原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

タイ洞窟少年13名無事救出劇、私は母の思いで見守った…

2018年07月12日 | 時事論評
 西日本豪雨の土砂災害被害が拡大し、犠牲者が200人近くに上っている。
 ライフラインも壊滅状態、それに拍車をかけるかのようなこの猛暑の中の土砂撤去作業の過酷さをテレビ映像で見るにつけ、豪雨被害が無かった地方に住む力無き私は、ただただ申し訳無く思うしか方策が取れないでいる。
 まだまだため池決壊被害等々発生の危険性もある中、被災者の皆様はどうかご自身の身の安全を確保されつつ、行動されますように。


 この西日本豪雨と時期を同じくして、タイではサッカー少年達13名が洞窟の奥に取り残されるとの事故が発生した。
 早速以下に、最新情報をネットより2本引用して紹介しよう。

 6月23日にタイで発生した洞窟事故。 行方不明になった地元のサッカー少年とそのコーチら13人はその後、洞窟の奥深くで無事に発見され、10日までに13人全員が救出された。
 しかし、その救出にはさまざまな困難が立ちふさがったのもまた事実で、8日には救助活動をしていたダイバーが一人亡くなっている。
 英国BBCなどの報道によると、この事故は2018年6月23日、タイ北部のチェンライにあるタムルアン洞窟で起きた。
 この日、地元のサッカー少年とそのコーチら13人が洞窟を訪れ、中に進入。 この洞窟は現地でも有名であり、彼らも2年前に訪れたことがあったという。
 しかし、いまの時期は雨季にあたり、現地は大雨に見舞われていた。 彼らが入ったときにはなんともなかったようだが、やがて洞窟内に雨が流れ込み、一部が水没。 彼らは閉じ込められてしまった。
 その後、タイの救助隊や世界各国からボランティアでやってきたダイバーらの決死の捜索活動により、7月2日には13人全員が、洞窟の奥深くで生存していることが確認された。
 しかし、次の問題は彼らをどう救出するかだった。 彼らがいる場所は入り口から約5kmと遠く、また洞窟内は依然として多くの箇所が水没していること、さらに洞窟内には人ひとりがやっと通れるくらいの狭い箇所もあり、プロのダイバーでも片道5時間ほどかかるうえに、多くの危険が伴うという。 先述したように6日には救出活動に当たっていた元タイ海軍のダイバー1人が亡くなる事故も起きている。
 遭難した子どもたちにはダイビングの経験がなく、体力が落ちていることもあって、すぐの救出は困難だとされた。
 一方で救出までの時間が長引くと、彼らの健康状態が悪化したり、さらなる雨によって救助がさらに難しくなる可能性もあった。
 事故現場では、水の排出作業が進んだことなどから、子どもたちにダイビングの技術や装備の使い方を教えるなどした上で、プロのダイバーが付き添いながら泳いで脱出させる計画が始まっていた。 日本時間10日7時の時点で8人が無事救出されており、その計画も順調に進んでいた。

 地元サッカーチーム、ワイルド・ボアーズ所属の11歳から17歳の少年12人と25歳のコーチ1人の13人が、タムルアン洞窟に閉じ込められてから18日目に全員救出された。
  ワイルド・ボアーズの13人は6月23日の練習後、17歳になる選手の誕生日を祝おうとお菓子などを持参して洞窟に入ったという。 その日、豪雨が一帯を襲い洞窟は水浸しになった。 家族は安否を気遣い、当局が捜索に当たると洞窟の入り口付近で少年らの自転車が発見された。
 洞窟は奥に進むと水没し、暗い水中で通路を探るのは非常に難しく、1週間以上も捜索が続いた。関係者が希望を失いかけていたところ、9日目に2人の英国人ダイバーがついに少年らを発見した。
 人数を尋ね、13人と確認すると「ベリー・グッド」と何度も歓喜を表して「君たちはとても強い子だ」と励ました。 複雑な構造の洞窟の中での奇跡的な発見に、心配していた家族らは歓声を上げた。 ニュースは世界を駆け巡り、救出への祈りが国境を越えて広がっていった。
 少年らが9日間も無事だったのは、サッカーで鍛えられたチームワークや精神力、そして誕生祝いのために持ち込んだ食べ物をコーチが計画的に配給したことがある。 発見当時、コーチは自分が食べるのを控えて子供たちに与えたため最も衰弱していたという。
 その後、物資などを届けに来たダイバーにコーチは少年らの家族に宛てて書いた謝罪の手紙を託した。ただ、現地ではコーチらの責任を追及する声はあまりないという。 
 残念なことに、洞窟での救出活動中に元タイ海軍特殊部隊員の38歳のボランティア男性が酸欠死した。自らの犠牲をいとわず一つになって少年らを救おうとする現地の姿に、世界各国から声援と協力が寄せられた。
 タイのダイバー40人のほか、各国から50人のダイバーが集まり救出に当たった。 少年らに酸素マスクを着け水中でダイバーが帯同する救出作業が8日から始まったが、途中には酸素ボンベを背負って通過するのが不可能な狭い箇所があり、ダイバーが少年の空気ボンベを抱えて潜り抜ける困難な作業だった。
 救出のニュースで世界が歓喜に包まれた。 ただ、熱帯モンスーン気候の雨期に洞窟が浸水する危険は予測できたはずだ。 ナロンサク県知事は今回の事態を教訓として再発防止を呼び掛けている。
 (以上、ネット情報より2本連続して引用したもの。)


 私見に入ろう。

 この救出作業に於いてダイバーの犠牲者が1名出ていたことを、私は上記ネット報道にて初めて知った。 タイ地元のダイバーらしいが、そもそもダイブ技能は優れていたのだろうか?
 海外より救出作業に加わったダイバー達は、国際的にも著名な“洞窟探索遍歴”が豊富なダイバー達だったらしいが、それに比し、もしも地元ダイバー氏が自らのボランティア精神を優先しての行動だったとするならば、無念さが残る…   とにかく、ご冥福を祈ろう。

 このタイ洞窟事故、発生当初はメディア上に “救出絶望的” の文字が躍っていた記憶がある。
 その最悪の結論が大きく覆ったのは、まさに諸外国のベテランダイバー達が救出行動を起こした事による。
 上記情報内にも記されているが、一番最初に外国人ベテランダイバーが少年達を発見した映像は世界に流れたことであろう。 
 この私も、あの映像を感激しつつ視聴した。
 とにかく少年達が予想より元気そうだった事に、どれ程安堵したことか。
 しかもビデオ撮影しているダイバーの要望に応じて、比較的元気な少年一人一人がカメラの前で一言メッセージを述べたり、ピースサインを送ったりしてくれる。
 こんな奇跡が起こり得るものと、世の不可思議感・ミラクル感を抱される程だった。 まさに、最初に少年達を発見した外国人ベテランダイバー達の勇気ある行動の快挙であろう。

 特に、何とも可愛らしい少年達の笑顔や言葉、ピースサインが我が母心を揺さぶった。
 あの日から私はまるで彼らの母親になった気分で、ニュース報道を見守りつつ13名全員の洞窟からの救出を待ち望んだ。

 まず第一弾として体力ある4名の少年達が救出されたとの報道に接した時には、それに感激しつつも、(“母”の立場としては)洞窟に残された少年達の安否こそを懸念した。(何分、もしも我が娘がその場にいたならば、間違いなく“後に残される”身だっただろうし……
 何でも洞窟内の酸素濃度が低下しているとの情報に加え、洞窟内のコウモリの糞ウィルス感染も考えられるとの報道だ。 しかも、今後も少年達の健康度が高い順に救出するとの方針のようだ。

 早く次なる救出報道を確認したいと思っていたら、それは2日後に叶えられた。 
 我が記憶によれば、第二弾も4名の少年達が救出され、洞窟に残されたのは後5名との報道だ。
 またもや救出された少年達よりも、洞窟に残されたコーチを含めた5名に心を及ばせていたところ。

 一昨日だったか、「13名全員無事救出」なるニュース報道を見た時には、我が目から涙が溢れ出た。
 こんな嬉しいニュースは久々の事だった。 まさに奇跡的だろうし、“母なる願い”とは通じるものと実感した。

 確かにこの事故、今後の課題も多い事だろう。
 宗教国タイとはいえども、ネット情報が記載している通り、今後は子供の身の安全を保障するべく大人達こそが行動するべきだ。 おそらく当該洞窟は閉鎖される運命にあろう。

 ただ、今回のタイ洞窟事件で“いの一番”に少年達救出に向け活躍した国際的ベテランダイバー達の業績こそが褒め称えられるべきだろう。
 もしかしたら、今年の「ノーベル平和賞」候補か??
 と、母なる立場で世界の末端・片隅から少年達の救出を願い続けた私は推奨したいのだが、どうだろうか???