孤帆の遠影碧空に尽き

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フィリピン次期大統領選挙  ドゥテルテ政治の継承か脱却か マルコス独裁の「過去」は?

2021-11-17 23:01:45 | 東南アジア
(【11月15日 産経】)

【マルコスJrとドゥテル長女・サラ氏の「正副大統領ペア」 人気先行】
フィリピンの大統領選挙は、政党や政策ではなく、候補者個人の人気が優先される、悪く言えば“人気投票”的なところがあって、かつては元映画スターのエストラーダ氏が役柄のイメージで当選するということも。

次期大統領選挙(来年5月)については、ドゥテルテ大統領の長女で世論調査での人気トップのサラ氏が出るのか、出ないのか、出るなら正副大統領のどういう組み合わせで出るのか、ドゥテルテ氏はどうするのか、父娘ペアはあるのか、あるいは父娘対決になるのか・・・といったあたりに関心が集まっていましたが、結局、サラ氏はマルコス元大統領長男とのペアで副大統領候補になることが決まりました。

****ドゥテルテ氏長女、副大統領選へ=故マルコス氏長男とペア―フィリピン****
フィリピンのドゥテルテ大統領の長女サラ氏(43)は13日、来年5月に行われる副大統領選への立候補を届け出た。取り沙汰されていた大統領選への出馬を見送り、大統領候補のフェルディナンド・マルコス氏(64)とペアを組む。
 
マルコス氏は元上院議員で、20年以上の独裁政治を敷いた故マルコス大統領の長男。陣営は同日、「サラ氏をマルコス氏の副大統領候補に迎え入れる」との声明を出した。
 
英字紙マニラ・タイムズが先月から今月にかけて行った世論調査で、マルコス氏とサラ氏の「正副大統領ペア」は55.7%の支持を獲得。2位以下に大差をつけた。

マルコス一族とドゥテルテ一家は親密な関係にあるとされ、両氏が当選すれば、ドゥテルテ氏は大統領を退いた後も一定の権力を維持する可能性がある。
 
一方、ドゥテルテ氏自身も副大統領選への立候補を15日に届け出る可能性が報じられた。アンダナル大統領広報官は13日、時事通信の取材に「現時点では計画だ」と認めた。実行されれば父娘の対決となる。【11月13日 時事】
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再選は憲法規定で出来ないドゥテルテ大統領の方は、父娘対決は避けて、上院議員に立候補することに。

****ドゥテルテ大統領、フィリピン上院議員選出馬へ 政界引退を撤回****
フィリピンのドゥテルテ大統領(76)は15日、2022年5月の大統領選と同時に実施される上院議員選への立候補を届け出た。与党「PDPラバン」が明らかにした。

大統領の再選が禁止されているドゥテルテ氏は任期後の政界引退を表明していたが、撤回した形となった。ドゥテルテ氏は、PDPラバンと連立を組む別の政党から出馬する。
 
ドゥテルテ氏は10月、大統領選と同時実施の副大統領選への出馬を断念し、政界引退を表明。だが地元メディアは、ドゥテルテ氏が長女で南部ダバオ市長のサラ氏(43)と対決する形で副大統領選に出馬する可能性も報じていた。結局、娘との対決は回避した格好だ。(後略)【11月15日 毎日】
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ドゥテルテ陣営としては、長女のサラ氏を副大統領にすることで次期政権に強い影響力を残すねらいがあると一般的にはみられていますが、よく知りませんが、ドゥテルテ父娘の間には、父親の女性問題で確執もあるとか・・・サラ氏が父娘ペアを拒否したのもあのあたりがあってのこととも。【10月14日 大塚 智彦氏 JBpress】

ということで、必ずしも父娘関係は良好でもないとの想像もできますが、まあ、さすがに父親逮捕といった事態は回避出来るのでは・・・というところか。

いずれにしても、マルコスJr(通称)ボンボン氏とドゥテルテ長女サラ氏という人気のツートップのペアを軸として今後の選挙戦が進むことになります。

****マルコス氏長男とドゥテルテ氏長女が共闘 混戦のフィリピン大統領選****
フィリピンで来年実施される正副大統領選で、立候補受け付けの手続きが15日に終わり、選挙戦の構図が固まった。独裁体制を敷いた故マルコス元大統領の長男フェルディナンド・マルコス元上院議員が支持を得ているが、国民には警戒感もあり、混戦となりそうだ。ドゥテルテ大統領の強権的な政治や親中的な外交政策の是非が争点になる。

正副大統領は来年5月9日に同時実施の直接選挙でそれぞれ選ばれる。立候補の締め切りはいずれも10月上旬だったが、今月15日までは政党の公認候補の変更が認められていた。大統領の再選は憲法で禁じられており、ドゥテルテ氏は同日、上院議員選に立候補した。

調査会社が明らかにした10月の世論調査によると、大統領選ではマルコス氏が47%の支持を集め、トップに立っている。国民からの人気が高く有力候補だったドゥテルテ氏の長女サラ氏は立候補を見送り、副大統領選に立候補した。今後は共闘を決めた両陣営を軸に選挙戦が進むことになる。

2人の連携の背景には、ドゥテルテ家とマルコス家の良好な関係があるという見方がもっぱらだ。前回の大統領選では、ドゥテルテ氏がマルコス元大統領の遺体を国立の英雄墓地に埋葬する方針を表明。マルコス氏とサラ氏が正副大統領に選ばれれば、6年間の大統領任期を半分ずつ分け合うという臆測も流れている。

大統領選でマルコス氏に対抗する有力候補としては、ドゥテルテ氏の政策を批判してきたロブレド副大統領が支持を集めている。世論調査でモレノ・マニラ市長やボクシング元世界王者のパッキャオ上院議員を上回る2位の支持を得た。

マルコス家が権力の座に戻ることや強権的な現政権に近いマルコス氏自身の立場への警戒感から、人権団体などは「反マルコス」を訴える街頭デモを始めている。ロブレド氏は前回の副大統領選でマルコス氏を破っており、大統領選に向けてあらためて反対勢力を結集できるかがカギになる。

ドゥテルテ氏の今後の言動も選挙戦に影響する可能性がある。10月には任期満了での政界引退を宣言したが、一転して上院議員選に立候補した。サラ氏が大統領選に出なかったことに不満を抱いているとされ、マルコス氏の不支持を表明している。

一方で、国際刑事裁判所(ICC)が麻薬対策について「人道に対する罪」の疑いで正式捜査を決めたことから、責任を問われる事態を回避するために次期政権で影響力を維持したい思惑があるとみられる。【11月17日 朝日】
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【マルコス独裁の「過去」とマルコスJrボンボン氏の関係】
マルコスJrは、前回は副大統領候補として出馬するも、ロブレド副大統領に敗れました。このとき母親イルメダ夫人はどうして正大統領候補で出馬しないのか嘆いたとか。

これまではサラ氏の話題性に隠れた感もありますが、なにせ今回は正大統領候補ですから、今後の選挙戦ではその資質とともに、マルコス独裁との関係性が注目されることにもなります。当然に対立候補は「過去」を問題にしてきます。

政策的にはドゥテルテ大統領の「麻薬戦争」を継続する立場のようです。

****比大統領選でマルコスJrが快走、あの暗黒の記憶は消えたのか****
(中略)かつてフィリピンに独裁政権を築き、改革派将校によるクーデターと民主化運動で失脚したマルコス元大統領は、イメルダ夫人の贅沢な生活ぶりも相まって、日本でもあまりいいイメージは持たれていない。ところがその長男ボンボン・マルコス氏は現在、世論調査でも極めて高い人気を集めているのだ。
 
マルコス元大統領の実家のあるルソン島北イロコス州で州知事を務め、同州選出の上院議員を務めるなどボンボン・マルコス氏は父親の地盤を引き継ぎ同州では圧倒的な支持がある。それに加えて「マルコス元大統領」の知名度もある。いまや全国的に若年層を中心に支持が広がっている。

中高年層にはいまも「マルコス政権」のネガティブイメージが強いが
9月に世論調査会社「パルスアジア」が実施した大統領候補に関する調査では、ドゥテルテ大統領の長女で、ミンダナオ島ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長が20%でトップに立ち、次いでボンボン・マルコス氏が15%と2番目の人気となっているのだ。首都圏マニラではボンボン・マルコス氏の支持は28%、地盤であるルソン地方でも20%と、サラ市長を抑えて一番人気となった。
 
サラ市長が大統領選に出馬していない現状では、世論調査で二番手に付けているボンボン・マルコス氏が実質的な人気No1候補となっているのだ。

このため地元紙でも「今大統領選の投票が行われればボンボン・マルコス氏が当選する可能性が高い」(インクワイアラー紙ネット版10月18日)と報じている。
 
だが、フィリピンの人々の中にあったはずの「マルコス大統領」に対するネガティブな感情はもう消え去ってしまったのだろうか。
 
マルコス元大統領時代は反マルコス運動の盛り上がりに対して、マルコス政権は「戒厳令」で対抗。反政府活動の学生や運動家に対する逮捕、拷問、殺害などの激しい人権侵害が行われていた。
 
実はこの「暗黒時代」の記憶は現在も一定の年齢層以上のフィリピン人の脳裏には刻み込まれており、実際にマルコス一族への反発は根強いものがある。

過去を封印、強い指導者像で支援を訴え
それだけに、「反マルコス気運」が自身の大統領選出馬を機に沸騰することを懸念するボンボン・マルコス氏は、立候補届け出を前に報道陣の取材を受けた際、父であるマルコス元大統領時代の戒厳令や母であるイメルダ夫人の汚職疑惑などに関する質問に対して、こう釘を刺した。

「何か新しいことを聞きたいならいいが、35年間も聞き続けているのと同じ質問をするなら、今ここでなく別の機会に改めて聞いてほしい」 やはり両親に関連した「過去」に神経質になっているようなのだ。
 
そのボンボン・マルコス氏は政策的にはどのようなスタンスで大統領選に臨んでいるのだろうか。出演したCNNの番組において、大統領選で当選した場合には「ドゥテルテ大統領の麻薬関連犯罪との戦いを継続する」ことを明言した。

ドゥテルテ大統領は、麻薬捜査の現場において、警察官による法的手続きを無視した容疑者の射殺という「超法規的殺人」を事実上容認しており、これが内外から厳しい批判を浴びている。ボンボン・マルコス氏もこの捜査手法を継続すると表明したことで、「マルコス元大統領時代の強権支配の復活」に繋がると警戒する声も出ている。
 
ボンボン・マルコス氏は大統領選への届け出を前にしてフェイスブックにアップした約5分間の動画で、コロナ禍への対応に関してこう語っている。
「統率力のある指導者の下で国民は現在の危機を脱し、安全に職場に復帰して元の生活に戻ることができる」
 
この動画の中で出てきた「統率力のある指導者」という表現に、強権独裁体制を敷いたマルコス元大統領の姿を想起した年配者も多かったようだ。
 
両親の過去を「封印」しようとする一方で「統率力のある強い指導者」を目指すボンボン・マルコス氏の姿勢に対して、同じく大統領選に出馬しているマニラ市のイスコ・モレノ市長は10月15日に「過去を決して忘れてはならない」と牽制してみせている。

ボンボン氏の人気は「教育に原因」との指摘
しかし、ボンボン・マルコス氏にこうした警戒感を持つ人々がいる一方、熱烈に支持する人もいる。なぜこのような現象が生まれたのだろうか。
 
フィリピンの有力紙「インクワイアラー」は、10月18日、コラムニストであるジョエル・ルイス・ブトゥアン氏の筆による「マルコス・ジュニアの人気をどう説明するか」と題するコラムを掲載した。

その中では、ボンボン・マルコス氏が2016年に副大統領選に敗れた直後から、TikTokやYouTubeを駆使し短めの動画や簡潔な記事で「マルコス神話」を浸透させていったとしている。そこではマルコス元大統領は「虐待者」ではなく「犠牲者」として描かれているという。

さらに同コラムでは、若い有権者の多くは、マルコス元大統領による「大規模な人権侵害と汚職」という独裁強権政治の「暗黒時代」を知らないという現状を、危機感を持って説明している。
 
その理由は「教育現場で使われている教科書にはマルコス元大統領時代の歴史的評価には言及されていない」からとして、現在の教育システムの欠陥がボンボン・マルコス氏への支持と期待につながっているのではないかと指摘した。
 
さらに政治経済社会に存在する貧困、暴力、腐敗などのあらゆる問題の解決に国民が自ら直面して取り組むのではなく、指導者にその解決を委ねる傾向がフィリピン人にはあることなどを指摘して「強い指導者」への待望論がその結果としてあると分析。

それが現在のドゥテルテ大統領の2016年の大統領選での当選にも影響したとし、ボンボン・マルコス氏の人気にもそうしたフィリピン人の性格が反映されているのではないかと警告している。(中略)

「ドゥテルテ政治、継承か脱却か」が争点に
これまで大統領選に立候補を届け出た主な候補者の中でドゥテルテ大統領の政策継承を表明しているのは連邦党のボンボン・マルコス氏と、ドゥテルテ大統領が名誉総裁を務める最大与党「PDPラバン」のロナルド・デラ・ローサ上院議員の2名である。

これに対して、野党「自由党」などで組織する連合体「イサンバヤン」から出馬しているレニー・ロブレド副大統領、国家統一党のマニラ市長イスコ・モレノ氏、与党「PDPラバン」所属ながら“反ドゥテルテ”を掲げるプロボクサーのマニー・パッキャオ上院議員などは「ドゥテルテ政治からの脱却」を訴えている。
 
このため「ドゥテルテ政治の継承か脱却か」が大統領選の争点の一つになるのは確実だ。(後略)【10月22日 大塚 智彦氏 JBpress】
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【ドゥテルテ政治の継承か脱却か】
反ドゥテルテの立場のプロボクサーとして国民的英雄のマニー・パッキャオ上院議員はマルコス一族の富の収奪を問題視すると同時に、ドゥテルテ大統領の「麻薬戦争」における殺人の責任をめぐり調査を実施する意向を表明しています。

****比大統領選出馬のパッキャオ氏、勝利の場合は現政権の同僚を汚職容疑で訴追****
ボクシングの元世界王者で、フィリピンの上院議員に転身したマニー・パッキャオ氏が、立候補を表明した来年の大統領選で勝利を収めた場合、ドゥテルテ現政権内のかつての同僚らを汚職容疑で訴追する意向を明らかにした。

今月11日に行ったCNNのインタビューで同氏は、退陣するドゥテルテ政権のメンバー数人を調査することを計画していると発言。
「このように腐敗した高官は皆、刑務所に入らなければならない」とし、「それが我々の国が経済発展する唯一の方法だ。それはこの国のがんであり、発展への障害だからだ」と述べた。

来年5月9日に実施される大統領選の最有力候補の1人は、故マルコス元大統領の息子フェルディナンド・マルコス・ジュニア(通称ボンボン)氏(64)。

25年にわたって同国を統治した独裁者のマルコス大統領は在職時、莫大(ばくだい)な富を収奪し、多数の人々を投獄し拷問に掛けたとされる。

パッキャオ氏は、マルコス一族から「盗まれた富」の一部を回収することも視野に入れているとし、「私は恐れない」「我々の国を発展させ、フィリピンの富を盗み続けている人々を投獄することが私の戦いだ。私は彼らを投獄したい」と述べた。

さらに同氏は、憲法の規定で出馬できないドゥテルテ氏の政権について、「麻薬戦争」における殺人の責任をめぐり調査を実施する意向を表明。

「私は麻薬戦争を正しいやり方で続行する」としつつ、「路上で人々を殺す必要はない。法の手続きがあるのだから、自分たちは無実だと証明するために自身を弁護する機会を与える」と述べた。【11月17日 CNN】
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【買収 「釣り針でなく餌をとれ」との議論も】
フィリピンでも投票の「買収」は法律違反ですが、カネをくれるというならもらって、投票は自分が思う者にすればいいという形で、“買収を許容しようではないか”という気運が高まっているとか。

****フィリピン副大統領が「選挙で票の売買はOK」と発言 パッキャオも既に1人1000ペソ配った?****
(中略)
副大統領が“買収容認”発言
ことの発端は10月26日、家事労働者とのフォーラムの席で発せられた「大物候補者」の次のような発言だった。
「票の売買は確かに悪いことではあるが、そのお金は元々皆さん国民のお金である。だからどうぞ受け取ってください。そして投票はみなさん一人一人の良心に従ってすればいいのです」。
 
この発言をしたのは何を隠そう、フィリピンの副大統領、レニー・ロブレド氏その人だった。野党統一候補で政権交代を目指す切り札ともいわれるが、ドゥテルテ大統領に次ぐフィリピンのナンバー2ゆえに、その影響力、ニュースバリューは大きかった。(中略)
 
「パッキャオ候補」にも買収疑惑が
副大統領がわざわざこんな発言をするほどの選挙事情とはいかなるものか。実は来年の次期大統領選をめぐっても、すでに買収をめぐる報告がいくつかある。
 
たとえば、日本でもおなじみの元ボクサー、マニー・パッキャオ上院議員。(中略)7月に起きたタール火山噴火の被災者約7000人を見舞う意図で、米パックなどの支援物資と共に現金1人1000ペソ(約2250円)を配った。これが買収ではないか、といわれているのだ。
 
本人は票の買収が目的ではないと疑いを否定したうえで、「選挙の時だけ金を配るのではなく、政治家であれば常に国民を助ける必要がある。有権者はたとえ貧しくても誰が本ものであるかを見分ける力をもっている」と述べた。(中略)

一方で同じく大統領選に立候補しているマニラ市のイスコ・モレノ市長は「たとえ国民が(票買収目的の)現金を受け取ったとしてもそれを責めることはできない。国民は賢く、誰が本もので誰が偽者かを知っている。国民を過小評価してはならない」とレニー・ロブレド副大統領を援護している。(中略)

発言の背景に、社会事情もあることを忘れてはならない。もともと貧困格差が激しいフィリピンだが、折からのコロナ禍で失業者はさらに増加し、時短や自宅待機などによる収入減も大きな悪影響を与えている。

生活苦に喘ぐ人々にしてみれば、“支援”を目的で配られる現金の受け取りを拒むことは難しく、それゆえに「もらえるものならなんでももらってよい」とレニー副大統領やイスコ市長は呼びかけているわけだ。そして彼らは貧困層を中心に大きな支持を得てもいる。(後略)【11月15日 大塚智彦氏 デイリー新潮】
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