ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

日本式ベンチャーファンド

2009-07-20 09:24:09 | 経済
最近、私のもう一つのブログ、「ウィトラの眼」のほうのアクセスが増えている。

「ウィトラの眼」では情報通信白書の内容を紹介していて、その内容が面白いところに差し掛かってきたからではないかと思っている。 最近の話はアメリカではどんどん新しい企業が出てくるのに、日本ではなぜ出ないか?アメリカのベンチャーの起業家は理科系が大半なのに日本ではほとんどが文科系である、などの話である。

その大きな要因として白書はアメリカの起業家を助けるエンジェルファンドの存在をあげている。 確かに、アメリカには新しいチャレンジをサポートする社会風土があり、日本では足を引っ張るような社会風土があるような気がする。

そう思っていたところ、今朝の日経新聞に官民共同のベンチャーファンドができる、という記事が出ていた。 しかしよく読むと、1000億円のファンドのうち9割以上は政府の出資であり、民間は大手の企業が1社5億円ずつの出資ということである。 なんとなく、役人の天下り先作りのためにファンドに民間がつきあわされたような感じを持つ。

日本の場合、ベンチャーがうまくいかないのは資金の問題もあるが、それよりもむしろ起業家がビジネスを知らない、という面が大きいように思う。

したがってファンドが出資する場合には、出資とともに財務担当責任者を派遣するような体制が不可欠だと思うのだが、そのような人材の手当てはできておらず、財団の理事長の知り合いの大学教授などが怪しげなベンチャーを立ち上げ、返さなくてもよい資金なので散在してつぶれてしまい、何年かのちに野党の非難の的になる、というストーリーが見えるような気がする。

やはり、この種のファンドは身銭を切って、そのベンチャーが失敗したら痛みを感じるようでなくてはうまくいかないように思う。

そのためには余剰資金を持っている人が不可欠なのだが、日本ではまだベンチャーマインドを持った富豪が育っていないように思う。 それでもチャレンジを促すには政府系のファンドを作るよりも、ベンチャーファンドの対する投資の税制上の優遇措置などをするほうが効果があるように思う

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