ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

シャッター通りに生き残る店

2009年05月15日 | 日記
 今や各地でシャッター通りが次々に増えて、ゴーストタウンの趣をなして来ています。先日私も市の中心街に出て、地下街を歩いて驚いたのですが、かなりの店舗にシャッターが下りていたのです。あの賑わいは何処へ消えたのか、と残念な思いをしました。郊外の大型スーパーとテナントが集まった大ショッピングセンターに客を奪われたばかりでなく、購買力の低下もあるのでしょうが、まだ開いているお店もある事を思うと、そればかりではなさそうです。
 私の住んでいる郊外のの商店街も、ご多聞に漏れずシャッター通りとなって久しいのですが、私達が引っ越してきた頃からの、小さいのにまだとても元気に頑張っているお店があります。感心なその店舗は一軒は時計屋さん、もう一軒はケーキ屋さんです。
 どちらも夫婦でこぢんまりと経営していて、時計屋さんは近くの住人が用もないのに訪れて、まるでちょっとしたサロンのようになる事もあります。お客を大切にして、どんな小さな注文にも心良く接し、アフターサービスも良く、真心のこもった応対が人々を引きつけるのです。良心的な経営に心掛けているようです。私達もいつの間にか時計、眼鏡は迷わずそのお店に行きます。
今までに高いとか、購入して失敗したとか一度も思った事がなく、何時も満足して利用しています。店主の話では、昔は高校に入ると時計を買って貰う人が多く、我が家のすぐ近くの高校生も沢山お得意さんだったとの事でした。今はその人達の子供さんが来て下さると、にこにこと仰り、お陰様で、と言うのですが、考えてみますと私達も三代続いてお世話になっているのです。
 そういう誠実で正直なお店はシャッターと縁がないのだとしみじみと思います。眼鏡の量販店が出来て、そちらに客を奪われても仕方のない事のように思えますし、時計も安価なファッション時計が流行っています。にも関わらず、いまだに続けられるというのは、皆さんも私達と同じように、少し高くても長く使え安心して買うことの出来るお店を選ぶ人が多いという事でしょう。
 ケーキ屋さんにしても同じです。すぐ近くに新しいケーキ屋さんが出来て、二店舗は閉店しました。でもこの店舗は矢張り根強いファンがあって、頑張っています。時代に応じて甘みを控えたり、何時も新しい商品を研究したり、一方では昔からの良いものはそのまま続けて作っています。 
 でもそればかりではありません。消えた店舗の一つは大量生産の製品を売っていた店舗で、店員さんに誠実さや、サービス精神が欠けていました。もう一つの消えた店舗も自家製品でしたが工夫が足りず、無愛想な客扱いにどうしても足が遠のくのです。
 矢張りシャッター通りに生き残る店舗は、それなりの理由が有るようです。今日も時計屋さんのサロンに来ていたお得意さんは、きちんと心得ていて、客が来ると邪魔にならないように心掛けていましたし、腕時計の調子を見て貰っただけだったのですが、コーヒーをご馳走になって恐縮しました。代金はいりませんといわれて、一層恐縮したのでした。 何気ない話題にも細やかに心を配って、爽やかな五月の風に吹かれているようなそんな 応対でした。お店を出ると心が和んでいくのを感じて、何時ものように満ち足りた気持ちで帰って来ました。

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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (はまぐりん)
2009-05-17 18:13:26
こんにちは。

うちの商店街もスーパーコンビニの出店で、個人商店はどんどんなくなって、今では0です。
悲しい現実ですね。
しかもそのスーパーやコンビニもサービスが悪くて撤退したものもあります。勝手ですよね。

個人商店経営者を応援してます。
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