「家庭における実際的看護の秘訣」という本があります。
築田 多吉さんという方が書いた本で、通称「赤本」と言われています。
受験の「赤本」も、元を辿ればこの「赤本」が元祖です。
東條百合子さんの「自然療法」のベースにもなった本として有名です。
明治時代の海軍の看護兵で日露戦争などにも実際に出兵し、数々の病気や怪我などを看てきた著者が、その後、病院など様々な経験を積み、また、全国から来た各兵士の故郷にある民間伝統療法を研究し、その集大成としてまとめた本です。
大正14年に発刊して以来、大ベストセラーとなり、戦争中は戦死・疾病傷者や家族に配られ、昭和40年まで度々ベストセラーとして新聞などにも紹介されていた本です。
昨年、この本を購入したのですが、最近読んでいると「面白いな~」と思います。
何が面白いかというと、1つが、単なる理論書ではなく、実際に病気・怪我などが起きる最前線の「現場」で数々の症例を見てきた「実際的看護」だということ。
2つ目が、今の「西洋医学」中心の考え方とは違い、昭和40年代ぐらいまでは「日本人は、こういった考え、こういった治療をしてきたのか」ということがわかること。
3つ目が、今、実際に「その通り」と思うことが多々あり、「医者の前に自分で看る」という精神が、具体的に実行に移せるという気持ちになること。
男性であれば、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を読んだことがある人が多いと思うし、日露戦争、また旅順という言葉に何かしらの思いを持っている人が多いと思います。
その「旅順」攻略の際に、実際に病気を防ぐために大量の「梅肉エキス」を運んで防いだという実話や、毎年日本で風邪を引いていた著者が、極寒の地に赴くにあたり「自分は大丈夫だろうか?」と心配していたのが、結果として全く風邪を引かなかったというお話があるのです。
例えば、風邪を引くのは、1つは皮膚が弱いということ。
毎日、乾布摩擦をし、皮膚を強くし、また、「ゾクゾク」っときたら、5分以内に背筋に温かいものを入れて温めたり、喉の痛みが来たら喉を温めるなど、「適切な処置」をすれば、風邪などは絶対に引かない、という著者の体験や指導してきた人達の経験などを見ると、「なるほどな~」と思うのです。
言われてみればその通り。
確かに本当に乾布摩擦を毎日やっていれば。
確かに日頃から乾布摩擦をやっていれば。
確かに体力のあるうちから、例えば夏から水浴びを日常としていれば。
確かにぞくぞくとしたら、すぐに背筋を温めれば。
風邪は引かないということを聞くと、「なるほど、昔は今より隙間風が通る日本家屋で、寒かったはずなのに、何で大丈夫だったんだろう?」と思いますが、それは鍛え方が違う、というより、必要な準備をしているかどうかなんだな、と思いました。
うちの子が幼稚園のときは、ちょうど今の時期、毎朝、半そで短パンでマラソンをし、終わったら、上半身裸で乾布摩擦をしていました。
今の小学生の頃より、よっぽど強かったんだろうな~と思います
大人も同じですね。
外に行くと寒くなって、体の細胞や毛穴が縮こまる。これが第一次反応というそうです。
その後、温かいところにいくと、体がポカポカしてくる。これが第二次反応というそうです。
第二次反応が遅いひとは、これがすぐに出るように鍛えないといけない。
シンプルな話ですが、その通りだと思いました。
その他、初老になると禿げて顔が赤い人は精力旺盛で長生きするが脳卒中になりやすく、黒髪ふさふさで初老になっても白髪の人は脳卒中にはなりにくいが年中風邪をひきやすく血圧の上下も激しい、といった経験談も面白いです。
当時は、ストレス理論、ノイローゼ、ビタミンの効能などが叫ばれていた時代ですが、警告として「西洋医学一辺倒で、病気は体の一部ではなく全体からみないといけない」ということを訴えているのは、驚きです。
大正時代から今も、日本の状況は同じなんだな~と。
あと、東條百合子さんの「自然療法」は日本的な考え方、「おてんとさまの恵み」「自然に生かされていること」という所まで心から思うようになって、初めて、自然の恵みを有難く頂けるようになる、という「根本」のところが書いてあります。
それが中心思想で、そこから「自然療法」という枝葉が書かれているという構成だと思います。
一方で、この「赤本」は、ある意味、「実際的看護」の視点で書かれているので、読み物としても面白いですし、辞書的に使っても面白いです。
ただ、「昔の伝統医療」「東洋医学的考え方」「男性が書いた書物」というあたりにハードルが無い人には面白いでしょうが、関心が無い人には読めないかもしれませんね。
私は面白いので、コツコツ読んでおります
1冊6000円と高価ですが、4冊買うと送料無料だったので、大人買いし、2冊はお友達が買い、残り1冊余っていますので、読みたい方はお声がけ下さい。
築田 多吉さんという方が書いた本で、通称「赤本」と言われています。
受験の「赤本」も、元を辿ればこの「赤本」が元祖です。
東條百合子さんの「自然療法」のベースにもなった本として有名です。
明治時代の海軍の看護兵で日露戦争などにも実際に出兵し、数々の病気や怪我などを看てきた著者が、その後、病院など様々な経験を積み、また、全国から来た各兵士の故郷にある民間伝統療法を研究し、その集大成としてまとめた本です。
大正14年に発刊して以来、大ベストセラーとなり、戦争中は戦死・疾病傷者や家族に配られ、昭和40年まで度々ベストセラーとして新聞などにも紹介されていた本です。
昨年、この本を購入したのですが、最近読んでいると「面白いな~」と思います。
何が面白いかというと、1つが、単なる理論書ではなく、実際に病気・怪我などが起きる最前線の「現場」で数々の症例を見てきた「実際的看護」だということ。
2つ目が、今の「西洋医学」中心の考え方とは違い、昭和40年代ぐらいまでは「日本人は、こういった考え、こういった治療をしてきたのか」ということがわかること。
3つ目が、今、実際に「その通り」と思うことが多々あり、「医者の前に自分で看る」という精神が、具体的に実行に移せるという気持ちになること。
男性であれば、司馬遼太郎さんの「坂の上の雲」を読んだことがある人が多いと思うし、日露戦争、また旅順という言葉に何かしらの思いを持っている人が多いと思います。
その「旅順」攻略の際に、実際に病気を防ぐために大量の「梅肉エキス」を運んで防いだという実話や、毎年日本で風邪を引いていた著者が、極寒の地に赴くにあたり「自分は大丈夫だろうか?」と心配していたのが、結果として全く風邪を引かなかったというお話があるのです。
例えば、風邪を引くのは、1つは皮膚が弱いということ。
毎日、乾布摩擦をし、皮膚を強くし、また、「ゾクゾク」っときたら、5分以内に背筋に温かいものを入れて温めたり、喉の痛みが来たら喉を温めるなど、「適切な処置」をすれば、風邪などは絶対に引かない、という著者の体験や指導してきた人達の経験などを見ると、「なるほどな~」と思うのです。
言われてみればその通り。
確かに本当に乾布摩擦を毎日やっていれば。
確かに日頃から乾布摩擦をやっていれば。
確かに体力のあるうちから、例えば夏から水浴びを日常としていれば。
確かにぞくぞくとしたら、すぐに背筋を温めれば。
風邪は引かないということを聞くと、「なるほど、昔は今より隙間風が通る日本家屋で、寒かったはずなのに、何で大丈夫だったんだろう?」と思いますが、それは鍛え方が違う、というより、必要な準備をしているかどうかなんだな、と思いました。
うちの子が幼稚園のときは、ちょうど今の時期、毎朝、半そで短パンでマラソンをし、終わったら、上半身裸で乾布摩擦をしていました。
今の小学生の頃より、よっぽど強かったんだろうな~と思います
大人も同じですね。
外に行くと寒くなって、体の細胞や毛穴が縮こまる。これが第一次反応というそうです。
その後、温かいところにいくと、体がポカポカしてくる。これが第二次反応というそうです。
第二次反応が遅いひとは、これがすぐに出るように鍛えないといけない。
シンプルな話ですが、その通りだと思いました。
その他、初老になると禿げて顔が赤い人は精力旺盛で長生きするが脳卒中になりやすく、黒髪ふさふさで初老になっても白髪の人は脳卒中にはなりにくいが年中風邪をひきやすく血圧の上下も激しい、といった経験談も面白いです。
当時は、ストレス理論、ノイローゼ、ビタミンの効能などが叫ばれていた時代ですが、警告として「西洋医学一辺倒で、病気は体の一部ではなく全体からみないといけない」ということを訴えているのは、驚きです。
大正時代から今も、日本の状況は同じなんだな~と。
あと、東條百合子さんの「自然療法」は日本的な考え方、「おてんとさまの恵み」「自然に生かされていること」という所まで心から思うようになって、初めて、自然の恵みを有難く頂けるようになる、という「根本」のところが書いてあります。
それが中心思想で、そこから「自然療法」という枝葉が書かれているという構成だと思います。
一方で、この「赤本」は、ある意味、「実際的看護」の視点で書かれているので、読み物としても面白いですし、辞書的に使っても面白いです。
ただ、「昔の伝統医療」「東洋医学的考え方」「男性が書いた書物」というあたりにハードルが無い人には面白いでしょうが、関心が無い人には読めないかもしれませんね。
私は面白いので、コツコツ読んでおります
1冊6000円と高価ですが、4冊買うと送料無料だったので、大人買いし、2冊はお友達が買い、残り1冊余っていますので、読みたい方はお声がけ下さい。