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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

「いつだって座敷は上首尾さ」(by手の目)

2010年10月05日 | 高橋葉介『夢幻紳士』
『もののけ草紙 参』 高橋葉介著/ぶんか社


幻想的な芸で座敷をつとめる女芸人「手の目」の物語も、すでに第3巻。
お話としては、第19話の「獣の兄弟」が好きでしたが、
第20話・21話で登場する月星麗香さんが、
ビジュアル的にもあんまり葉介さんの漫画では見たことのない方で
かなり魅力的でした(小さい方も大きい方も)。
待ちこがれ続けた旦那様が帰ってきたときに
「あ~ら わが君」って呼びかけるんですよ、このお嬢様は!
もうすでにこの世の人ではないことが、非常に残念です。
・・・でも、これからもまだ出てきそうですよね?
麗香さんに見せた手の目の芸も、素敵でしたねえ。


一方、手の目の一番弟子・小兎(シャオツー)は、
小さい頃の手の目と比べても、そんなに魅力的じゃないんですよね・・・なんでだ。
手の目と一緒にいること以外に、シャオツー本人の物語がないからでしょうか。
手の目は、主役じゃなかった<元の漫画>でも、登場から印象的でしたからねー。
(何しろ主役を殺そうとして一緒に殺されかける、っていう・・・苦笑)


で、ついにその<元の漫画>から「若旦那」が登場したわけですが(笑)
こっちの作品しか知らない人は、訳がわからないんじゃないでしょうか。
(そんな人いるのかとも思いますが)


夢の中での再会を喜ぶ手の目に言う
「俺と会う時の手の目は 子供のままでいいんだ」
という台詞は、ある意味すごい殺し文句。
過酷な運命にも負けず、強がって生き抜いてきた手の目にとって、
すべてをゆだねて甘えていいんだ、と言ってくれる「若旦那」は
本当にかけがえのない人だろうな、と思うのです。
それは『学校怪談』で「ご先祖様」が九段先生に言った
「小さな九鬼子は 俺のものだ」
と同じ意味を持つのではないでしょうか。
(まあね、同じ人の台詞ですからね・・・本当に女たらしですよ、彼は!)


あ、ところで、料亭の女将はとっくにこの世の人ではなくなっていましたが、
「若旦那」はどうなんでしょう?
殺しても死にそうにないけど、生に執着してそうもないし、
今後の登場に期待したいと思います。
 

コメント
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