今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

宿の和食の問題

2023年01月17日 | 

慰労の元定宿に2泊して、拒否感を覚えない利用の仕方があることがわかり、また他のサービスも利用者本位に復帰されたため、利用を復活してもいいかなと思った。

何しろ、その拒否感は、この宿だけの問題ではなく、日本の宿、いや和食の店にも蔓延している作法的問題だから。

和食は、本来はご飯が中心で、そのご飯は複数のおかずを通して食べるもの(皆さんの家庭での和食がそれを実現している)。
それが、おかずとご飯が分離され、ご飯は最後に漬物で食べるように仕向けられた。
これは和食の作法ではなく、おかずに乏しく漬物だけでご飯を平らげる農民の風習にすぎない。
漬物は作法的には、ご飯のおかずではなく、ご飯の後の御茶請けなのだ。

本来の和食は、ご飯・汁・複数のおかずがセットになった”膳”形式(最もシンプルな形が漬物を含めた”一汁三菜”)で、これが殿様から農民・町人まで共通していた(宿の朝食だけはこの形式を踏襲している)。

なので私は防衛策として、おかずの提供が終わらないうちに、ご飯を要求することにした。
こうすれば、作法通りの和食を堪能できる。

ただ、宿や店が提供する和食には作法以外の栄養学的問題もある。
まずは、生野菜(サラダ)がない
和食の野菜はおかずとして濃い味付けで煮沸されるため、ビタミンCなどの水溶性ビタミンが乏しくなる。
これは和食の栄養学的欠点なので、改善すべき点。
栄養学的に葉物野菜は生が一番。

それと、漬物が本来はご飯が終わった後の御茶請けなのだが、その発想から逸脱したため、和食に本来存在しない不要な”デザート”なるものが登場する。
カロリー控えめなのが和食のアドバンテージなのに…台無し。

日本文化では、甘菓子は食事前の茶事に出されるもの。
なので、組み合わせ的に食後の御茶請けに和菓子ならまだわかる。
なんで和食の後に生クリームのついた洋菓子が出てくるのか。
空腹時の甘味は甘党でない私にとっても至福の味だが、満腹時の甘味はうんざり。

全員が嗜むわけでない酒がオプションのように、本来不要なデザートもオプションにしてほしい。

以上の問題は、元定宿だけでなく、和食の宿に共通するものなので、元定宿だけを拒否する理由にならないわけだ。

結局、私にとって一番気楽な宿での食は、サラダが食べれて※、デザートは取らずにすむビュッフェ・バイキングとなる(ちなみにバイキングの時は、ご飯などの糖質は摂らない)。

※:確信犯的「ら抜き」主義。「ら抜き」は文法構造的には違反ではない。「られる」は受け身に限定し、可能・尊敬は別の表現に代替することで、言語の本質的悪習たる”多義性”を回避すべき。