ばあさまの独り言

ばあさまから見た世の中のこと・日常生活のこと・短歌など

12年目の春

2021年03月06日 | 随筆
 或る日曜日ふと思い立ってこのブログを始めてから、丁度12年が経った事気付きました。信じられない程長い時間です。当時は自由な身で暇でもあり「ブログでも書こうかな?」と呟きましたら、それを耳にした家人が「それがいい」と云って、間もなく「さあ書いて」とホームページの枠を作ってくれたのでした。そのような思いつきから始まったのがこのブログです。
 第一号「春は平等に」から数えて、今号が508号になりました。何時まで書くか、等という見通しで始めたわけではなく,全く思いつきで気ままに書いて来たブログです。文章を書くことが好きでしたから、何となく文字を紡いで今日に繋がっているのです。毎日これほどの読者さまに来て頂くなんて、考えてもいなかったのでした。
 私がブログを書いているということを知っている人は、ごく僅かなのですが、今は単純に書くことが一つの生き甲斐にもなっていているのです。お付き合いして下さっている方々に感謝の気持ちで一杯です。
 12年前の頃の私は何をしていたかと、日記が並べられている本棚に見に行きました。この年は、新しい油絵の額を飾ったり、カメラを新しくしたり、祖先の法事を血の繋がっている親戚を招いて行ったり、遠くから訪ねて来てくれた友人と食事を共にしたり、旅行や日帰りのドライブなど、今よりはるかに活動的でした。こんな日々もあったかと、元気で駆け回っていた日々を懐かしく想い出して、今更のように過ぎ去った貴重な日々の追憶に浸っています。
 今はすっかり遠出しなくなって、近くの通りの舗道や小路を歩きながら、花の美しい家のお庭を眺めたり、新築や建て替えの家が出来ていく過程を楽しんで眺めています。
 不思議なことですが、あまり人間になつかない筈の雀とも仲良しになりました。私の椅子の左手の大きい窓の欄間から、何時も決まった雀が飛んで来て、私を覗き込んで、ピーコピーコと鳴きます。(頭の毛に白い斑点があるので区別出来ます)時には私の目の高さで「羽ばたきダンス」をして見せて、ピーコピーコと鳴いて餌をおねだりします。私が立ち上がると餌の米を貰えると思って、直ぐに石の池の廻りに降りて待ちます。ガラス戸の下ギリギリに撒くのてすが、靴脱ぎ石を回り込んでサッと飛び込んで来ます。
 来ている事に気付かないと、嘴で欄間の敷居を叩きます。雀にもこんな賢さがあるのか、と驚いています。
 ヒヨドリも最近来るようになりました。王者の如く、松の枝に背筋を伸ばして止まっていますが、蜜柑を半切にして小袋を外し、古くなった石けん箱の下敷きに載せて石池の縁石に置いてやりましたら、ついばんではツゲの木などに運んで食べています。
 この冬はごく薄っすらと雪が積もった程度でした。春の花鉢をポンポンと二つ池の回りに置きましたら、急に春らしい眺めになりました。

 時は春 日は朝 朝は七時 片岡に露満ちて・・・(ロバート・ブラウニング)
 
 皆々に平等に春はやって来ました。新型コロナウィルスに汚染されて、右往左往の人間世界ですが、自然は泰然自若として春を謳歌しています。外出はままならないにしても、鉢に植えた花々の美しさに心を預けましょう。
 

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