今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

温泉の安全性確認

2023年02月26日 | 温泉

福岡の老舗温泉旅館が、温泉の湯の交換と塩素殺菌を怠っていた、いわゆる安全偽装が発覚した。
温泉好きにとってはショックだ。
その一番の問題は、塩素殺菌を怠ることで、浴槽にレジオネラ菌が増えて(この宿の湯はその状態)、入浴客がそれに口腔経由で感染すると死亡する危険がある点。
もちろんレジオネラ菌が繁殖しにくい”源泉かけ流し”なら、塩素殺菌も不要かもしれないが、菌が繁殖しやすい温度なので浴槽は掃除する必要はある。

そもそも”源泉かけ流し”は湧出量が豊富な温泉宿でないと不可能で、現在の温泉ブームから見て、源泉掛け流し(温泉の垂れ流し)は温泉資源の有効利用とはいえない。
そして循環湯(再利用)にするなら、塩素殺菌は必須(飲用可の指定がない温泉は、殺菌されていないため飲泉しない方がよい)。

この手の偽装は、温泉を利用する客にはバレないので、客にとっては自衛手段がない。

利用客ができるとことは、まずは脱衣場に掲示してある温泉分析表から、循環式かどうかを確認すること(宿で情報公開している)。
明確に記述がない場合、源泉の湧出量を確認し、それが少ないなら(60ℓ/分あれば源泉掛け流し可能。ただし源泉の湧出量=その浴槽のかけ流し量とは限らない)、循環式であると理解する。
加水・加温していても循環していないなら「源泉かけ流し」に該当する。

そして循環式の場合、保健所の定期的な検査結果(レジオネラ菌の量など)が掲示してあるか確認する(検査の年月も確認)。
これが掲示されていない所は、温泉の管理に不安がある。

私自身は、自分でさらにデータを取る(菌の検査はできない)。
まず塩素濃度の試験紙を湯に浸けて、循環湯として充分な濃度であるか確認する(日帰り温泉などは、温泉を味わうには塩素が濃すぎる場合がある)。

さらに、湯のサンプルを取って酸化還元電位を専用の測器で測る。
これは湯の”鮮度”をみるため。
源泉かけ流しの湯は鮮度が高いので、この電位が低く(還元側)なる(ただし泉質による。強酸泉だと最初から電位が高い)。
この場合は塩素濃度は低くても、心配はいらない。
循環湯なら、電位が(酸化側に)高くなり、湯が老化していることを示し、使い回しされた結果といえる。
その場合は塩素濃度がそれなりに高くないと、雑菌繁殖の危険がある。

今までは、自分のデータ収集のためにこれらを計測して、このブログにも任意に公表していたが、今後は、より厳しい態度で計測していく。