ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

さえない党首討論

2011-02-10 10:10:14 | 社会

菅総理になってからの始めての党首討論が行われた。しかし、あまり意味の無いものだったと思う。マスコミは菅総理の筋の通らなさを指摘して野党に軍配を上げる論調だが、私の印象はちょっと違っている。

菅総理があの程度の人物だということは既に分かっており、民主党の当初の公約とはずれてきたし、党内をまとめるのにも苦労しながらなんとか前に進めようとしているというのは予測されたことである。従って党首討論を聞いて菅総理の株が上がったということは無いが、下がったということも無い、予想されたレベルであった、という感じがしている。

自民党の谷垣総裁に関しては少し違った目で私は見ていた。つまり、自民党に戻れば今より良くなりそうかどうか、ということを知りたい、という感じがある。その意味では何らかの形で建設的な意見が出るかと期待していたが、建設的な意見はゼロだったと思っている。従って私にとっては谷垣総裁のほうが事前の期待値に比べて株が下がった、という感じがしている。これは谷垣総裁のほうがマスコミへの露出が少ないので改めて確認して谷垣総裁も大したことは無い、という印象を持ったということである。

谷垣総裁にとってはチャンスを逃した、と私は思っている。昨日の党首討論は「菅総理よりも谷垣総裁のほうが良い」ということを印象付けるチャンスであったのにそのチャンスを逃したと私は思っている。

消費税増税はもともと自民党が言っていたことである。それに政府が歩み寄ってきたのだから、本来なら歓迎のはずである。「増税しない」といって選挙で勝って、政権を取ったら今度は「増税する」というのはずるい、というのはその通りである。しかし、選挙の時に「増税しない」がどれほどの争点になっていたか、その後国民がなぜ民主党を見限ってきているか、という点について「消費税に対する意見を変えた」というのがどの程度重みがあるかと言えばわずかなものだろうと思う。国民がそれほど重みを感じていない点をついて解散を迫っても国民の心には訴えない。他にたくさん失敗をしているのだから攻めるところはいくらでもあるはずだと思うのに、というのが私の意見である。

民主党はマニフェストを見直すべきだ、というのはその通りである。その見直しの中で消費税論議はむしろ受け入れられる部分だろう。問題はむしろ子供手当や高速道路無料化などのバラマキ政策に対して、事業仕分けで無駄を省けば財源は出ると言っていたのが全然足りずに財政が急速に悪化している点にある。この点を突いた議論をしてほしかったと思う。

 


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