2024/08/15 読売新聞オンライン
江崎グリコが14日発表した2024年6月中間連結決算は、最終利益が前年同期比53・1%減の36億円だった。4月に発生したシステム障害が長期化したためで、通期の連結売上高への影響額を約250億円と見込む。一時は「プッチンプリン」など冷蔵品82品目を出荷できなくなり、このうち36品目は今も出荷再開時期を公表できずにいる。
中間連結決算の売上高は0・6%増の1540億円で、システム障害により約150億円押し下げられた。出荷できなくなった商品の廃棄などで56億円の特別損失を計上したことが、大幅減益につながった。
システム障害は4月初旬、新たな基幹システムへ移行した際に起きた。システム上の在庫と、実際に物流センターにある在庫の数量が食い違うなどの問題が見つかった。
その影響でグリコ製品17ブランド82品目と、販売を請け負うキリンビバレッジの飲料「トロピカーナ」などが出荷停止に追い込まれた。当初は5月の出荷再開を目指すとしていたが、システム改修などに時間がかかり、6月25日以降に段階的に再開している。
出荷の全面再開にこぎ着けたとしても、売り上げが回復するかが課題となる。スーパーやコンビニエンスストアでは、商品を手に取ってもらいやすい陳列棚の「取り合い」が激しい。決算発表の記者会見で高橋真一常務執行役員は「今後の懸念は今まで(店に)置いていた商品を、どれだけ戻せるかだ」と話した。
流通アナリストの渡辺広明さんも、業績の行方について「トラブル発生前の売り上げを維持できるかどうかが鍵」と指摘している。