Con Gas, Sin Hielo

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「1秒先の彼」

2023年07月09日 23時58分19秒 | 映画(2023)
うるうな人たち。


宮藤官九郎脚本といいながらも、台湾でヒットした映画をベースにした作品である。既に完成されている作品を彼がどう調理するのか、そしてそもそも評判となったこの作品はどういう話なのか。主演の顔ぶれと相まってかなり興味をそそられた。

岡田将生が演じるのは、何をするにも1秒早いハジメ。清原果耶が演じるのは、何をするにも1秒遅いレイカ。2人に接点はない。少なくとも、前半部分のハジメのモノローグにそれを感じさせるものはない。

ハジメは、岡田将生が得意とする、見た目はいいけどクセが強くて女性とは縁遠い男性である。その彼が路上ライブをしていた桜子と知り合い、急速に親密になっていく。しかし花火大会のデートを約束した日、バスで待ち合わせ場所へ向かっていたはずの彼の体は突然翌日の自宅の寝床へと移動していた。

最初は時間が翌日に飛んでいたことを信じられないハジメであったが、何故か赤く日に焼けた肌や、写真館に飾られている身に覚えのない自分の写真を見て、時間は確実に過ぎていて、その間に自分の身に何かが起きていたことを知る。そして原因を追究した先にいたのは、レイカだった。

場面は変わり、今度はレイカのモノローグになる。言うなれば解決篇である。

ひとことで言えばファンタジー。この話を許容できるか否かは、映画の魅力と個人の嗜好の組み合わせ(タイミングもあるかもしれない)にかかってくるので断言はできないが、誠実で地味な少女が幸せになるのなら許せるというところか。

ファンタジーなので突っ込もうと思えば穴は開きまくっている。でもそれでいい。枝葉末節は剪定してまっすぐハッピーエンドへ進んでいい。

なんとなく辻褄が合っているような形をとっている名前ネタもかわいい。台湾版も同じような仕組みの話なのか少し気になる。

全体的にほんわかした作品だが、ラジオのパーソナリティで笑福亭笑瓶が登場するのには胸が詰まった。すごく元気そうな声じゃないか・・・。

(65点)
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