08月14日 兵庫NHKNEWSWEB
国宝・姫路城で天守閣を解体するなど大規模な工事が行われた「昭和の大修理」からことしで60年になるのに合わせ、工事現場の写真などで振り返る展示会が姫路市で開かれています。
この展示会は姫路市立城郭研究室が開いていて昭和9年6月の豪雨で「西の丸」の石垣が崩れたことをきっかけに行われた「昭和の大修理」に関する写真、44枚が展示されています。
このうち修理前の写真からは、大天守が南東方向に傾いていることや、石垣をつっかえ棒で支えるなど老朽化が進んでいた様子がうかがえます。
また、昭和30年代に本格化した「大修理」の写真では▽天守閣の屋根瓦や東西2本の大柱が取り外された様子や、▽城を支える基礎部分にコンクリートが敷設されたり、木材を補強するため鉄骨が使用されたりするなど、完成後は隠れる部分に近代的な防災技術が使われたことがわかります。
姫路市立城郭研究室の松井俊樹専門員は「『平成の大修理』では瓦や漆喰の壁などが新しくなりましたが、『昭和の大修理』はそれより大規模なものでした。姫路城を守ってきた先人たちのすばらしい知恵を知ってほしい」と話しています。
この展示会は、来月(9月)1日まで日本城郭研究センターで開かれます。