少し前の朝日新聞“悩みのるつぼ”に、40代女性による「次男が口をきかない」と題する相談があった。
早速、以下に相談内容を要約引用しよう。
大学生と高校生の2人の息子の40代シングルマザーだが、次男について相談したい。
次男は小さな頃から少年野球チームに入り、高校でも野球部に所属して頭の中は野球のことでいっぱいだ。
私も野球当番、弁当作り、遠征応援と週末の息子との思い出は野球と共にある。
そんな次男は中学生の頃から全く私と話をしなくなり、学校の友達も誰と親しいのかも何も知らない状態が続いている。 毎日作るお弁当もおいしかったの一言も無く、台所のゴミ箱に残したおかずが捨ててあったりする。「量が多かったらそう言って!」と言いますが、目を合わそうともせず時間がなかったと返ってくるだけ。
家の中でもすれ違いそうになると、あからさまに嫌な顔をするし、息子の首に何か付いていたのを取ろうと触ったら、嫌悪の顔で「触んな!」。
息子が口にするのは「腹減った」「おやすみ」「明日は〇〇時に起きるから」くらい。 スマホで野球を見ながら黙々と食べるだけ。
長男は普通に話してくれる。 2人とも性格は違うが同じように愛情をかけて育てて来たつもりだ。 次男にどう接して良いか分からす、傷つく毎日だ。 どうやってそんな次男に接すればよいのか。
(以上、朝日新聞“悩みのるつぼ”の相談内容を要約引用したもの。)
私見に入ろう、と思ったが…
男の子を育てた経験が無いからなあ。
しかも元より、“子どもは女の子一人!”と頑ななまでに決めていたし。
その通りの理想的な子育て人生を送れている我が身であり、何らの不満も無いどころか、目の中に入れても痛くない最愛の娘がいつまでも我が家に同居してくれるこの“幸せ観”に浸る日々だ。
いやいや、うちの娘ほど寡黙な子どもは何処にもいないと思うよ。
幼少時にはそれなりに無邪気さもあったが。 小学校中学年頃からは、こちらが声かけしないと一言も発しない程の寡黙状態が続いている。(我が娘の場合、発達障害故との事情があるが…) 学校現場でも同様で、教師や生徒が声かけしてくれればそれにはボソボソと応えるようだが、自分から会話を始めることは皆無だった様子だ。
それで特段、サリバンの私としては何も困ったことは無い。 ただおそらく学校の教師や職場の上司・同僚の中には、寡黙過ぎる娘の取り扱いに困惑させられた(ている)人も複数存在することだろう。
何故、私が寡黙な娘を抱えて困惑しないのか?
それは、サリバンとして「そういう子だ」と肯定しているからに他なら無い。 加えて我が娘とは27年間に渡り、日々絶大な信頼関係を築きつつその関係を蓄積出来ていると自負している故でもあろう。
何処の誰が我が娘を「寡黙過ぎて困る…」と責めようと、このサリバン母が絶対的に娘を守り抜くぞ!、との揺るぎない決意の下にある母娘関係だ!
話題を朝日新聞相談内容に戻すと。
この相談者の次男さん、いい子だとの印象を私は抱く。
普段は会話が少なくとも、「腹減った」「おやすみ」「明日は〇〇時に起きるから」と毎日母親に告げるというじゃないか。
そんなことを我が娘から告げられたことなど、我が母親人生に於いてだだの一度足りとて無い。 何だか羨ましい程だ。 (娘の名誉のために付け加えるが、そんな会話が無くとも我が家では母娘の意思疎通は十分に叶っている。)
お弁当に関しても次男さんが少し残すことがあるようだが、毎日食べてくれている様子だし。 たまに残りを次男さんが自分で捨てようと、「量が多かったら多いって言って!」などと声を荒げず、「体調が悪かったのかな?」とでもやんわりと聞いてあげてはどうなのだろう??
相談者母氏の相談内容で一番気になるのは、どうも長男さんと次男さんを常に比べて物事を考えている事態だ。
いやこれに関しては、我が高齢実母が未だにそれを次女である私相手にやらかすため、子どもを複数持つ母親の実態とはそういうものだとの認識は、私自身が高齢域に達した現在も顕在的感覚としてある。
どうやら母親という生き物は、自分が産んだ兄弟姉妹のうち“自分にとって都合のよい子ども”をその場その場の感情で高評価したがる悪しき癖があるようだ。
そのように考察してくると。
朝日新聞相談者40代女性氏も、今後場面が移りゆき。
例えば、現在高校生球児の次男さんが大人になった暁にプロ野球選手にでもなったとして。
それに対し良き性格に恵まれていると信じていた長男さんが、例えば“ヘボい女と結婚する”とシングルマザーである貴方に訴えたりしたものならば。
一体どうするの??
と言いたいレベルの相談内容では無かろうか???