この寒気の最中(八甲田忌と重なる)、 JR西日本でポイント故障が発生し、多くの乗客が長時間の缶詰状態を強いられた。
ポイント故障の直接の要因は、気象庁の発表した降雪量の予測値が実際に比べて少なかったこと。
JRはこの値を参考に整備計画を立てるから。
実は、降水(雨と雪)の”有無”の予想はかなり的中しているのだが、細かな降水量の予測は、はっきり言っておよその目安でしかない。
例えば、台風が来るとき、ある地方の降水量の予測は「(多いところで)100mmから200mm」というように、100mmもの誤差を予め含めて出される。
なので、今回のように降水量にして数mmのズレ(降水量の1mmは降雪の1cmに換算される)は、「よくあること」(想定誤差の範囲内)と認識してほしい。
さらに降水量は地域内でも差があるので、ピンポイントの推定はさらに困難。
なので JRなどは、こういう誤差を前提に整備計画を立ててほしい(あるいは、地域に密着した観測網を独自に整備するとか)。
本来「カオス」の現象である気象は、正確な予測が原理的に不可能であることが数学的に証明されているくらいだ。
強い寒気が来ると数日前に予想できるだけでも、地球規模の観測網とスーパーコンピュータを駆使しての結果で、科学技術的には”すごい”ことなのだ(地震についてはその程度の予測さえ不可能)。
せめて、実測値に最も近い予測値を求めるなら、(変化が線形で近似できる)直近の予測値しかない。