水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

忘れるユーモア短編集 (95)組み立て 

2020年07月18日 00時00分00秒 | #小説

 皆さんも、よくご存じだろうが、小、中学生の頃、運動会で組み立て体操という競技種目があり、それに出られたことと思う。集団の体操演技だから、一人がズバ抜けて優(すぐ)れていたとしてもダメな訳だ。要は、全員が上手(うま)く体操演技をすることによって、美しく他の人の目に映るのである。このことは、なにも体操演技に限ったことではない。社会で働く私達にとって、あらゆることに、この組み立てという過程[プロセス]は必要になって来るのである。美味(おい)しく食べるにも、料理のレシピという組み立てが必要になるのだ。例(たと)えば新ジャガ[新しいジャガイモ]なんかでも、皮を剥(む)いて生のまま食べるというのもいかがなものかと思える。まあ、無理をすれば食べられなくもないのだろうが、不味(まず)いだろう。^^ そこはそれ、蒸す→軽く塩コショウ→パターという組み立てを経て美味しく食せるというものである。^^
 とある市役所のとある課である。
「例年の予算支出の組み立て方だと、こんな特別事項は起こらんからな…」
「やはり専決[専決処分]ですか? 課長!」
「ああ、やむを得んな…。議会の議案が一本、増えるが…」
「議案・第○号、専決処分事項の承認を求めることについて・・ですね?」
「ああ…次の議会でなっ」
「民間のように、必要の不可欠で組み立て支出をしたり、減額したり出来ればいいんですけどね…」
「ははは…そこが官公庁の堅くていいところでもあり、融通が利かない悪いところでもある訳さ」
「ところで、今日のお昼はどうなさいます?」
「ははは…その点は、チャ~~ンと組み立ててあるんだ。朝は軽く済ましてきたからなっ!」
「その組み立てパターンだと、ひつまむしですねっ?」
「当たりっ!」
 二人は笑顔でファイルを閉じ、席を立った。
 このように、組み立てもピンからキリまでいろいろとある訳だ。サッカーの攻撃、模型作りetc.世の中の諸事で組み立てを忘れてはならないことは明明白白(めいめいはくはく)である。^^
 
                                     


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