朝は、決まっておにぎりが出来ていません。大急ぎで作った湯気のたったおにぎりを持って出かけたものです。私は母が新聞を読み始めると、大切な話はしないように気をつけました。米寿を過ぎても、病に倒れるまで、一人で留守居をしている母のところへ話し相手に出向くと、母は良く国会中継を見ていて、「私はこの大臣が気に入っている」等と言っていました。
父は政治的に偏ることもなく、ごく平凡な人でしたが、甥には○○議員もいて(私には従兄)確かに政治が好きなDNAの流れがあります。私のように歳を取った女性で、新聞とネットでニュースを読み、日々話題にしている人間も確かに少ないかも知れない、とこの頃自分が変人に思えてきました。
夫の方は直接政治にかかわった親族もいますので、どちらの血を引いても息子が政治に無関心でないことも頷けます。ただ息子の場合は、政治を表面だけで捉えず、他党との関係や、諸外国との関わりの中で理解しようとする姿勢が私の及ばないところです。いつもカッカと怒る私に、解りやすくその事態が起きている原因を解説してくれますので、燃えさかった怒りの炎も簡単に鎮火してしまうのです。地元紙と中央紙(日経新聞)を購読し、それ以外にネットで中央紙の社説に必ず目を通しているそうです。私も真似をしようと思っても、中々毎日となると大変で、社説までは付いていけない状態です。
夫は「政治そのものより、関係する各界の人物に興味がある」と言い、矢張り私より良く考えて見ています。一番無知で単純な私が一番カッカとするので、夫が「発火点をもっと高くするように」と良く言うようになりました。
ついつい力が入って声が大きくなり「そんなに大声を出さなくても聞こえる」と言われたり、「低すぎ」「低すぎ」と言い、私の発火点が低いのを注意して、「怒る前に、どうして当事者はこのような言動を取るのか、考えなさい」と注意するのです。歳を取ると怒りっぽくなると言われます。気を付けたいと思いながら矢張り怒りっぽく、そして頑固になって来ていることに気付かされています。「歳を取っているのだから、もう少し穏やかに」と言われたり、何にでも首をつっこみたがる私を注意しますが、これも夫の愛というべきか、でも少し干渉しすぎにも思えます。
雑談ばかりになってしまいました。政治も程々にして、発火点を高くすることに矢張り気をつけてないといけないと感じています。多くのお年寄りは、それなりに穏やかに暮らしておいでのようです。私も見習わないといけません。
毎日起きる様々な悲しい出来事を新聞やテレビで見ていますと、もう少し人間が自己本位の我欲を減らして、お互いを思いやる温かい心を持ったら、この地球ももっともっと住み安くなるのにと思います。けれどもそんな気持で政治のニュースを見ると、またしても発火点が低くなってきてしまうのです。
霜月の蒼き月光(つきかげ)我を射て秘めたる怒り湧き上がりくる(某誌に掲載)
ほのかなる香(かう)のかほりの路地に流れ独り居の媼(おうな)健やからしき
(某誌に掲載)