孤帆の遠影碧空に尽き

年に3回ほどアジアの国を中心に旅行、それが時間の流れに刻む印となっています。そんな私の思うこといろいろ。

ベラルーシ国境が鎮静化する一方で、ウクライナ東部は緊張が高まる ロシア側にはウクライナ暴走の警戒感

2021-11-24 23:02:40 | 欧州情勢
(11月19日、ウクライナ東部のドネツクで撮影【11月24日 Newsweek】 軍事演習参加の親ロシア派兵士でしょうか)

【鎮静化に向かうベラルーシ国境の移民・難民問題】
欧州から制裁措置を受けているベラルーシ・ルカシェンコ大統領がイラク・アフガニスタンなどからの移民・難民を意図的に集めてポーランド・リトアニアに「人間爆弾」として報復的に送り込んでいるのでは・・・ということで国境線で対立が激化し、板挟みなった移民・難民が「ピンポン玉」のようにベラルーシ・ポーランド双方から押し返され、寒さと飢えで生命の危機にさらされるという事態は、一応鎮静化の方向に進んでいます。

****ベラルーシ国境、緊張が一時緩和 難民ら2千人保護、人道支援強調****
欧州連合(EU)への入域を目指す中東からの難民・移民が押し寄せたベラルーシ西部のポーランド国境で続いた緊張は、一時緩和された。欧州メディアなどによると、国境沿いで野営していた難民ら約2千人のうち多くが保護された。ベラルーシは「人道支援」を強調。ただ、再び緊張が高まる可能性もある。
 
国営ベルタ通信は20日、ベラルーシ当局が用意したブルズギ・クジニツァ国境検問所近くの物流倉庫で毛布にくるまった難民らの写真を公開。食事が提供される様子も伝えた。新型コロナウイルスのワクチン接種も検討されているという。【11月21日 共同】
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ルカシェンコ大統領は、“誰かがドイツへ行きたい者の手助けをしたというのはありうる”いうスタンスで当局の「関与」の可能性を認めています。

****移民問題 ルカシェンコ大統領、関与認める****
中東などから多くの移民がポーランドとの国境に押し寄せている問題をめぐり、ベラルーシのルカシェンコ大統領は当局が手助けした可能性について「全くあり得る」と関与を認めました。

ルカシェンコ大統領は19日、イギリス・BBCのインタビューに応じ、移民がポーランド側に入ることをベラルーシ当局が手助けしているとの指摘について、「全くあり得ることだ」と述べ、当局による関与の可能性を認めました。その上で「我々スラブ人には良心がある。移民がドイツに行きたがっていることを知っている」としています。

EU=ヨーロッパ連合はベラルーシの関与を非難していますが、大統領は、「誰かが助けたのかもしれないが、自分で調べるつもりはない」「私が移民を招いたわけではない」と、自身の関与は否定しました。

国境付近は寒さも厳しくなっていて、AP通信によると、これまでに12人が死亡したということです。【11月21日 日テレNEWS24】
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もちろん、その対応は“我々スラブ人には良心がある”といったものではありませんでしたが・・・
一応、帰国も始まっていますが、大金を使ってここまでやってきた移民・難民の今後は帰国しても厳しいものでしょう。

****欧州移民めぐり緊張続く ベラルーシ当局が暴行****
欧州連合(EU)への移住を望む中東などの人々がベラルーシに入国し、ポーランド国境で立ち往生している問題は、帰国作業が始まるなど状況悪化に一定の歯止めがかかっている。

ただ、ベラルーシ当局による暴行の証言や、ベラルーシがEU側への不法越境を手助けしているとする情報が出るなど、緊張はなお続いている。

移住希望者の多くの出身地とされるイラクは18日、帰国便を編成。立ち往生していた推計2〜3千人のうち約400人が帰国した。残る人々もベラルーシが設置した臨時の避難所に収容されるなどしている。国営ベルタ通信によると、同国のルカシェンコ大統領は22日、新たな帰国便を準備すると発表した。

ただ、帰国したイラク国民は「ベラルーシ当局に暴行された」と証言。ロイター通信によると、ポーランドは19日、ベラルーシが避難所から人々を再び国境に連れ戻し、国境警備隊を妨害して強制的に越境させていると非難した。【11月22日 産経】
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一方、ポーランドなど欧州側は警戒を続けています。
“ポーランド首相、ベラルーシからの移民流入で事態悪化を警戒”【11月22日 ロイター】
“違法移民のEU入国、関与した運輸事業者に制裁案…ベラルーシ経由を抑制”【11月24日 読売】
“ベラルーシ経由の移民問題、協調対応必要 米英加とも協議=欧州委員長”【11月24日 ロイター】

【鎮静化の背後にロシア・プーチン大統領の怒り?】
流れが「鎮静化」の方向に動き出したのは、ルカシェンコ大統領の「われわれがガス移送を止めたらどうなるか、EU側は考えるべきだ」という欧州向け天然ガスを巡る発言に、後ろ盾ロシア・プーチン大統領が激怒して、ルカシェンコ大統領に事態収束を迫ったのではないか・・・と個人的には想像しています。

****プーチン氏、ベラルーシの「ガス停止」発言に警告か****
ロシアのペスコフ大統領報道官は15日、プーチン露大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領が14日に協議を行ったと明らかにした。国営ロシア通信が伝えた。

ペスコフ氏は内容を明らかにしていないが、ベラルーシ経由で欧州連合(EU)入域を目指す中東などからの移民の急増問題をめぐりルカシェンコ氏が言及したロシア産天然ガスの欧州への移送停止について、プーチン氏は実行しないよう警告したとみられる。

これに先立ち、プーチン氏は14日に放映された露国営テレビ番組で「ガス通過国の大統領であるルカシェンコ氏が移送の停止を命じることは理論上は可能だろう」とした一方、「そうすればロシアとベラルーシの契約違反になる。両国関係の発展にも資さない」と述べ、ルカシェンコ氏を牽制(けんせい)。ペスコフ氏も12日、ルカシェンコ氏の発言は「ロシアと合意されたものではない」とし、同意できないとの立場を示していた。(中略)

ルカシェンコ氏は11日、EU側が移民流入対策として国境封鎖や新たな対ベラルーシ制裁を検討しているとした上で、「われわれがガス移送を止めたらどうなるか、EU側は考えるべきだ」などと述べていた。【11月16日 産経】
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ロシアにとって天然ガスは国家財政を支える根幹であり、欧州は最大の顧客です。そうでなくともガスの「政治利用」について欧州側から“あること、ないこと”言われているロシアは非常に敏感になっています。
そのガスを、あろうことか自分のものでもないルカシェンコ大統領が止めるのどうのと、露骨な政治利用発言したことには、おそらくプーチン大統領は激怒していると思います。

対欧州という構図で、また、国内反体制派を抑え込むということで、これまでベラルーシ・ルカシェンコ大統領を支援してきたプーチン大統領ですが、もとより両者の関係はよくなく、コントロールのきかないルカシェンコ大統領にプーチン大統領は“うんざり”しており、できれば首をすげ替えたいと考えていると言われていました。

****ベラルーシの移民、ウクライナ緊張にロシアは関与したのか****
(中略)この問題(移民・難民問題)にロシアは直接関与しないとの方針を採っていた。反米・反EUの立場で、彼らの対ベラルーシ批判への(結果的にはベラルーシ擁護となる)反駁を行なうのみだった。

だが、ルカシェンコが勝手に対欧ガス輸送問題にまで口を出す(欧州向けガスの通過輸送を止めたらどうなる、との発言)となれば放ってはおけなくなる。

欧州でのガス価格高騰に関連して、その主因が最大の売手となるロシアの策謀にある、といった話に一部のメディアやEUの政治家が騒いでおり、ロシアはそれを単なる雑音にして済ませたいところだった。

それをあえて燃え盛らせるようなルカシェンコ発言である。プーチンも、然様な話は有り得ないと否定宣言を出さざるを得なくなった。
ルカシェンコとの遣り取りで、移民・難民問題も早く片を付けるようプーチンは強く要求したのだろう。

その効き目が多少はあったのか、直近では対ポーランド国境に滞留した移民希望者の一部は、イラクなどへ送り返され始めている。

しかし、過去の20年間を振り返ると、プーチンはその大統領就任以来、ルカシェンコを盟友と思ったことはないように見える。

もしそうであるなら、それをルカシェンコも感じ取っていたはずだ。それゆえに、ガスや石油に始まる様々な経済問題や、ルカシェンコの過去の対西側接近策などで、両国にはしばしば微妙な空気が流れてきた。

2020年の大統領選と、それに発するベラルーシ国内の政権・反政権派の対立騒動で、ルカシェンコにはロシアに頼るしか方途がなくなったが、同国の新憲法制定作業も当初ロシアが勧告したような形では動いていない。

恐らく対ロ依存はルカシェンコにとって当面の方便の域を超えず、最終的にプーチンに服従する積りなどないのだろう。

要は、プーチンはルカシェンコを完全に抑え切れてはいない。
だが、ルカシェンコが西側に抱く強度の反感は、多くのロシア人にも共有されている類いに似る。

それは、ロシア国内の反西側論者・勢力から対外強硬論が噴出した際に、ルカシェンコの場合と同じように、プーチンでも抑え切れないという結果になり得ることを示唆している。(後略)【11月24日 JBpress】
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【緊張が高まるウクライナ東部】
鎮静化するベラルーシ国境の一方で、緊張が高まっているのがこれまで小康状態にあったウクライナ東部の問題です。後ろ盾の欧米・ロシアを巻き込んで軍事的衝突の危険も取り沙汰されています。

****ロシアとウクライナが軍事演習、緊張高まる****
ロシアとウクライナの緊張が高まる中、両国が軍事演習を実施している。
24日のインタファクス通信の報道によると、ロシア軍は黒海で海軍基地への空爆を想定した戦闘機や艦隊の演習を行った。

ウクライナも戦闘演習を実施。ウクライナと米国はロシアがウクライナに攻撃を仕掛ける可能性があるとの懸念を示しているが、ロシア側は事実ではないと否定している。

ウクライナはロシアが国境付近に軍隊を集結させていると非難しているほか、ベラルーシが国境地帯に難民を送り込む可能性があると主張しており、24日に国境警備を強化する作戦を開始。対戦車部隊や空挺部隊の演習を行っている。【11月24日 ロイター】
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****ウクライナ東部の親ロシア派が戦闘態勢強化、大規模演習実施****
ウクライナ国防省情報局は23日、ウクライナ東部の親ロシア派の軍隊が大規模な演習を実施し、戦闘態勢を強化していると明らかにした。

ウクライナ国防省は声明で、ロシアは「一時占領下にあるドネツクとルハンスクで戦闘態勢を強化している」とした。ウクライナ東部のドンバス地域にあるドネツクとルハンスクは2014年以来、親ロシア派が勢力を拡大。22日に開始された演習には予備兵も参加したとしている。

ウクライナ軍の情報部門トップは週末の間にミリタリー・タイムズに対し、ロシアはウクライナとの国境沿いに9万2000人を超える軍隊を集結させており、来年1月末か2月初めまでに攻撃を開始する準備を整えていると述べた。

ただ、米当局者はロイターに対し、ロシアのプーチン大統領が対応を決定したかは現時点では不明と指摘。危機に向かっている可能性があるとしながらも、ロシアが直ちに攻撃するとは予想していない。【11月24日 ロイター】
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****08年紛争前夜と「同じ」=ウクライナ情勢けん制―ロシア****
ロシア対外情報局(SVR)はウクライナ情勢をめぐり、米欧の「挑発的な政策」がウクライナを強気にさせているとして、2008年のジョージア(グルジア)での紛争(南オセチア紛争)直前にも「同じような状況を見た」と批判、米欧をけん制した。インタファクス通信が22日報じた。
 
SVRは声明を出し、ロシアとジョージアが軍事衝突した08年の紛争について、米欧があおり当時のサーカシビリ・ジョージア大統領が暴走したと主張した。また、ウクライナとの国境付近に関し、米メディアは10月末からたびたびロシア軍の集結情報を報じているが「全く誤った情報」と否定した。【11月23日 時事】 
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“米長官、ロシアに透明性要求=ウクライナ国境の軍備増強”【11月18日 時事】
“欧米諸国、ウクライナ巡り意図的に緊張高めている=ロシア政府”【11月22日 ロイター】

【国内外を十分に制御できないバイデン政権のもとで、ウクライナ・ゼレンスキー政権が暴走する・・・・ロシアの警戒感】
最近のウクライナ東部を巡る緊張の高まりをロシア側から見ると、ロシアがアメリカ・バイデン政権のコントロールに危うさを抱いていること、ウクライナ・ゼレンスキー政権が国内求心力維持のために対軍事衝突を起こそうとしているのでは・・・というロシア側の警戒感があるとの指摘も。

****ベラルーシの移民、ウクライナ緊張にロシアは関与したのか****
(中略)だが、指摘されているロシア軍の対ウクライナ国境への集結が事実なのか、そうだとしてその意図は何なのかは、しょせんは当事者以外には分らない話である。我々にできるのは、客観情勢の諸要素から見て、それが有り得るかどうかを占うことが精々である。

その精々を試みるにしても、なぜこの時点でロシアがウクライナ侵略に乗り出さねばならないのかの明確な理由は、西側の報道では明らかにされていない。プーチンの旧ソ連圏死守の覚悟は分かっても、ではこの時点でウクライナ内に攻め込む契機は何なのか、には触れられていない。

過去2〜3か月の一連の動きについては、逆にむしろロシア側から流れてくる諸解釈・解説の方が、納得の行く筋書きを語っているように思えてくる。それらを纏めるとおおよそ以下のようになるだろう。

●ウクライナのV.ゼレンスキー政権は、国内の経済・政治のいずれでも行き詰まっている。

●この状況で、ウクライナは西側の同国への関心が薄れることを極度に恐れている。西側の支援を失ったなら、今の極端な反ロ政策に同意しない国内の勢力が力を増し、マイダン以来の政権の正統性が失われかねないからだ。

●その恐れは、米のJ.バイデン大統領による「Nord Stream-2(ノルト・ストリーム2)」(独ロ・ガスパイプライン)建設・操業容認、米ロ首脳会談開催、アフガンからの米軍撤退により、いやが応にも強められた。

●米欧のウクライナへの関心を引き戻すためには、再度ウクライナ近辺でロシア軍との戦火を引き起こして、「ロシア=侵略者」を叩き潰す方向へと米国や西側諸国を誘導するしか手が残されていない。

●そのために、ロシアを挑発して彼らが先に攻撃に着手するよう仕向ける。

●反中政策に手一杯のバイデン政権主流派は、このようなウクライナの動きには必ずしも同調できない。

しかし、バイデンは政権内の反ロ派を統御できておらず、彼らはウクライナの意図を利用して(あるいは乗せられて)半ば勝手に対露強硬策を推進しようとしている。

もしプーチンやロシア政権がこのように考えているのであれば、「決してウクライナの挑発に乗ってはならない。だが、それが度を超してくる恐れがあるなら、抑止の手は打たねばならない」というものになるはずだろう。

ロシア軍が本当にウクライナ国境近辺に集結しているなら、それはウクライナが手を出したなら痛い目に遭うぞ、との示威行動になる。(中略)それでもウクライナがことを仕掛けてくる可能性は排除できない。

その可能性を左右するのは一にかかって米国の判断や動きとなる。しかし、その点で齢80に近付いたバイデンが統治能力を失いつつあるのではないか、との懸念がロシア側には巣食う。

(中略)反中政策優先で冷や飯を食いかねない立場に措かれた(アメリカ国内の)反ロ派や、アフガン撤退後の主要任務を対ロ抑止にしか見出せなくなったNATO(北大西洋条約機構)、さらには反ロ攻勢を中間選挙での勝ち点に結び付けたい民主党の一部の思惑などが絡まり合って、バイデンの意向によらず対露強硬策に走り出す可能性もある――。こうロシアは考える。

米第6艦隊旗艦が黒海に入り、NATO戦略爆撃機がロシアとの国境20キロまでの近接飛行を実施し、ウクライナへは西側から武器の供与が続けられる――最近の自国の外交官たちとの会合でこれ等を指摘しながら、プーチンは危機感を露わにした。

10月には米国防総相がウクライナを訪問し、同国とNATOの関係強化を力説する。互いの要員追放合戦から、ロシアはそのNATOへの派遣代表を引き上げ、意思疎通のパイプを大きく細らせた。

その一方で、9月には黒海、10月には陸上で米・ウクライナの合同軍事演習が行なわれている。露紙によれば、2021年だけでウクライナ領内で8回のNATOを中心とする外国軍を加えての軍事演習が行なわれる結果になった。  

そして、ウクライナ東部では、ウクライナ政府軍と反政府軍のどちらが先に手を出しているのかは不明だが、前者がトルコ製のドローン兵器を前線に投入した。アゼルバイジャンの対アルメニア戦勝利の最大の貢献者とされる兵器であるから、当然ながらこれはロシアの神経を大いに尖らせる。

東部地域での和平を目指したミンスク合意は、政府側・反政府側双方の約束未履行で、実現の目処は立っていない。(中略)

緊張が高まっても、あるいはそれだからこそか、ロシアにウクライナとの直接対話を行なう意欲は見られない。(中略)

確かに、ウクライナの内情を垣間見れば、2019年に大統領に就任したゼレンスキーへの支持率は、2020年に早くも50%割れとなって以来下がり続け、直近の今月上旬の国内世論調査では22%へ落ちている。(中略)同じ世論調査で、彼が率いる大統領府の仕事ぶりに72%が不満足と回答している。

経済でも、比較的平穏な時期だった2016〜2019年で見ても成長率は年2〜3%の水準にとどまり、ロシアの頸木から脱して自由な経済の発展を遂げている、と賞賛するには躊躇される実績でしかない。

この沈滞の打破も狙ったのか、ゼレンスキーは国内の財閥との闘争に踏み切り、法的にその政治的影響力を弱めるべく動いた。だが、ウクライナの過去の大統領は、財閥と対立することでその地位を失ったケースが大部分で、危険な賭に踏み切っただけ、との指摘もなされている。

どうにも、ウクライナ政権が安定しているとは言い難いようだ。それだけに、外交分野でのヒットを飛ばしたいという欲求も出てくるのだろう。

ロシアが「相手にしない」と言うならで、ゼレンスキーもミンスク合意を御破算にすることも辞さず、としてこの合意枠組とは別のクリミア奪回に向けた国際会議を招聘した。問題解決の行方は益々不透明さを増している。(後略)【11月24日 JBpress】
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