ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

子育て孫育て

2020年03月28日 | 随筆
 「ニュウズウイーク日本語版」の3月31日号の「みんなで子育て」と云う表紙を見て、私の遠い日の子育てと義父母の孫育てを思い出しました。
 いつの世も「子供を育てる」事ほど大切で又やり甲斐のあることはありません。一人の人間として育て上げる事は、親の義務でもあります。その結果は、親から子へ子から孫へと愛情に満ちた養育が引き継がれて、子供の心の安定に繋がり、世の中の平和が保たれていくのですから。社会の基盤となる個々人が「何に価値観を見いだして」生きていくのか、それはとても大切なことです。定年退職後の夫婦にとっての孫育てなどは、双方に取ってもメリットがあります。
 ニューズウィークの表紙の幼児の瞳は、つぶらでまるで天使のようであり、笑顔はとても愛らしいです。思わず手を出して愛したい気持ちにさせられます。このような幼児と暮らせたら、親も祖父母もさぞ幸せであろうとも思われます。
 この誌の筆者は2018年に発表した研究で、アメリカでは親と祖父母の「3世帯」で暮らす18歳未満の子供の数が「過去20年で2倍近く増えた」と書いています。なぜ増えたのか、少子化傾向の社会において、孤独から離れて3世帯家族として過ごすことは、とても幸せなことのようにも思えますが、一方それはストレスでもあり、一概には決めつけられないと思っています。
 両親とも働いていて育児が出来ないとか、子供が日常的に孤独な状態になってしまうので、やむを得ず3世代同居になる場合もあります。又離婚の増加や未婚の母が増えたのも原因でしょうし、加えて景気後退に起因する経済的要因というのもあります。
 アメリカでは、マイノリティー世帯の方が同居世帯の割合がはるかに高いそうです。これも3世帯家族の増加の一因になっているようです。
 3世帯同居は子供や親にとってプラスになる場合もマイナスになる場合もあります。家賃が節約出来るなどのメリットもあるかわりに、一人分の暮らしのスペースが狭くなる、という不便もあります。家を建てる余裕があれば良いですが、都市に居住する若い夫婦は、アパートやマンション暮らしが大半です。狭い日本の家事情から、そのまま窮屈な生活を強いられることもあります。
 多くの人は自立した生活を望みますが、夫が高額所得者である場合は別として、最近は双方の生き甲斐にも繋がるといって、共働きをする家庭も多く、又生まれて間もない子供を抱えた時、どちらかの両親に頼らなければ暮らせない状態にもなるわけです。
 日本では世代を超えて比較的「祖父母の孫育て」に肯定的な人が多いようで、内閣府2014年の「家族と地域における子育てに関する意識調査」によると、「子供が小学校に入学する迄の間、祖父母が育児の手助けをすることが望ましいか」との設問に「望ましい」と答えた割合が78.7%に達しています。
 しかし2015年の調査(第一生命経済研究所)によると、祖父母と孫の同居率は6.7%となっていて、私の子育て時代に比べると格段に低いです。私達は長女が生まれた時に、運良く新築家屋が完成して、離れて暮らしていた夫の両親に出て来て貰って同居したのです。本当に夢のように恵まれていました。
 しかし今思うと、孫育ては夫の両親にとって楽しみでもあったでしょうが、ストレスも多く、きっと大変であったと思います。しかし、義父の積極的な孫育てへの手助けもあって、教育熱心な義父と愛情細やかな義母に助けられて、わが子達はすくすく育ってくれたのでした。
 つい最近、物置の書棚に並べてあった私達のアルバムや私の日記を紐解きましたら、沢山の子育ての想い出が詰まっていて、感無量でした。
 小学校一年生の時の娘の日記が出て来ました。(担任の教師が毎日感想を入れて下さっていたノートの綴り一年分)娘から見た家族の様子や、旅行の想い出が詳しく綴られていて、しばらく本棚の前から離れられずに読み続けました。本当に懐かしい想い出が詰まっていました。
 まだ全て読み終えた訳いではないのですが、折々読んで古き良き時代を思い出して先立った義父母に感謝したり、今は亡き娘を思い出して「あの頃」の6人家族の想い出を紡ぎたいと思っています。

 新型コロナウィルスがあっという間に首都圏で拡大して、東京を中心にした周囲の県も、今週は不要不急の外出自粛を伝えられています。個々に余程しっかり対応しないと「移らない移さない」が守られないようです。皆様のご健康をお祈りしています。
 終戦以来最大の国難だと云った人がいましたが、今後の推移如何によっては、そう言うことにもなりかねない重大な局面を迎えようとしています。日本人の叡智と力を出し合って、この国難を乗り越えていきましょう。 


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新型コロナウィルス感染症と人類の智慧

2020年03月12日 | 随筆
 テレビをつけると、必ずと言って良いほど「新型コロナウィルス」の報道に出会います。未だかつて経験の無いウイルスの蔓延に、どう対処したら良いのか、たった一つのライブハウスからも、次々と蔓延していって歯止めが利かないようでもあります。もう日本中何処にでもウィルスは存在すると思って、蔓延の元になりそうな処へ行かないとか、手指の洗浄と殺菌を厳重に行う必要があります。私達も不急不要な外出を控えて、家に閉じこもって過ごしています。急に地球が狭く感じられる位です。
 「この新型コロナウィルス感染症は、日本国内で人から人への感染が進行しているにもかかわらず、日本政府が中国からの入国を禁止しなかった事、コロナウィルスの感染性、重症度を過小評価した重大な失策と考えている」と、菅谷憲夫氏(神奈川県警友会けいゆう病院感染制御センター長・小児科、慶應義塾大学医学部客員教授、WHO重症インフルエンザガイドライン委員)が「日本医事新報」2020/2/29号に書いています。
 「季節性インフルエンザ程度の感染症であり、怖れる必要がない」と云う論調は「明らかな誤りである。常識で考えても、季節性インフルエンザ程度の死亡率、重症度の疾患であれば、世界保健機構(WHO)が非常事態宣言をすることはない」と氏は云います。(3月12日WHOは遂にパンデミックと認定しました。)
 「死亡率は現時点で2%程度。世界史上最大の死亡者が出た感染症は、1018年のスペインかぜ(インフルエンザのパンデミック)で、この時の死亡率は、欧米や日本では1~2%程度であった。日本では当時の人口5400万人の約半数が罹患した。この度は、2月13日に初めて死亡例が確認され、ICU入院患者が報告されたが、重症化しやすい感染症であるといえる。また「軽症の患者から、感染が拡大する」とも云われ、WHOの推計では、82%が軽症15%が重症 3%が重篤であり、これを季節性インフルエンザと同等にすることは出来ない」とありました。死亡のほとんどは高齢者だそうです。
 普通のインフルエンザに比べて、高い院内感染率も問題のようです。医療従事者は、毎年インフルエンザに罹患しているが、死亡例は、全国でもきいたことがない、とありました。医療が出来なくなるのですから、まさに医療崩壊の危機です。
 また「夏になるとコロナウィルスは流行の勢いを失うから、オリンピックはだいじょうぶ」という意見に対して、「日本が夏になると、ブラジルやアルゼンチンなど南半球諸国は冬になり、そこで活発化するコロナウイルスの流行が、選手団、観客と共に東京オリンピックに持ち込まれるのではないか」という意見もあり、オリンピックを無事に開催するには、日本国内の流行を抑えるだけでなく、南半球での流行状況を観察して、綿密な対策が必要となる、という意見を注視しなければならないと思っています。
 そのような前例のないインフルエンザを身近にして、私達に出来る予防策をこまめに実践して、移らない、移さない事をモットーに、日々を安全に過ごしたいものです。
 ウィルスと人類の長い間の戦いは、辛うじてこれを克服してきたのでした。しかし、ウィルスは、形を変えてより強力となって人類を襲ってきました。今や人種・国益を超越して、一丸となって叡智を絞り、制圧しなければならない人類の危機となりました。これを機に小異を捨てて大同につく好機としたいものだと思っています。


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