ウィトラのつぶやき

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日本の存在感は世界で何位くらい?

2014-03-01 12:31:01 | 社会

日本はかなりの期間世界第2位の経済大国だったが2012年に中国に抜かれて3位になった。2012年末ではわずかな差だったが、2013年のGDPランキングでは30%くらいの差が付いていると思う。その主な理由は為替の変動である。円は対ドルで20%程度下がったのに対して元はむしろ上がっている。更に成長率の違いがあり、多分30%くらいの差が付いているだろうと思う。

それでもまだ、世界3位の経済大国であることには変わりは無い。今日話題にしたいのは経済規模ではなく世界での存在感である。存在感を測定した結果は無いので主観に頼るしかないのだが、殆どの人が「日本は3位より下」だと思うだろう。私の感覚ではドイツ、イギリス、フランス、ロシアより下、インドよりも下かな、という感じである。

経済力は存在感の大きな要素であるにも関わらず、なぜこういった印象を持ってしまうのか? それは世界的課題に対して世界的視点でものを言わないからだと思っている。G7やG20といった世界の首脳が集まる場でも、「世界はこうあるべき」という発言はほどんどしない。せいぜいが極めて常識的な発言か「日本はこう対応する」といった程度の発言である。ウクライナ問題、シリア問題、サイバーテロ問題、日本に直接関係しない限りまず発言しない。

発言しないのは国家としての哲学がないからだと思う。日本という国は何を良いとして何を悪いとするかという基準がない。戦争は良くないとかいう常識的なことは別として、メリットとデメリットがある大部分の問題に対して判断基準を持っていないから発言できないのだと私は思っている。結局自分の損得にかかわる問題だけについて発言することになる。

私が長く出席していた標準化会合でもこういう人はいる。自分の会社の利害関係がない問題に関しては全く発言せず、利害関係のある問題についてだけ主張をする。こういう人は周りから信頼されず、議論の中心にいることはできない。説得の対象になるだけである。議論の中心になる人はシステム全体を良くするにはどうするかについて日頃から発言しており、気が付くと自分の会社の主張をうまく入れているような人である。会社の意見を統一するには時間がかかる。キーパーソンは会社の見解を発言するだけでなく、自分の判断で発言していることも少なくない。それは会社の大きな方針を理解しているからである。

日本国内には色々な意見がある。意見をまとめやすい政党ですら、なかなか意見をまとめきれない。税金は安く、産業も強い、福祉も充実して落伍者はいない。そんな夢のようなことばかり言っていてネガティブなことは何も言えない雰囲気が方針のなさにつながっていると思う。

競争を重視するアメリカ型か、福祉を重視する北欧型か、それとも独自の価値観を打ち出すか、せめてそれくらいは国民的議論をするべき時期に来ていると思う。



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