Con Gas, Sin Hielo

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「インディジョーンズと運命のダイヤル」

2023年07月08日 23時57分30秒 | 映画(2023)
暴走老人に免許返納という概念はない。


人間の記憶とは不思議なもので、昔のことの方がよく憶えているなんてことがよくある。

BKTFの第1作は何度も見返しているから鮮明な記憶が残っていてもおかしくないのだが、インディジョーンズシリーズはそこまで何度も観た自覚はない。にも拘らず、何故かことごとく思い出されるのは「レイダース失われたアーク」なのである。

洞窟をごろごろと転がる大玉、手のひらに懐中時計の跡が付いた桂文珍似の悪役、クライマックスのすべてを葬り去る伝説の力などなど。公開日が12月5日、仙台東宝で正月第1弾ロードショーだったことまで憶えている。

あれから42年。H.フォードはこの7月で80の大台に乗った。

CG処理されたインディが活躍する序章の後に、さっそく生身のH.フォードが登場する。引退間近の老教授となったインディは、息子が戦死、妻のマリオンとは離婚協議中ということで、学生も暮らす集合住宅の一角で寂しい生活を送っている。肌の張りもなく近所から流れる騒音に怒声を浴びせる姿は、困ったがんこじいさんにしか見えない。

そんな中、彼の前に現れたのは、かつての考古学者仲間であったバズの娘・ヘレナだった。初登場キャラです、おそらく。

今回話の中心となるおたからは、古代の偉大な数学者・アルキメデスが作った不思議な力を持つダイヤルである。あまりに強大な力を持つことを知ったアルキメデスが二つに割って存在を隠したという逸話を持つ代物。

その力に魅了されたのが、ナチスドイツ下で科学者として働いていたフォラーである。フォラーはダイヤルを探してインディのもとを訪れたヘレナを尾けてきていた。

ダイヤルの片割れを巡ってひと悶着が起きると、冒頭でがんこじいさんぶりを披露したインディが一転アクションスターへ復帰する。馬に乗るわ、モロッコの狭い街路をトゥクトゥクのような簡易自動車でカーチェイスするわ、世の中の80歳がアクセルとブレーキを踏み間違えるのではと(周りが)戦々恐々としているのとあまりに次元が違うが、やはり見ていてちょっと痛々しくもある。

それにしても何故いま第5作なのか。前作からでさえ15年が経っている。息子を亡きものにしてまで、評判の悪い前作を上書きして有終の美を飾る必要があったとでも言うのだろうか。

その割りには、今回バディとして重要な役を担うヘレナがそれほど魅力的には映らず、どう収拾を図るつもりなのかと見守っているとクライマックスがやって来た。

割れたダイヤルを元に戻し力を得たフォラーが、ダイヤルの力で出現した空の裂け目に向かって飛行機を飛ばす。その先に現れた世界は・・・。

考古学者として生きたインディの最期としてふさわしい場所を用意したのか、このための第5作だったのか。・・・と思わせておいてのラストの展開は良かった。

全身が痛くて痛くないところを探す方が難しい。ここは?・・・あったなー、やっぱり古い方が断然記憶に残っている。

(75点)
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