中国のPC最大手レノボG(聯想集団)が、早ければ年内にも世界シェアで、
米ヒューレット・パッカード(HP)を抜き、世界最大のPCメーカーとなる見通し
であると、アナリストの分析が報じられています。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120716-00000022-reut-bus_all
この分析が、実現すれば、中国企業がハイテク分野で、世界首位の座を獲得
するのは初めてとなります。
同社は、IBMから買収したノート型パソコン「シンクパッド」などを販売。
中国のハイテク企業は、積極的な価格攻勢、海外企業の買収、国内市場の
急成長を背景に、海外市場で急速に存在感を増しています。
ただアナリストは、レノボについて、利益率を犠牲にしてシェアを急拡大して
いると指摘。国内のPC販売鈍化やタブレット型PC市場で競争激化が課題に
なると指摘しています。
レノボ株を保有するアバント・キャピタル・マネジメント(香港)のエグゼクティブ
ディレクター、フレデリック・ウォン氏は「レノボが世界首位になるのは時間の
問題だ。年内にそうなっても驚きではない」としながらも、タブレットPC市場の
競争激化やPC販売の低迷が業績を圧迫する可能性があると指摘しました。
レノボは、2011年第3四半期にパソコン販売で世界2位となりました。
調査会社IDCによると、4~6月の世界シェアは14.9%で、首位のHP
(15.5%)との差はわずか0.6%ポイント。
調査会社ガートナーの調べでは、両社の差は0.2%ポイントとなってます。
通信機器の分野では、現在世界2位の華為技術が2011年にスウェーデンの
エリクソンを抜き、世界首位に躍進するとみられていたが、通信市場の低迷、
携帯電話端末の競争激化、米国市場の開拓難航で実現しませんでした。
レノボは2005年にIBMのPC事業を買収。その後も独メディオン買収や
NECとの合弁設立などを通じて事業を拡大しており、株価は年明けの水準
から約16%値上がりしています。
PCは、高スペックを求めない限り、日本製であろうが、中国製であろうが、
製品のライフサイクル(数年使用で買い替え)を考えると、ほとんど差が無く
PCパーツ調達や完成品であるPC製品を作る製造コスト、人件費を考えると
レノボの快進撃も頷けます。
ただ、シェア1位となっても、独走続けるかは、技術のブレークスルーが必要
だと、思っています。
いづれにせよ、レノボの今後のPC戦術に注目です。