原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

再掲載 「太陽はダイヤモンドになる」 vol.1 vol.2

2023年08月30日 | 学問・研究
 学校の夏休みも、早いもので明日が最終日の様子だ。


 この夏の終わりの時期、子どもさんを持つご家庭では夏季課題の追い込みで必死状態ではなかろうか?
 それが証拠に 「原左都子エッセイ集」にてもここのところ、娘の夏季課題を手伝ったものをエッセイとしてまとめ公開したバックナンバーの閲覧が急増している様子だ。

 そこで本日はそれらの中から、冒頭表題の娘高校時代に「科学自由研究課題」として提出した、「太陽はダイヤモンドになる」vol.1 vol.2  を、以下に再掲載させていただこう。

 

 

 (冒頭写真は、娘が高校生時代に学校へ提出した夏季自由研究レポート「太陽はダイヤモンドになる?!」内の図を撮影したもの。)


 本エッセイ集数本前の記事にて、娘が中学生時に夏休みの自由研究レポート作成の手伝いをした事を記した。
 手伝いというよりも、正確に言うと(元科学者の端くれである)サリバン母の私が単独で仕上げたものだ。(そのため著作権はこの私にあり、これをこのエッセイ集内に転載しても何ら著作権法に触れることはないだろう。 ただ娘の氏名にて提出しているため、法的にはその辺はどうなのか??)

 
 それでは、vol.1に於いてはその前半部分を以下に転載しよう。 


Ⅰ はじめに                    

 私は小学5年生の夏休みに、あるプラネタリウムの番組を見た。
   その番組の全体の内容に関してはよく憶えていないのだが、番組の中の解説で今でも印象に残っている話がある。それは「太陽は70億年後にダイヤモンドになると考えられている。」という話である。 夜空には実際にもう既にダイヤモンドになっている星も存在するらしい。
   太陽系の中心で赤く燃え盛っている太陽が、遠い未来には本当にダイヤモンドに姿を変えるのであろうか。
   信じられない話であるが、もし太陽が本当にダイヤモンドになるとしたら夢物語のようでもある。
   そこで、今年の理科の自由研究ではこのテーマを取り上げて検証しながら、宇宙のロマンを楽しみたいと思う。


Ⅱ 研究の目的、仮説及び研究の方法

  ① 研究の目的

   「太陽は遠い未来にダイヤモンドになるのか」を検証する。

  ② 私が考えた仮説

 太陽は遠い未来にダイヤモンドになると私は思う。
 おそらく、太陽とダイヤモンドの成分に元々共通点があるのではなかろうか。
そして、現在太陽は赤く燃え盛っていてどう見てもダイヤモンドの姿の想像はつかないが、年月が経つにつれて成分に変化が現れてだんだんとダイヤモンドに近づいていき、熱が冷めた後ダイヤモンドに姿を変えるのだと思う。

  ③研究の方法                    

 研究は、参考文献、参考資料の検索、学習、検討を中心に進める。

 まず、太陽とタイヤモンドに関する基礎知識を得る。
 そして、それらの成分を比較したり、太陽のこれからの変化の様子を探っていく。
 また、実際にダイヤモンドになったとされている星についても検討して、太陽と比較してみる。

 そして、太陽が遠い未来にダイヤモンドになるのかの結論を導く。


Ⅲ 本論(「太陽はダイヤモンドになるのか?」の検証)  

 ① 太陽に関する基礎知識

  a. 太陽の構造

    太陽の直径は、1,392,000kmある。これは地球を109個並べた大きさである。
    太陽の質量は、1,9891kg × 10の30乗である。これは地球の33、3万倍ほどになる。

    太陽を割ってみると中心にはコアがあり、その周りを光球と呼ばれる層が覆っている。これが地球で言う地表なのだが、すべての物質がプラズマ化していて明確に表面が定まっているわけではない。さらにその表面にコロナと呼ばれる炎のようなものが見られる。(図1、図2)

    太陽の中心となるコアはものすごい気圧を持ち、その中から水素をヘリウムに変換する熱核融合を起こしている。そこから発生するエネルギーは半端な数値ではない。放出されたエネルギーはやがて電磁波へと変わり、長い年月をかけて太陽表面に到達し、そこから宇宙に放出されていく。
    実際にはこのコアが太陽であり、そこから上の層は放出されたエネルギーがコアの重心に捕まって球形をしているとも言える。
    コロナとは太陽の重力を振り切ってエネルギーが吹き出している層である。太陽表面は6000度前後であるが、このコロナの最大温度は100万度にも達する。コロナは太陽の直径の10倍以上まで達している。これがそのまま周囲に拡散していき、密度が薄くなるが地球にも到達する。これを太陽風という。     
                          
 b. 太陽の一生(太陽の誕生と未来)

 星にも人間と同じように一生がある。そして、それは太陽も同様である。
     宇宙がビッグバンによって生まれ数々の星が生まれたが、そのうちの星のひとつ太陽は、星の爆発により生まれた。2億年ほどかけて成長してきた太陽の卵は水素核融合を起こし、光輝くガスの塊となった。これを原始太陽と呼ぶ。

     その後太陽は次々と周りのガスや元素を取り込んで現在の太陽の形になった。そして一人前の恒星となっている。太陽は今なお成長を続けており、現在はおおよそ46億歳である。110億年くらいまで生きると言われているので、今はちょうど働き盛りである。この太陽の壮年期は後60億年ほど続くと言われている。

     太陽のコアでは今までに取り込んだ水素を使い果たしてしまい、核融合ができなくなり、コアは重力で収縮する一方、周りの部分は開放され巨大化していく。これは赤色巨星と呼ばれる大きさに達する。この時期になると、コアが超高温になり、その結果、水素核融合の産物であるヘリウムが燃え出し、重力が復活して太陽はまた収縮する。このヘリウムが燃え尽きていく時に炭素が生産される。

     ヘリウムを1億年ほどで使い果たして、いよいよ太陽には燃やす材料が尽きてくる。そして次第に小さくなっていき、新たな核融合は行なわれず、エネルギーは生産されない。あとは太陽はゆっくりと時間をかけて冷え切っていく。
    これが、太陽の最後である。今から約76億年後のことである。

 ② ダイヤモンドに関する基礎知識

   ダイヤモンド(金剛石)は結晶構造を持つ炭素の同素体のひとつであり、天然で最も硬い物質である。
   宝石や研磨剤として利用されている。電気は通さない。
   ダイヤモンドの名前は、ギリシャ語のadamas(征服できない、懐かない)に由来するという。
   ダイヤモンドの母岩はキンバーライトという岩である。このキンバーライトは古い地質構造が保存されている場所にしか存在しない。
   ダイヤモンドが硬い理由は炭素原子同士が作る共有結合に由来する。
   世界最大のダイヤモンドの原石は3000カラット(1カラットは0,2グラム)であるそうだ。

 ③ ダイヤモンドになったとされる星について

  ダイヤモンドになったとされる星は、地球からおよそ50光年のかなたのケンタウルス座で発見された。
その直径は4,000km、重さは10の34乗カラットに相当する。

 この星の正体は白色矮星(わいせい)で、ダイヤモンドの構成元素である炭素で出来た核の周りに水素とヘリウムの薄い層がある。(図3)
星の振動の様子を調べることによって、内部に炭素の結晶があることがわかったらしい。

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 サリバンとして娘の学習の手伝いをする際、いつも配慮していたのはその時々の娘の学習能力の程を見極めることだ。
 今回の場合もレポート内容はともかく、高校生らしい言語表現を視野に入れていたつもりだが…
 (参考だが、我が娘は幼き頃よりのサリバン指導の甲斐があったのか、加えて漢検準2級に既に合格していたこともあり、言語文章表現力は比較的高かった。)
 それにしても今読み返してみるに、当時の娘の実力よりも難易度が高かったかな? などと思ったりもする。 

 レポート内容に関する私見だが。
 現在の太陽が「壮年期」であるとの自らが少し前の過去に調べた記述に、今更ながら大いに安堵させられた。
 太陽系内に生を受けている地球上に暮らす我々人類が方向性を誤らない限り、まだまだ地球は安泰と…  


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 ここから、vol.2 に入ります。


 ③ ダイヤモンドになったとされる星について

  ダイヤモンドになったとされる星は、地球からおよそ50光年のかなたのケンタウルス座で発見された。
その直径は4,000km、重さは10の34乗カラットに相当する。

 この星の正体は白色矮星(わいせい)で、ダイヤモンドの構成元素である炭素で出来た核の周りに水素とヘリウムの薄い層がある。
星の振動の様子を調べることによって、内部に炭素の結晶があることがわかったらしい。

 ④太陽はダイヤモンドになるのかについての検証

 各種文献や資料検索により、上記①~③の通り太陽とダイヤモンド、そして既にダイヤモンドになったとされる星についての基礎知識を得た。

この3つの物質の共通点は“炭素”である。すなわち、太陽がダイヤモンドになるかどうかのキーワードはどうやらこの“炭素”にありそうだ。

 ダイヤモンドは結晶構造を持つ炭素の同素体である。そして母岩のキンバーライトは地球上では古い地質構造が保存されている場所にしか存在しないことが分かった。

 一方、太陽は壮年期を過ぎるとコアの中で水素を使い果たしてしまい、水素核融合の産物であるヘリウムが燃え出すのであるが、このヘリウムが燃え尽きていく時に炭素が生産される。そしてこの炭素がコアの圧縮によってダイヤモンドに変貌する可能性が高い。
 キンバーライトの中でゆっくりと時間をかけてダイヤモンドが作られてゆくのと同じような現象であるのかもしれない。

 ダイヤモンドになったとされるケンタウルス座の星も、その核は炭素の結晶から成っている。

 どうやら、太陽は壮年期を過ぎる今から約50億年後にコアの中で炭素が生産され始め、これが圧縮して約70億年後にはタイヤモンドになるという結論が導けそうだ。


 Ⅳ 結論及び考察                   
 
  太陽をはじめすべての星には人と同じように一生があることがわかった。
  そして、太陽は今なお成長を続けており現在は壮年期であるが、この壮年期を過ぎるとコアが水素を使い果たす時期が来る。

 すると、水素核融合の産物であるヘリウムが燃え出す。このヘリウムが燃え尽きていく時に炭素が生産される。そして、この炭素がコアの圧縮によってダイヤモンドに変貌する可能性が高い。
これは今から約70億年後のことである。

 ケンタウルス座の星のように既にダイヤモンドになっているとされる星も存在するため、将来的にコアの内部で炭素が生産され圧縮される太陽もダイヤモンドになると考えてよいと、私も結論付けたい。

 ところが、この自由研究の実証は大変困難である。

 星の内部の様子に関しては、地震の波の伝わり方で地球内部の様子を研究するのと同じ方法を応用して、星の振動の具合を調べることも可能であるそうだ。
 これによって、ケンタウルス座の星の内部がダイヤモンドになっていることがわかったということである。

 太陽に関しても、この方法で現在の内部の状態を調べることができる。

 ところが、太陽がダイヤモンドになるのは70億年後のことである。その頃に私はもちろん生きていないし、人類全体が生き残っているのかも不明なため、実証ができないことがこの自由研究の最大の弱点でもある。

 Ⅴ おわりに
                    
  夜空に輝く星は、本当に宝石のようにキラキラ輝いて美しい。
  以前、私がもっと小さい頃、今回の話とは別のプラネタリウムの番組で、夜空から赤、青、黄、紫、ピンク、黄緑、金色、銀色、……
いろいろな色の宝石がキラキラ輝きながら舞い落ちてくる影像も見たことがある。その時、星が本当に宝石だったらすばらしいのになあ、と思ったものだ。
 ところが、夜空に既に本当のダイヤモンドがあって、しかも、現在の私たちにとって身近で、なくてはならない存在の太陽も遠い未来にダイヤモンドになるとすれば、夢物語の域を既に超えて、私の夢を叶えてくれる話である。

 科学技術の発展は、地球の環境破壊ももたらす側面もあるが、宇宙の神秘に触れさせてくれることでもあり、私たちに夢を運んでくれることでもある。

  Ⅵ 参考文献・参考資料  
 
 ・  フリー百科事典「ウィキペディア」 http://ja.org/wiki/
 ・ 「太陽のひみつ」http://www.taiyonoizumi.com
 ・ 「巨大なダイヤモンド」http://astroarts.co.jp/news
 ・ 「中学理科自由自在」(受験研究社)2006年
 ・   生化学辞典(東京化学同人)1984年
  

「左膝複雑骨折」一連の医療受診が昨日で全て終了し、病院との縁がきっぱり切れました!

2023年08月29日 | 医学・医療・介護
 その割には我が左膝は未だに腫れているし、普通に動かせない…



 それでも昨日 今回の我が「左膝複雑骨折」に関するすべての医療行為が終了した、と明確に告げて下さった担当主治医先生に、大いなる感謝の思いを伝えたい。😃 

 この医師による終了宣言は徹底していて、「今まで使われていた『診察券』も本日限りで使用不能となります。」😱 

 こういうの、医療関係者でもある私は好むなあ。
 通常のパターンでは、「もし後日何らかの問題がありましたら、今一度受診いただけますと再度診察致します」 などとの中途半端な談話がつくものだが。


 実際 救急患者受け入れ病院とは、日々怒涛の如くの患者の出入りなのであろう。
 終わりなき医療体制保持に躍起の、“超過労ライン医療体制” により病院運営が成り立っていることであろう。



 それにしても、作秋の激しい転倒により脳震盪を起こし、結果として主たる怪我が「左膝複雑骨折」だった際の救急搬送の日から。
 昨日の主治医先生による「本日で全ての診療が終了となります。」宣言に至るまで、実に長い日々だった。 
 実際その期間は、丸々10カ月に及ぶ。

 本来ならば、膝の針金除去は骨折の1年(12カ月)後と定められているらしいところ。
 私の場合、膝の骨折箇所がCT画像診断により完治していたことと、私本人からの切実な早期の除去手術要望によりその期間が2か月以上短縮されたのだが。



 この私も、実際問題「高齢者域」に達してしまっている。

 今後の「大怪我対策」は、老齢域に入っている我が重要課題として抱える羽目になった訳だが。

 とは言えども、その“対策”とは考える程に困難だ。

 ひとつだけ、一番簡単な方策は自分なりに打ち立てた。
 それは、「高いヒール靴」は今後一切履かない!、というテーマ(方策)だ。

 このテーマ、若き時代から外見を繕う(お洒落を好む)私としては、かなりハードルが高い部分もある。
 若き頃には、10㎝高のヒール靴を平然と履いていた。 
 60歳を過ぎた頃からも、5㎝程度のヒール靴を愛用してきている。
 元々高身長の私だが、世にも言われている「ハイヒールは身長が高い方が似合う」に重々納得しそれを地で行きつつ、これぞ我がお洒落の要部分とも捉えて来た。
 それを実行した身で今の今まで、こんな救急搬送レベルの怪我(いや、もっと小規模怪我さえ)一切経験が無かった。…

 実は昨秋に転んだ際にも、5㎝程度のヒール靴を履いていた。
 ただあの時は、何が原因で転んだのかの分析が不能なままに終わっている。
 ヒールの高さの問題ではなく、我が“心理的部分での多少の不安定感”が転倒を引き起こす最大の理由だったかもしれない、とも少し分析しているのだが…


 とにもかくにも、こんな“救急搬送を伴う大怪我”は 今後一生 是が非でも避けたい!!

 そのためには、考え得る危険をすべて除去するに限る!

 今回は我が膝の完治が早かったのに救われて、 病院との縁が早期に切れたことを幸いとして。

 10か月間の“骨折騒動ブランク”をものともせず。 
 今後は更に充実した我が人生を、是が非でも “大怪我無し”で乗り越えたいものだ!
 

再掲載 「一人旅に出たペンギンくんの物語」

2023年08月27日 | その他オピニオン
 夏の終わりにふさわしい題材のエッセイが 昨日の我が編集画面内  Popular Entories   top10 内に 掲載されていたため、本日はそれを再掲載させていただこう。
 表題の通り、そのバックナンバーは 2012.06.27付時事論評カテゴリーにて公開の 「一人旅に出たペンギンくんの物語」です。



 (冒頭写真は、葛西臨海水族園出口近辺レストラン前に現在掲示されていた “脱走フンボルトペンギン” に関する掲示物を、原左都子が2012.06に撮影したもの。 写真上の左が脱走ペンギン。 見辛い点をお詫びします。)

             **************

 ボクは葛西臨海水族園で飼育されているフンボルトペンギンのオスで、まだ1歳なんだ。
 早春3月のある日、ボクは水族園ペンギン飼育空間後部にある大きな人工岩山に登って遊んでたんだよ。
 その岩山の高いところまで登り着いたら、お外が見えたのさ。
 そこには今まで見たこともない大きな大きな海が広がっていたんだ。
 わあ、すごいな~~! あんなところで泳いでみたいな~!
 なんて思っていた途端に足を滑らせて、気がついたらボクは水族園の外の道路に落ちてた…
 体は痛いし、困った事になったなあと思いながらも、海の匂いに誘われてボクは痛い体を引きずりながら海の方向へ急いだのさ。
 そしたらいつもの水槽とは大違いで、海ってほんとにびっくりするぐらい広くて大きいんだよ。
 こんな広いところで泳げる!と感激して、夢中で泳ぎ回ったのさ。
 いつも周囲にいっぱいいる仲間もいないから、飼育員さんがくれるエサの奪い合戦を繰り広げなくていいし、生まれて初めて経験する自由を満喫したよ。
 でもおなかが空いて、ちょっぴり不安になったんだ…。

 そんな時、お魚を発見したよ! パクッと取って食べてみたら、これがいつも飼育員さんがくれるエサよりもずっとずっと新鮮で美味しいんだ! もう癖になっちゃって、それからは狩猟の毎日さ。
 潮に流されて川へも行ったよ。 そしたら、ボクの写真を撮る人が結構いたよ。 写真のモデルになることは水族園で慣れ切ってるから、へいっちゃらってものさ。
 寝るとこもボクなりに見つけて毎日暮らしていたんだけど、ちょっと危ない目にも遭いそうになったよ。 例えばボクより大きなお魚に出会ったり、漁をしている船の網に引っかかりそうになったりとかね…  そんな時には全力で逃げたよ。
 (水族園に戻った後で飼育員さん達が話しているのを聞いたところ)ボクが一人旅に出た辺りは東京湾だったようで、そこは結構海水がきれいなため美味しいお魚がいっぱい取れる環境だったみたいだよ。 
 だから、ボクは元気に海や川で暮らせたのさ。

 でも、さすがに一人旅の寂しさが身にしみ始めたんだ……
 ここでちょっと、左都子お姉ちゃん(影の声だが、2023年の今となっては“左都子婆さん”と言うべきだが😭 )が写した冒頭の “ヘボい” ピンボケ写真を見てよ。
 上部の写真はボクが水族園に帰った日の5月24日に行徳橋付近で映された様子なんだけど、とても寂しそうでしょ…   
 下の写真は、その情報を得て駆けつけた水族園の係員がボクを連れ戻そうと必死になっている風景だよ。 係員の人もボクがびっくりして再び海に戻らないように時間をかけて少しずつ近づいて来てくれたから、ボクは水族園に帰れたんだ。
 その後、ボクはまた葛西臨海水族園のペンギン飼育空間で元気に過ごしているよ。 
 少し一人旅をしてきた身としては、また集団飼育生活に十分に慣れるまでにしばらく時間がかかるとは思うけど…。

 でも、水族園で飼育されている一ペンギンでありながら、勇敢にも“一人旅”外遊をした立場として少し思うこともあるんだ。
 生物体にとって何が幸せなのだろうかと…
 ボクはたまたま岩山を登り切るという冒険心と体力があったから“一人旅”が出来たと思う。 でも、確かにそれをすることで命の危険もあったよね。
 ボクが旅に出た地域が大都心に位置する海だったし、ボクが元々住んでいた水族園もその地にあったからこそ、係の人達がいろんな情報を収集できてボクは今回葛西臨海水族園に戻れたのだとも思う。
 どうなのだろう。 ボクは水族園に戻れて幸せなのか? それとも“一人旅”で天敵に遭うことも覚悟した人生を全うするべきだったのか??
 左都子お姉ちゃんもよく分からないなどと言いつつ、「悲しいかな、元々水族園で飼育されたことがペンギンくんの人生を決定付けていた」 などと言いたげだけど……
            **************** 

 上記物語は、原左都子が昨日(2012年6月26日)葛西臨海水族園を訪れ “脱走ペンギン” に関して収集した情報、及びその周辺立地を我が目で視察確認して綴ったフィクション内容であるため、事実とは多々異なる点があろう点をお詫びします。

 今回の本エッセイの最後に、葛西臨海水族園館長名で公開している“お詫び”文書の一部を紹介しよう。

           

 “この度は貴重な飼育動物を脱走させる事となり、深くお詫び申し上げます。 幸いに5月24日、職員の手によって脱走より82日ぶりに無事捕獲する事ができました。…”  (以下略)

 私見の結論を述べるが、人間の勝手な論理や都合により自然界で生き抜いている動植物を捕獲して人工飼育とする場合、せめても日々細心の注意を払ってその責任を全うするのが捕獲された動植物の「命」に報いるということではあるまいか。
 甘い思考の下での人工飼育など、許されるはずもない。

 (以上、「原左都子エッセイ集」2012.06公開バックナンバーを再掲載したもの。)


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 2023.08.28現在の、原左都子の雑感だが。

 このペンギンくんが捕獲された直後の、飼育員氏の談話によれば。
 ペンギンくんは、元よりずっと“マッチョ体型”になって水族園に戻って来たそうだ。😱 😁   元々元気で冒険好きで泳ぎが上手く、大海を好き放題に泳いで日々餌となる対象を追いかけ餌として食べて暮らしていたのだろう。

 そうなるとやはり、原左都子なりの“ド素人考え”が頭を過ってしまう…
 そのまま放置してやっていれば 元々野生だったらしいこのペンギンくんに限っては、本来のペンギンとしての余生を全うできたのではあるまいか??
 
 ただ世の中、そんなに甘くは無くて。  必ずや大海にはペンギンくんの天敵もいたはずだ。 

 ただまたそれも、考えようじゃないだろうか???
 
 とにかく、ペンギンくんは水族園へ戻された(水族園係員氏の最大限のご努力により戻してもらえた、と表現するべきだろう)。


 その後のペンギンくんの続報を見聞する機会が、今となっては皆無だが。
 時は経過して、ペンギンくん逃走後発見時より既に11年余りの年月が流れている。

  とにかく如何なる場であれ形であれ、ペンギンくんの天寿を全うして欲しいものである。


 と、外見上の身繕いはともかく。  人格面での行動パターンや思考面で “野生”に近い生き方を志向している(言い換えると、人間としての本質部分で常に生き抜きたいと欲している)と自己分析するこの原左都子は、思うのであります…


「絵むすび」 ー 朝日新聞 2023.08.26編 ー

2023年08月26日 | 自己実現
 (冒頭写真は、原左都子が2023.08.26付「絵むすび」に解答したもの。)


 
 朝日新聞「絵むすび」ファンの皆様、お待たせ致しました。


 冒頭から弱音を吐かせていただきますと、この原左都子、2023.08.16日に「左膝複雑骨折時に挿入した針金除去手術」を受けて退院したのはよかったものの。

 今週初めごろから夏風邪の様相を呈し始め、それ以降夜な夜な38℃越えの高熱に苛まれておりました。

 一日も早く「歩行練習」をして、まともな歩行を取り戻したい!! と志してもそれがままならず、家の中で養生しつつ暮らす日々でした。



 そんな折に届いた本日の朝日新聞パズルは「絵むすび」でした!

 これに解答できたならば、今度こそ私は“普通の暮らし”に戻れる!!
 なる 大いなる覚悟の元に、本日「絵むすび」解答に励みました。


 ところが、昼に始めてその解答がままならず…
 これ、高熱のせいもあろうし、手術の後の疲れもあろうし…
 などと自身を慰めつつも、私なりの今後の「左膝健全化」の突破口として、どうしてもこの「絵むすび」を完成させたい!!  なる、いつにも増す勢いで先程解答に励んだところ。


 回答が叶いました!!!

 退院後、こんな嬉しい出来事は初めてでして、今は本気で我が膝が完治しそうな勢いです。😃 




 それでは、簡単な解説を加えておきましょう。

 原左都子としては、まずは左上の「砂山」を素直に下におろして結びたい気持ちでした。

 次なる注目アイテムは「睡蓮?」ですが、これは簡単には結べないことに気付きます。

 そうなると、「巣」を先に右に回して結んでみましょうか?
 これが、意外と功を奏したようです!

 後はまさに、各アイテムを注意深くその合間を縫って結べば済むのですが。



 今回の難易度4の「絵むすび」は、おそらく現在未だ連日38℃越えの発熱に日々苦しめられている原左都子でなくとて。

 難易度が高かったかもしれませんね。
 

原発事故は修復できないほど豊かな自然を破壊する 

2023年08月24日 | 時事論評
 本日午後1時、日本政府は予定通り福島原発汚染処理水を海に流し始めたとのニュース報道を見聞した。


 これに関する2023.08.22付朝日新聞「天声人語」記事の一部を、以下に引用しよう。

 中国政府は「安全ならば、海に流す必要はない」などと、放出に反対している。 安全なら、捨てずに使い道があるだろうと言いたいようだ。 (中略)
 近く放流を始めようとしている日本政府の姿勢も、そんなに胸を張れるものには思えない。 今も気が遠くなるほどの大量地下水や雨水が原発内に入り込み、放射能に汚染されている。 処理水をこれ以上ため続ける訳にはいかない。 その一点の事情に無理やり押されての放出だ。
 原発事故は修復できないほど、豊かな自然を破壊する。 廃炉の道筋も一向に立っていない。 それでいて、なし崩しに各地で再起動の話が進むのも理解しがたい。
 漁業にかかわる人たちは、放出への不安を口にしている。 政府と東電は「関係者の理解」なしには行わないと言ってきた。 話が違うではないか。 

 (以下略すが、以上朝日新聞「天声人語」より一部を引用したもの。)


 引き続き、ネット情報より引用しよう。

 東京電力福島第一原発の処理水放出が始まったことを受け、中国外務省は「強烈な非難を表明する」とした談話を発表しました。
 中国外務省は、福島第一原発の処理水放出が始まった日本時間午後1時すぎ、談話を発表しました。
 この中で「日本政府は国際社会の反対を顧みず、海洋放出を強行した」と非難。「中国政府としてこれに断固とした反対と強烈な非難を表明する」としたうえで日本側に対し、すでに厳正な申し入れを行ったとしています。 
 また、「日本側がこの誤った行動を停止するよう要求した」としています。
 そのうえで「中国政府は食の安全と中国人民の健康を守るために必要なあらゆる措置をとる」として、検疫強化に踏み切る可能性を示唆しています。 

 (以上、ネット情報より引用したもの。)



 本日昼のニュースを見聞していて、この「福島原発汚染水放出開始」のニュースに触れた。

 いよいよ原発汚染水が福島の海に放出され始めたか… との何とも言いようが無い落胆感というのか、“世も末感”にひしがれたものだ。😨 

 未だ“燃料デブリ”(?)も取り出されていない福島原発の今後に渡る想像を絶するほどの後処理期間の長さの行方を思うと、気が遠くなるのは誰しもそうなのだろうが…

 そうかと言って、福島原発に程近い海に放出するとの短絡的な方策がどうなのだろう??
 
 しかも、今後も長い年月に渡って貯め続けられる「福島原発汚染水」の処理を如何に成すかに関しては、誰がかかわったとて苦難な課題であることは理解できるものの…
 中国政府がおっしゃる通り、「食の安全と中国人民の健康を守るために必要なあらゆる措置をとる」として検疫強化に踏み切られたところで、日本政府としては打つ手が無い実態であろう。


 いかも、これ程の困難な「福島原発処理問題」を抱えつつ、未だに「原発推進」せんとしている自民党政権のエネルギー政策方針も信じがたく、実に腹立たしい思いだ!!😡 


 悲しいかな、本日開始してしまった福島原発汚染処理水海洋放出だが。
 今後共、福島原発近県の漁業従事者の皆様の「漁業権」が何らかの救済策にて守られることに期待したいものだ。