今、私のスピーカーからプッチーニの歌劇「蝶々夫人」から第1幕の音楽が流れている。
ミレッラ・フレーニの蝶々さん。ホセ・カレラスのピンカートン。テレサ・ベルガンサのスズキ。ジュゼッペ・シノポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団による1987年録音のドイツグラモフォン盤。
今シーズンのフィギュアスケートの浅田真央さんのプログラムが発表された。フリーは歌劇「蝶々夫人」の音楽。
この情報は、このオペラを愛する私をどれだけ私を喜ばせたでしょうか!
2012~2013年のシーズン、浅田真央さんはフリーでチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の音楽に乗って見事に、この傑作バレエの世界を、そして見事に氷上でオデットとオディールの2役を演じきってくれました。
そして今シーズンはオペラである。それも「蝶々夫人」である。氷上で、どんなドラマを表現してくれるのか今から楽しみでたまらない。
さて歌劇「蝶々夫人」と言うと誰もが、あの有名なアリア「ある晴れた日に」を知っていると思います。
しかし、このオペラは全2幕、演奏時間が約2時間20分の長大なオペラなのである。
1900年、歌劇「トスカ」がイギリス初演された時、ロンドンに招かれたプッチーニはデーヴィッド・ベラスコの戯曲「蝶々夫人」を観劇し、たいへん感激する。そして次の作品の題材に「蝶々夫人」を選んだ。
イタリアに帰国後、これまでプッチーニのオペラの台本を手掛けたジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イッリカとオペラの制作を開始。
またプッチーニは当時、日本大使夫人の大山久子に再三会って日本の事情を聞き、民謡など日本の楽譜を調べたりして日本の雰囲気を出そうとする。
1904年2月17日、ミラノ・スカラ座にて世界初演。しかし大失敗。
当時ヨーロッパではジャポニズムが流行していたとは言え、すぐに受け入れられるには、この作品はあまりにも当時のオペラからは、かけ離れたものがあったのかもしれません。
しかし、プッチーニはこのオペラを見放さなかった。何度か改訂を重ね現在の形になる。
私は1904年ミラノ初演版による演奏のCDを持っていますが、第1幕の結婚式では蝶々さんの親戚が活躍し、第2幕では蝶々さんとピンカートン夫人ケイトと激しいやりとりがあり、ピンカートンが歌う「さらば愛の巣」はありません。また第1幕の蝶々さんの登場や愛の2重唱のメロディも現状と違うものがあり興味深いものがあります。
舞台は明治時代の長崎。
長崎に寄港していたお気楽?アメリカ海軍中尉ピンカートンは芸者の蝶々さんと結婚する。
そして時は流れ、ピンカートンがアメリカに帰国して3年。
待って、待って、やっとピンカートンを乗せた船が入港。
しかしピンカートンとの間に生まれた子供と女中のスズキと3人待ち続けていた蝶々さんですが、そこにはアメリカで結婚した夫人ケイトを伴ったピンカートンの姿。
スズキから蝶々さんがどんなに彼の帰りを待ち続けていたか聞かされたピンカートンは自責の念からか逃げるように立ち去る。
そして蝶々さんはピンカートン夫人に会って全てを悟り、子供に別れをを告げて、自殺を図る。遠くから「蝶々さん」と叫ぶピンカートンの声を聞きながら・・・。
歌劇「蝶々夫人」はドラマである。
第1幕は愛の喜び。
そして第2幕はひたすら待ち続ける蝶々さん。そして絶望、悲劇的な最後。
ひたすら蝶々さんの死へ突き進んでいく緊迫したドラマである。
そして、そのドラマと一体になって進んで行く、時には美しく抒情的、そして時には激しいプッチーニの音楽。
私が初めて歌劇「蝶々夫人」の全曲レコードを手にしたのは大学生の時。3枚組のレコード。
1枚目のA面。いよいよ歌劇「蝶々夫人」の開幕の音楽。
どんな異国情緒あふれた音楽が流れてくるのだろうかと思っていましたが、第1幕冒頭に流れてきたのは蝶々さんの運命を暗示するような激しい音楽。本当に驚いた。あの衝撃は今も忘れられない。
第1幕の最高の聴きどころは、やはり大詰めの蝶々さんとピンカートンによる2重唱「夕暮れはせまり」でしょう。
これ以上ないと思うくらい甘く美しい2重唱。
この美しい2重唱を聴いている時、既に私は蝶々さんの悲劇的な最後を当然知っているだけに、何か胸が締め付けられるような思いになります。
また私が、いつも胸を締め付けられるのは第2幕第2場、一晩中、寄港したピンカートンを待っていた蝶々さん。しかし彼は彼女の元には帰ってこなかった。そこで蝶々さんが子供に歌う子守歌は何度聴いても本当に涙が出ます。
おやすみ、かわいい坊や、
私の胸でおやすみ。
お前は神様と、
私は苦しみと一緒。
金の星の光は
お前のもとに。
坊や、おやすみ。
浅田真央さんがシーズンのプログラムを発表しただけで盛り上がっている私。
先が思いやられますな。
本当に申し訳ございません。
第1幕の大詰めの2重唱。私の大好きなアンジェラ・ゲオルギューが蝶々さんを歌っています。ピンカートンを歌っているのはゲオルギューの元亭主のアラーニャ。
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ミレッラ・フレーニの蝶々さん。ホセ・カレラスのピンカートン。テレサ・ベルガンサのスズキ。ジュゼッペ・シノポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団による1987年録音のドイツグラモフォン盤。
今シーズンのフィギュアスケートの浅田真央さんのプログラムが発表された。フリーは歌劇「蝶々夫人」の音楽。
この情報は、このオペラを愛する私をどれだけ私を喜ばせたでしょうか!
2012~2013年のシーズン、浅田真央さんはフリーでチャイコフスキーのバレエ音楽「白鳥の湖」の音楽に乗って見事に、この傑作バレエの世界を、そして見事に氷上でオデットとオディールの2役を演じきってくれました。
そして今シーズンはオペラである。それも「蝶々夫人」である。氷上で、どんなドラマを表現してくれるのか今から楽しみでたまらない。
さて歌劇「蝶々夫人」と言うと誰もが、あの有名なアリア「ある晴れた日に」を知っていると思います。
しかし、このオペラは全2幕、演奏時間が約2時間20分の長大なオペラなのである。
1900年、歌劇「トスカ」がイギリス初演された時、ロンドンに招かれたプッチーニはデーヴィッド・ベラスコの戯曲「蝶々夫人」を観劇し、たいへん感激する。そして次の作品の題材に「蝶々夫人」を選んだ。
イタリアに帰国後、これまでプッチーニのオペラの台本を手掛けたジュゼッペ・ジャコーザとルイージ・イッリカとオペラの制作を開始。
またプッチーニは当時、日本大使夫人の大山久子に再三会って日本の事情を聞き、民謡など日本の楽譜を調べたりして日本の雰囲気を出そうとする。
1904年2月17日、ミラノ・スカラ座にて世界初演。しかし大失敗。
当時ヨーロッパではジャポニズムが流行していたとは言え、すぐに受け入れられるには、この作品はあまりにも当時のオペラからは、かけ離れたものがあったのかもしれません。
しかし、プッチーニはこのオペラを見放さなかった。何度か改訂を重ね現在の形になる。
私は1904年ミラノ初演版による演奏のCDを持っていますが、第1幕の結婚式では蝶々さんの親戚が活躍し、第2幕では蝶々さんとピンカートン夫人ケイトと激しいやりとりがあり、ピンカートンが歌う「さらば愛の巣」はありません。また第1幕の蝶々さんの登場や愛の2重唱のメロディも現状と違うものがあり興味深いものがあります。
舞台は明治時代の長崎。
長崎に寄港していたお気楽?アメリカ海軍中尉ピンカートンは芸者の蝶々さんと結婚する。
そして時は流れ、ピンカートンがアメリカに帰国して3年。
待って、待って、やっとピンカートンを乗せた船が入港。
しかしピンカートンとの間に生まれた子供と女中のスズキと3人待ち続けていた蝶々さんですが、そこにはアメリカで結婚した夫人ケイトを伴ったピンカートンの姿。
スズキから蝶々さんがどんなに彼の帰りを待ち続けていたか聞かされたピンカートンは自責の念からか逃げるように立ち去る。
そして蝶々さんはピンカートン夫人に会って全てを悟り、子供に別れをを告げて、自殺を図る。遠くから「蝶々さん」と叫ぶピンカートンの声を聞きながら・・・。
歌劇「蝶々夫人」はドラマである。
第1幕は愛の喜び。
そして第2幕はひたすら待ち続ける蝶々さん。そして絶望、悲劇的な最後。
ひたすら蝶々さんの死へ突き進んでいく緊迫したドラマである。
そして、そのドラマと一体になって進んで行く、時には美しく抒情的、そして時には激しいプッチーニの音楽。
私が初めて歌劇「蝶々夫人」の全曲レコードを手にしたのは大学生の時。3枚組のレコード。
1枚目のA面。いよいよ歌劇「蝶々夫人」の開幕の音楽。
どんな異国情緒あふれた音楽が流れてくるのだろうかと思っていましたが、第1幕冒頭に流れてきたのは蝶々さんの運命を暗示するような激しい音楽。本当に驚いた。あの衝撃は今も忘れられない。
第1幕の最高の聴きどころは、やはり大詰めの蝶々さんとピンカートンによる2重唱「夕暮れはせまり」でしょう。
これ以上ないと思うくらい甘く美しい2重唱。
この美しい2重唱を聴いている時、既に私は蝶々さんの悲劇的な最後を当然知っているだけに、何か胸が締め付けられるような思いになります。
また私が、いつも胸を締め付けられるのは第2幕第2場、一晩中、寄港したピンカートンを待っていた蝶々さん。しかし彼は彼女の元には帰ってこなかった。そこで蝶々さんが子供に歌う子守歌は何度聴いても本当に涙が出ます。
おやすみ、かわいい坊や、
私の胸でおやすみ。
お前は神様と、
私は苦しみと一緒。
金の星の光は
お前のもとに。
坊や、おやすみ。
浅田真央さんがシーズンのプログラムを発表しただけで盛り上がっている私。
先が思いやられますな。
本当に申し訳ございません。
第1幕の大詰めの2重唱。私の大好きなアンジェラ・ゲオルギューが蝶々さんを歌っています。ピンカートンを歌っているのはゲオルギューの元亭主のアラーニャ。
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