原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

“JR四国”の険しい再建への道

2021年03月27日 | 時事論評
 (冒頭写真は、昨年1月に郷里へ旅行をした際に乗車した“JR鳴門線”の写真。)





           
            JR徳島駅構内

           
            JR鳴門線車内。


           
            JR鳴門線車窓から写した吉野川。


           
            吉成駅。

           
            勝瑞(しょうずい)駅。

           

 本日2021.03.27付朝日新聞朝刊に、「JR北・四国 厳しい再建」と題する記事があった。
 
 その記事内より、我が故郷の鉄道である“JR四国”に関する記述を中心に以下に要約引用しよう。

 JR北海道とJR四国への財政支援を続けるための「国鉄清算事業団債務処理法」の改正法が3月26日、参院本会議で可決、成立した。 支援額はこれまでより手厚い総額2300億円に及ぶ。 政府はその代わりに経営再建に早くめどをつけるよう迫るが、新型コロナウィルスの影響もあり道程は険しい。 (中略)
 JR四国は1987年の会社設立以来、鉄道部門はずっと赤字。 高速バスとの競争が激しく、19年度の鉄道運輸収入は224億円で30年前より35%減った。
 四国には人口100万人規模の大都市が無く、人口減が全国よりも早い水準で進み鉄道利用を増やすのは厳しい。 ホテルや不動産、流通といった鉄道以外の柱も育っていない。 (中略)
 2社の再建の足かせとなりそうなのが新型コロナだ。 鉄道各社はコロナ後も乗客が元の水準に戻らないとみている。 鉄道以外の活路を見いだせないと、自立経営どころか業績悪化に拍車がかかる恐れもある。

 (以上、本日付朝日新聞記事より一部を引用したもの。)



 私事及び私見に入ろう。

 私は郷里にて “国鉄”時代の鉄道のお世話になっている。
 高校3年間と19歳で運転免許を取得するまでの大学時代に、当該国鉄“鳴門線”に乗車して日々学校まで通ったものだ。
 (参考だが、運転免許取得後は大学へマイカー通学した。)

 そのため昨年の郷里旅行の際に“JR鳴門線”に乗るのを実に楽しみにしていて、それを実現させた。😃 

 上記写真をご覧頂けると分かり易いが、鳴門線を利用したこの日は平日昼間の時間帯だったが、県内一番の主要駅である徳島駅にも鳴門線車内にも人の姿が見当たらない…
 朝夕の通勤通学時間帯にはさすがに混雑が見られるが、それ以外はこのあり様だ。
 県民の皆さんは概してマイカーを利用するのが通常であり、JR線を利用するのは通学者と多少の通勤者、そして高齢者がほとんどと言えよう。

 そう言えば確かに現在の郷里は、路線バスと共に「高速バス」が幅をきかせているようだ。 近年帰省した際に徳島駅前バスターミナルにて「高速バス」をよく見かける。


 上記朝日新聞記事内に記されているが。
 過疎地ではホテル・不動産・流通といった産業育成が困難を極めて当然であろう。 
 昨年秋には、県内でたった一つ赤字経営を続けていた「デパート」も経営破綻の上に閉店した。
 そんな状況下で、政府から「JR再建」と無責任に言われてもねえ…

 いくら政府が財政支援するから経営再建に早くめどをつけよ! と偉そうに迫られても“無理なものは無理!”と、反発する以外方策が打てないように私など思うのだが。

 “コロナ禍”とて、一体いつ収束するのかまったく予想不能な実態だ。
 
 ここは政府こそが冷静になるべきではなかろうか。
 総額2300億円を過疎地に押しつける以前の問題として。
 過疎地が置かれている現実を直視した上で、物事を判断出来ないものだろうか??

 極論かも知れないが、いつまで経っても巨額赤字JR路線に無駄な財政支援を続けるよりも。
 例えば「高速バス」業界が活況であるならばそれを有効利用するべく財務支援に切り替える、等の方向転換を成す等 “思考の柔軟な転換” が政府側にこそ肝心か、と私など思うのだが…