オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

鈴木明子さんの新刊「壁はきっと超えられる」を読んで

2014年09月05日 12時54分51秒 | 鈴木明子さん
鈴木明子さん著の新刊「壁はきっと超えられる」を読み終える。
読んでいて鈴木明子さんがご自身の生き様や心情を、私に直接、懇々と語ってくれているような気がしました。
フィギュアスケートの選手として、けっして若くとは言えない年齢での2度のオリンピック出場を果たした鈴木明子さんの凄さを、ほんの一部かもしれませんが、この新刊から知ることができます。
年齢を重ねていっても、前向きな心の持ち方、向上心、そして、おそらく壮絶であったと想像できる練習量が鈴木明子さんを、ここまで支え、心のよりどころにしていたのは間違いないでしょう。
そしてフィギュアスケートにとって一番、大切なのは、やはり「練習」
その「練習」の大切さを懇々と語っています。

「フィギュアスケートは、練習量の差が実力に直結する競技だといえます。どんなに素質があっても、一日四時間しか練習せずに、八時間練習する選手の上にいくのは、経験上不可能だと言えます。」

この本には、鈴木明子さんが、よく「この子を浅田真央真央さんみたいにしたいんですが、週に何回(スケートクラブに)通わせたらいいのですか?」という質問を、スケートを習っている子供さんの親から、よくされるされることが紹介されていますが、鈴木明子さんの答には目が覚めるものがあります。

「申し訳ありませんが、浅田真央さんにはなれません」
「真央さんを目指すなら、才能をどうこう言う以前に、毎日死にもの狂いでフィギュアスケートの練習に取り込む覚悟が必要です。週に何回程度の意識では、真央さんの足もとにもたどりつけません。厳しいようですが、これが現実なのです。

職業人として、おそらく終焉に、さしかかっている私が、一番、胸にさされた一節。

「目標には必ず責任と覚悟が伴います。それゆえに目標を掲げたときは、成功の可能性がたかまるのです。
逆に、責任も覚悟もないままただ目標だけを決めても、それはあまり意味がないでしょう。
ましてや、こうなりたいという自分の願望をただ念じていたり、紙に書いたものを眺めていたりするだけで、それが現実になるとは私には思えません。
(略)
ジャンプが跳べるようになるには、跳べるまで練習する。それが、どんなにつらくくるしいことであっても、ほかに道はないのです。」

責任と覚悟。
私にも、いろいろと目標というものが示されています。売上目標、販売目標、利益目標など・・・いろいろと。
しかし本当に今まで、これらの目標に対して真摯に立ち向かっていたか?流されっぱなしだったのでは?死にもの狂いで目標に向かって仕事をしてきたのか!
節目の年齢を数年後に控えて、改めて考えさせられ、これから数年間、自分は何が出来るのか?いや、何をやらなければいけないのか自問自答するものがあります。

最後に御本人は振付師という夢が、あるようですが、私は、やはり指導者として、我が国のフィギュアスケート界を引っ張ってほしいと言う気持ちが強い。
あとがきの一節。

「ジャンプの技術などを指導できる人は、すでにたくさんいると思いますが、自分の気持ちをスケートを通じて観客に表現するにはどうしたらよいのかを、きちんとしたメソッドで教えられる人はまだそれほど多くないので、私がそれを出来るようになれば、これまでお世話になったスケートに、多少なりとも恩返しできるかもしれません。」

今日は久し振りに、録画で昨年の全日本選手権での鈴木明子さんの演技を見ることにしましょう。



壁はきっと越えられる ―夢をかなえる晩成力




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