原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

集合住宅区分所有者にいつか必ずや訪れる苦悩

2018年07月08日 | 時事論評
 我が独身30歳時に独力で集合住宅(マンションの事だが)一室を購入し、自力で短期間にローンを完済した話題。
 及び晩婚に至った後当該物件を20年間程賃貸運用し、4年程前にリノベーション物件として売却した件は、本エッセイ集バックナンバーにて既に公開している。


 マンション物件とは、定期的に「大規模修繕」を施すのが通常だが、それに伴い発生する巨額費用に関しては、各戸が「修繕積立金」として毎月少なからぬ金額を拠出して積み立てている。
 大規模修繕時には区分所有者による管理組合でその施行に関する詳細に関して話合いが持たれるものの、それ自体を否定する住人はまずいないのが通常だろう。


 ところが、たとえば「エレベーター」の入れ替え等々、区分所有者の負担が超高額とならざるを得ない集合住宅設備の負担金に関しては、管理組合内でスムーズに結論を導くのが困難なものだ。
 この私も、当該独身単独で購入した集合住宅マンションにて、まさに「エレベーター」の入れ替え事案に直面している。
 それは10年程前の事だっただろうか? 区分所有者管理組合内で意見が割れた。 この事案の場合、新規エレベーター入れ替え諸費用総額が ¥10,000,000- を超過したと記憶しているが。
 まず、エレベーターを今、本当に新規入れ替えせねばならないのか? に関する異議も出た。(私自身もその派だったが…)  これに対しては弱者である区分所有者の一部がどうあがいても、当然ながら管理会社の論理が優先されよう。
 結果として区分所有者は「新規入れ替え」に同意せねばならないのがこの世の常だが、さて、その費用負担を如何に成すかに関しても区分所有者間での意見が割れた。
 私は「一時金」で処理して欲しい旨訴えたのだが、残念ながら多数決にて「月々分割負担」で決着してしまった…。  こうなると、その金利負担額が侮れない……

 ただ当該物件は、未だホームセキュリティ等々の全館設備が無い時代に建設された物件だったことが功を奏したとも言える。


 晩婚後、我々一家は様々な事情(娘が公立小学校にて受けた“いじめ”から逃げる目的、等々)により三度(みたび)の集合住宅買い替えを経験している。
 
 その1件目、2件目は、買替までの年数が短かったために設備の老朽化は経験していない。 ただし後で思えば、かなりの金額の無駄な「大規模修繕積立金」を反故にして来ている実態だが…


 現在住んでいる集合住宅が今年で築15年となるのだが、これが我々家族にとっては一番長い“棲家”である。

 2年程前に、大規模修繕を執り行った。
 築13年にして時期尚早!!、かつ、物件建設会社ではない他社企業にも見積りを取るべき!!、と我々夫婦は管理組合で異議を唱え続けたのだが、賛成多数により可決されてしまった……

 そして、今回は「インターフォンセキュリティシステム全面入れ替え」の管理会社からの提案だ。
 何でも、何処かの住居でそれが壊れているとの説明だ。 これが昭和時代に建設された物件ならば、各戸で対応すれば済んだ話だろう。
 ところが現在の集合住宅とは、一階玄関にオートロックを配備しての全館トータルでの警備システムと相成っている。
 この事案に関しても、私は「異議」を訴えたかった。 どうにかして全館設備入れ替えではなく、故障している住居対応で済ませられないものかと…
 ただ、亭主の考えは違った。 「今回の場合、全館総合セキュリティーシステムを採用している故に、各戸修理は無理だろう。 これは管理会社の意向に従うしか無い」

 その費用負担とは、全戸合計額で ¥5,000,000- 也。
 一戸に換算すると、何十万円にも上る金額だ。

 ほんとかよ……
 と思いつつも、今回は亭主の意見に同意した。
 と言うのも、娘が社会人として成長している暁に於いて、まさか今後は「いじめ」が理由で転居せずに済むのであろうし…… 
 我々一家は亭主が将来高齢者施設に入居した後も、母娘でこの集合住宅に住み続けるのであろうとも判断する故だ。


 ただ、一戸建てにお住まいの皆様にもご苦労はおありだろう。

 極端な事例だが、現在未だ「大雨特別警報」が発令され続けている地域の皆様の行く末は如何なものなのだろうか??

 などとテレビ映像を見せられて想像させられるのが、全ての国民の自宅建物物件に於ける危機の実情でもあろうか。