ブラッシュアップしたつもりのGW中の旅行、その疲れが週末に現れた
のか、この1週間の気温の変化(初夏から春にタイムスリップ)のためなの
か、少し風邪を引いたようです。
「社会人は、健康が資本!」と、横浜ザル、自分へ独り言。
投資の世界で負けないためにも、何が何でもリカバリーですね。
さて、GW明けの週末は、雨の土曜日となり、新聞や雑誌等ニュースに目を 通す機会が増えます。
5/10読売新聞15面に「基礎からわかる穀物高騰」と言う記事が掲載
されており、簡潔に原因・現状分析・今後の見通しが書かれておりました。
今後の相場を見通す上でヒントになりそうですので、一部引用しながら紹介。
穀物相場の上昇は06年頃から顕著になった。世界的な指標となる米シカゴ
商品取引所では、この2年間で小麦、大豆、トウモロコシの価格が2倍超に
跳ね上がり、最近は、アジアでもタイ産米の輸出価格が高騰している。
1.原因、現状
1)新興国の人口増加と食生活の変化
2)バイオ燃料向けの需要拡大
3)商品市場への投機資金の流入 ・・・・何れも原油高騰に類似ですな。
4)異常気象 等
上記1)急速に成長する中国やインドなどの国民の生活水準が向上し、肉類
や油脂を多く取る「食の西洋化」が進んでいることが上げられるようだ。
牛肉1キロを生産するのに、餌として11キロの穀物が必要なのだ。
中国の穀物需要は、1970年から05年までに2倍に増え、特に飼料用は
9倍に拡大している。この需要が世界の穀物消費量を押上げている。
上記2)米国でガソリンに代わるバイオエタノール燃料の生産が増えている
のも事実。ブッシュ大統領は07年1月、バイオエタノールなど代替燃料の
生産量を17年までに約6倍に増やす方針を示し、エタノール工場の建設に
拍車が掛かっている。原料となるトウモロコシは、大豆からの転作もあって
生産量は増えたものの、需要増に追いつかない。一方、大豆の生産量は減少
し、相場上昇を招いている。
上記3)サブプライム問題も一因。巨額の資金を運用するヘッジファンド等
の投機マネーは、相場が下落した株式市場から原油、穀物などの商品市場に
流入し、シカゴ市場の相場は急騰した。
上記4)豪州では2年連続の干ばつで、小麦の生産量が激減するなど異常気象
も影響している。
ロシア、中国、アルゼンチンなどは、小麦などを輸出する際に税金を課したり
輸出量の枠を設けたりしている。
アジアでは、主な米輸出国のベトナム、インドが輸出を停止したため、国際
指標となるタイ産米の輸出価格は、08年1月から4ヶ月後、1トンあたり854ドル
と約2.3倍に急騰した。
2.今後の見通し
国際社会では、貧困層の救済や相場抑制に向けた取り組みが、次第に広がり
つつあるようだ。
財政支援では、米国が途上国向けに7億7000万ドル(約800億円)の
資金援助を発表。アジア開発銀行も総額5億ドルの緊急援助を表明した。
4/Bに開催されたG8開発相会議では、穀物価格の高騰に関して、「国際
社会の問題」と急遽、声明に盛り込んだ。
国連も、穀物の高騰対策を緊急課題として、6月各国首脳による「食料サミット」
を開催予定。
貿易ルールの観点から歯止めをかける動きもあり、日本は輸出規制の乱発を
防ぐため、世界貿易機関(WTO)の場で、規制を行う際は、輸入国と事前
協議する仕組みの導入をスイスと共同で提案した。
米農務省の予測では、08~09年度米国農家の平均売り渡し価格は、トウ
モロコシが、1ブッシェル(約25キロ)あたり4.6ドル(前年比16%増)
大豆が1ブッシェル(約27キロ)あたり11.5ドル(同10.6%増)
小麦は同7ドル(同5.3%増)と軒並み上昇する見通しである。
穀物価格の高騰は世界各地で、貧困層を中心に市民生活を直撃し、暴動や
買い占め騒動を引き起こしている。
エジプトでは暴動で10人以上死亡。ソマリアでは、市民数千人が暴徒化。
バングラデシュでは、1万5千人がスト。フィリピンではゲリラが倉庫を襲撃。
ハイチでは、デモ、略奪で7人死亡 etc.
日本は、食料自給率が約40%で、小麦87%、大豆75%、トウモロコシは
約100%を輸入に頼っています。
この穀物高騰!身近な生活にも値上げの影響がでてますね。行き付けの蕎麦屋
や中華料理のマスタ-も、来週から値上げすると言ってました。
3月のCPIを見ると、スパゲテイの値段は、07年3月から26.6%上昇。
即席麺が17.9%、マヨネーズ17.5%、食パンは10%と大豆が原料の
植物油や小麦を使った食品が値上がりしてます。
トウモロコシも高騰し、配合飼料の価格も1年で30%上昇。
こうなると、すぐに価格転嫁できる企業とできない企業で明暗が分かれそう。
日本では、米が100%自給できており、余剰米の政府備蓄は、1.5ヶ月分
しかないが、高品質でおいしい米を武器として活用していけば、来たる穀物
戦争を回避し、活路が開けるかもしれません。