「横浜ザル」の株式投資独り言

株式投資等で資産形成を目指し、ゴールは超億万長者!?
経済動向や日経平均の将来分析、投資銘柄のメモや雑感を綴ります。

原油高抑制で経済リスクを回避せよ!

2008-05-18 22:47:24 | 役立つ投資情報

08/3月決算ピークを越えると、企業業績への関心は、今期09/3月業績見通し
に向かいます。今期の見通しが7年ぶり減益(日経5/17:今期経常益5.8%減)に
なるとのプレスやシンクタンクリリースを見ると相場の行方や如何にと、投資をする
人だけでなく、広く経済人として関心が向かいますね。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS2D1602H%2016052008

株式相場が企業経営によって生じた付加価値、バリューを生み出す結果と見れば、
株価は、半年先を診るモノサシですから、成長性に待ったをかける「3重苦」がある
とすれば、この原因を抑えることができて、先行きに明るさも出てきます。

「サブプライム問題の余波」「原材料高」「円高」の「3重苦」スパイラル。

03年から企業業績の増益基調に黄色信号となれば、雇用/賃金の悪化(賃金は、
増えてないと諸兄の声が・・・)し、個人消費が停滞、さらに業績の悪化を招く恐れ
のある負のスパイラル。救いは、新興諸国の経済成長による外需の活発で、私も
どちらかと言えば、「デカップリング論」を支持する横浜ザルであります。

この「3重苦」どれも重要ですが、日曜の夕方は、「原材料高」にスポットを当てて

みたい。鉄鋼業界は、鉄鋼石65%、石炭300%値上げを受け、鋼材価格の値上げ
交渉を自動車メーカーと行い、どうやら30%強の値上げ(8万円/t→10万円台/t)
で調整しているようですね。
上流メーカーの値上げが下流に降りてきて、最終製品の価格に転嫁できない競争が激しい

業界、「コスト増を上回るCDに知恵を絞れ」と言っても、自動車も値上げ
するのでしょうね、きっと。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/hotnews.aspx?site=MARKET&genre=c1&id=AS1D150G0%2015052008
 
食品業界も、小麦、大豆、トウモロコシの値上げで、食パン・パスタ・チーズ・醤油etc
これに関しては、私プログ「穀物戦争を回避せよ」で紹介。
http://blog.goo.ne.jp/yokohama_dream_site/e/d7ae6983a9d074798ea54426db3c9b3b
 
連日、高値を更新する『原油高』にも困ったものです。週末米エネルギ-省は、
この原油対策として、戦略石油備蓄の積み増しを7月から一時停止すると発表し、
原油/ガソリン価格高騰の沈静化に動き出しました。

沈静化すると言いのですが、市場での効果は限定的?と思ってしまいます。何しろ
原油は、産油国や投機家にとって、液体の黒ダイヤですから・・・。

ところで、米ヘッジファンドや投資銀行は、最近ニューヨークのNYMEXだけでなく
ロンドンのICE(Intercontinental Exchange )http://www.theice.com/ を通じて
さかんにWTI先物を買い、原油価格を高騰させているとの情報もあるようです。

http://www.allamericanpatriots.com/48747125_senators-levin-and-feinstein-introduce-oil-trading
 
このような状況下、米連邦議会上院で、原油市場に対する投機資金の規制を強化
する「石油取引透明化法」(Oil Trading Transparency Act)が検討されています。
法案は、2人の民主党議員が提案しています。
米当局の目を盗んで意図的に原油価格をつり上げ、ぼろ儲けしており、規制が必要だ、

というのが、法案提出の理由のようです。
http://levin.senate.gov/newsroom/release.cfm?id=297513
 
この問題を指摘したウィリアム・エングダールによれば、現在の国際原油価格のうち
最大で60%が、投機筋によるつり上げ効果によるものだと指摘しています。 
http://www.atimes.com/atimes/Global_Economy/JE06Dj07.html 

エングダールの分析が正しいとしたら、一時、127ドル/バレルをつけたWTIの
価格は、投機を排除すれば、50ドル台まで下がることが可能になります。

米大手投資銀行のゴールドマンサックスが、原油価格は今後2年以内に1バレル
200ドルまで上がるかもしれないとの予測を発表し、投機を煽った格好ですが、
原油価格がWTI先物の投機によってつり上げられ、ゴールドマンが投機筋の黒幕の
1人であると考えれば、予測の妥当性も頷けます。
http://www.ft.com/cms/s/0/70b4ef0a-1b91-11dd-9e58-0000779fd2ac.html

日本にとっても、原油高は例外はあるにせよ、企業業績のマイナス要因、足かせで
適正水準に戻れば、さらに「デカップリング論」に拍車がかかるんですけどね。
 
さて、「石油取引透明化法」の法制化に向けた動き、米政府にとって強いドルを
演出したいなら、原油高の鎮静化と、需要と供給のバランスから適正価格への

回帰が必要ですが、どうなるか今後も目が離せませんね。

 -参考、引用-
 田中宇の国際ニュース解説
 http://tanakanews.com/080514oil.htm