秋生のEtude

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『王様と私』  7/11(木) ソワレ 初日

2019年07月14日 13時02分11秒 | 舞台


日本人である渡辺謙さんがブロードウェイの舞台で、王様!!
と聞いた時から、いつかは来日公演(凱旋公演?)してくれたらなぁ、と切望していた舞台。
それが本当になるなんて。もう本当にうれしい。
しかもこの日は、日本初演の初日それだけでもテンションが上がる。


『王様と私』 2019.7.11(木) 17:45開演 東急シアターオーブ

アンナ           ケリー・オハラ
シャム王          渡辺 謙

チャン夫人         セザラー・ボナー
オルトン船長/ラムゼイ卿   フィリップ・ブルコップ
タプティム         キャム・クナリー
クララホム首相       大沢たかお
ルンタ           ケイヴィン・パンミーチャオ
チュラロンコン皇太子    アーロン・ティオ
フラ・アラック侍従長    ウイリアム・マイケル・リー


【あらすじ】
1860年代のこと、夫を亡くしたイギリス人女性、アンナ・レオノーウェンズは、王子・王女の家庭教師として、タイ王国の首都バンコクの王宮に迎え入れられた。シャムの王様は、王子・王女たちに西欧式の教育を受けさせたいと思っていたのだ。王様とアンナは、東洋と西洋の習慣の違いや、立場の違いから、はじめは対立していたが、次第に心を通わせ、絆を深めていった。

隣国から貢物として王様に献上されたタプチムには、実はルンタという恋人がおり、王様に隠れて密かに愛を育んでいた。アンナは、2人の逢瀬の手助けをする一方、一夫多妻制が認められている王宮が理解できない。また、王様の横暴な態度に、アンナは一度はイギリスに帰ることを決心するが、第一夫人の説得により思いとどまる。

ある日、イギリスの特使ラムゼイ卿が突然バンコクにやってくるとの知らせが入る。シャムを植民地にするための視察ではと驚く王様に、アンナは西欧式の晩さん会で特使を歓迎し、シャムが近代的な国であるように見せようと提案する。

アンナの提案にのった王様の命令で、国を挙げての準備が始まった・・・。


オープニングのオケのオーバーチェアから期待が高まる。
幕が開くと、船でバンコクの港に着いたアンナと息子のルイ。不安な気持ちを「口笛を吹いて」と歌います。
初めて聴いたケリー・オハラの歌声!!
美しいっ!!明るく、澄んでいて、心地良く・・・想像以上に素晴らしい!!!
そして、アンナを迎えるクララホム首相・・・ひややや~~あまりに骨太で偉そうで・・・えっ?まさかの大沢たかお!?(キャストに決まったというのは知ってたけど、この公演で観られるとは思ってなかった
王宮で待つシャム王の渡辺謙。英語の出来どうこうはわかりませんが・・・シャム王が英語を話せるという設定で考えれば、すごいなぁ。すごく自然で・・・威厳があって立派な王様でした。

アンナの〝家を用意してくださる約束”に対して、聞き入れない王様。
〝歳はいくつだ”の質問に、まあ、レディになんということを聞くの!?とあきれて、しらっと〝153歳”と答えるアンナ(笑)
王様は横暴で荒っぽいけれど、子どもたちにはなかなか優しいし、アンナとのやり取りもコミカルでどことなくユーモラスで、かわいい一面もありました。
今まで築いてきた王室の威厳を保ちつつも、近代化していかなければ、諸外国から国を守れないと悩む姿や、大真面目にリンカーンに象を贈ろう、と計画してみたり・・・王様って本当はたいへん!!
それでもアンナに対しては、最初は威張っていたものの、子どもたちの先生という意味では、それなりに扱っていたような・・・まあいろいろ対立はするものの。
アンナに、王より頭を高くしてはならない、と座ってみたり、寝転んでみたり、二人がどんどんぺしゃんこになっていくのが可笑しかったです
王様の子どもたちは、いろんなタイプがいて、どの子もみんな可愛かった。
そして、皇太子はちょっとおっさんぽい。(映画で見た時は、もっと少年だった気がする)

とにかく、曲!!曲がいい!!素晴らしい!!!
アンナが子どもたちと歌う「GETTING TO KNOW YOU」は楽しくて大好き!
アンナが若き日に自分も恋をしたわ、としっとりと歌う「HELLO,YOUNG LOVERS」も素敵。
ルンタとタプティム・・・許されない恋人たちが歌う「I HAVE DREAMED」・・・なんて美しいの。
タプティムの高音が本当に素晴らしい、ルンタの声も包容力があってすごくマッチしてる。
そして、チャン夫人の歌声も素晴らしい。
あれれ?どこのシーンだかに、「埴生の宿」が流れてたよね?

大きく広いカーテンのような幕をひくたびに舞台のシーンが変わる。(盆が回るんじゃないんだ・・・)
タプティムとルンタの逢瀬の時の、まるで藤の花の下にいるようなセットがすごく素敵でした

劇中劇の「アンクルトムの小屋」は、シャムチックなバレエ?というか京劇っぽい。すごく完成度が高くて、ここだけでもひとつの舞台として成立しそう。

そして・・・お待ちかねの「SHALL WE DANCE?」
王様の手を取って〝1,2,3,1,2,3、”とステップを踏むあの微笑ましい感。
王様がアンナの腰をグッと引き寄せて踊り出すあのやった感!!
その後は、あの軽快でスピード感のあるダンス&ダンス&ダンス!!

・・・もうこのシーンだけで、この舞台を観てよかったと思うくらい素敵

そんな素敵な時間がずっと続いてくれたら・・・と思いつつ、その後のタプティムとルンタの悲劇は現実をつきつけられるようで、哀しい。
ああ、なんてドラマチックな展開なんだろう。
いい感じだったアンナと王様の関係も、王という立場やアンナの〝野蛮人!”という一言で終わりに?
でも、タプティムをムチ打てない王様は、確かに変わってきているんだけどね・・・

子供の頃、映画でこの作品を見た時は、王様が死んでしまうラストがすごくショックでした。ハッピーエンドになってほしかったから。
でも、大人になった今は、このラストが美しく受け入れられる。

そうそう、王様が最期の時に、新国王としてお辞儀の仕方を改革する皇太子。・・・これってアンナと踊った時に交わした挨拶だよね。そんなことさえ、涙の中でいいエピソードだなぁと思ったり。

とにかく、感動しました。
本当にこの舞台が観れたことに心から感謝します。




コメント (2)
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