ウィトラのつぶやき

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安倍総裁の金融緩和策

2012-11-21 07:17:32 | 経済

国会が解散して、自民党の安倍総裁が大胆な金融緩和策を打ち出した。2-3%のインフレターゲットを実現するための日銀の無制限の金融緩和である。日銀が建設国債を引き受ける、というような発言も出ている。これに対して野田総理は「禁じ手だ。借金は借金。国の借金を増やす行為だ」としている。

この点に関しては専門家でも意見が割れているようだが、私にとっては今一つピンとこない。それは日銀と連動した政策側の動きが見えないからである。基本的には今の日本は将来の見通しが明るくなく、投資意欲が少ないのが問題だと思っている。日銀はこの問題に解決策を与えることはできず、需要のほうは政策で実施しなくてはならない。安倍総裁は建設国債と言っているので一昔前のように土木工事をやるつもりだろうか。

震災からの復興のために、東北地方に高速道路を引いたり、街に高層ビルを建てたりすることを政府の補助金で行うことはできる。それで東北地方が活性化し、税収も増えるという経済循環になるなら成功である。しかし、それをやっても、さっぱり東北地方に人が集まらず、工事をしただけならば国の赤字が増えることになり、ギリシャのような状態になる。どちらかというと後者の方向に行きそうな気がする。日銀が建設国債を買うということは円の価値がそれだけ下がることを意味しており、国民全員で負担することになる。それならばうまく行く、というストーリーにはどうも納得できないものがある。

経済を活性化するお金の使い方が見えない中で金融だけを緩和するのは問題だと思う。

市場は反応して円安、株高に振れた。今後自民党が実体経済に対して何か思い切った政策を出してくるのかどうか、見ていきたいと思う。


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