ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

心を通わせる動物たち

2022年06月25日 | 随筆
 人間と心を通わせる動物たちの話を、時折聞くことがあります。私達も遠い過去ですが、子供が幼かった頃には九官鳥を飼ったり子犬を飼ったりしたことがありますが、子供達の成長に合わせて、やがてそれらも去りました。懐かしい思い出の中でそれぞれ心の通う良い友達でした。
 現在私の家の近くに年老いた犬を二匹飼っている女性がいます。その人は犬を時折乳母車に載せて散歩しています。すっかり老犬になって歩かせるのも気の毒らしく、不要になった乳母車に乗せて散歩しているのです。ご近所で合えば立ち話も交わす相手です。主(あるじ)が話しに夢中の時も、その犬はじっとおとなしく車の中で待っています。鳴き声を聞いた事がありません。
 別のご近所の犬は私達に懐いていて、近くを通りかかると駆け寄って身体をすりつけたり、膝上まで足を掛けて来ます。夫は本来犬嫌いなのだそうですが、その犬の場合は私よりも夫の方が好きな様に見えます。何時も夫の方に沢山すり寄って来るのです。身体全体で嬉しいと云う様子が見えます。
 現在我が家には、居間の欄間に通う雀がいます。欄間から居間の中を覗いて、ピーピーと鳴きます。私が気付かないと椅子に掛けている私の目の高さで、ガラス戸越しにバタバタと羽ばたいて注意を惹きつけます。「来たよ、来たよ」と云う様にです。ある時ごく少しの米粒を与えて以来すっかりなついてしまったのです。
 沢山の雀が集まるのは鳴き声もうるさいでしょうし、「ご近所迷惑」になるかと思って、一羽か二羽の時だけ米粒を20粒くらい与えていましたら、最近は一羽か二羽で来るようになり三羽以上で来ることはありません。どうやらこちらの心積もりが読まれているようなのです。
 ところで最初に懐いて来た雀のうち一羽の頭には、白い斑点があります。私は「これはきっとイジメに合うのではないか」と思って少し心配しました。同じ人間同士の集団であっても「毛色の違う者が混じった場合、いじめられやすい・・・」ということを知っていたからです。けれどもこの雀たちは、仲間はずれにしないで仲良く来ます。
 それぞれ「ピーコ」とか「パーコ」とか呼んで少しずつ米粒を与えていましたら、すっかり懐いて家族の顔を見上げて鳴くようになったのです。ピーコの方がリーダーのようです。
 私が椅子に掛けて「パソコンを使ったり本を読む移動式の机」に向かっていましたら、欄間からピーピーと呼びかけられたのが始まりでした。今では私が立ち上がると、時を待たずして欄間から靴脱ぎ石の傍に舞い降りて、そこで大人しく餌を待っています。いつの間にか家族の一員のようになりました。朝早くに来て、まだ私が起きて来ない頃から通っているらしいです。
 ところで我が家の東側の庭に、黄色の薔薇とピンクの薔薇がかなり大きな株に育っています。適当に切ってきて、出窓やや居間の飾り棚の上の花瓶に挿しています。大きく育っていますので、通りかかる人達にこの垣根の薔薇を褒めて頂く事があります。住んでいる人間にとっては当たり前の光景なのですが、家の前の通りを良く通る人には、季節を知らせる花になっているようです。
 私は夫と二人で、毎日ほぼ決まったコースを歩きます。すぐ近くの敷地の広い元高校(現在は養護学校)のフェンスに沿って歩きます。その先約2キロ位歩き回って、そこからスーパーへ寄ったりして帰ります。歩数計を付けて歩きに出ますと、日によりますが一日の歩数が5~7千歩位になります。活動時間から推し量ってこのくらい日々歩いて居れば良いのかな?と思ったりしています。忙しく立ち働いている人にはきっと可笑しい位でしょうけれど。
 今私は和田秀樹(東京大学医学部卒の精神科医)著の「80歳の壁」という本を読んでいます。人気があって良く読まれているらしいので、駅の近くの本屋で一冊買ってきてもらいました。「80歳を過ぎた幸齢者」とこの方は表現されています。歳を取ることをマイナスではなく、プラスにも受け止めておられます。考えようによって「高齢」を「幸齢」に持っていけるわけです。私もそのように考えて、残りの人生を積極的に生きようと思っています。その方がきっと生き生きとして楽しいでしょうから。
 そろそろ窓の外が暗くな始め雀も目が見えなくなりそうです。私も今日の日程を終えましたから、これから先は夜の部で夫と二人で映画鑑賞をしたいと思います。今日もお読み頂いて有り難うございました。
 
如何した今宵来たらぬ雀二羽鳥には鳥の矜持あるらん (あずさ)