今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

フードファディズムの心理

2017年02月19日 | 生活

私の母周辺での例にすぎないが、健康に気を遣い過ぎている人は、平均寿命以下で逝っている。
化学添加物を避け、きちんと運動していたのに。

人間は、単純な一次直線的な発想に取り憑かれやすいが、この世で正しいのは、むしろ二次曲線(最適値がありそれより上も下もよくない)であることがほとんど。
”バランス”こそが正しい生き方なのだ。

特定の食品や栄養素に対する、一次直線的な態度(「これさえ摂っていれば大丈夫」、「これは絶対にダメ」)を「フードファディズム」というらしい。
フードファディズムはバランスを欠いた態度であるため、本人は善かれと思っても、結果的に不健康になるという。
いわゆる健康オタクほどフードファディズムに陥りやすいのだろう。
それは一次直線的思考癖の産物で、言語というシステム2の本来的バイアスなのだ。
伝統的な”ご飯中心主義”は糖質依存でアンバランスだが、「糖質制限」という名の糖質排除も極端だ(健康でいられるもの最初の数年間だろう)。

だが、そういう人間を一笑に付す立場に私はない。
私自身、バランスが大事と頭でわかっていても、特定方向に突っ走りたくなるからだ。

そもそも、食に禁忌(タブー)を持ち込みたいという欲求が多くの人類にはあるのかもしれない。
何かをあえて食べないことで、そうしない人たちに優越感を覚える心理。
ある食材を頑なに拒否することが自分の大切なアイデンティティだったりする。
鶏肉を拒否する私自身がそのメンタリティの持ち主だから、よくわかる。

バランスの実現がベストという真実が、面白くないのかも。
アンバランスの面白さ、ワクワク感の方に魅力を感じるのかもしれない。
鶏肉は簡単に拒否するのに、他の摂らない方がいい食材の魅力に勝てない自分がいる。

食に対する人間の態度ってかくもやっかいだ。