今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

磁気異常地帯を訪れる:追記あり

2013年05月20日 | 計測

前の記事の続き。
翌日、雨で何も見えない愛知の屋根・茶臼山を後にする。


今回の旅の目的は、1つにはカエル館の再計測だが、もう1つあって、

それは茶臼山の真南の東栄町にある地磁気異常地帯に入り込み、
自らの手で地磁気を計測することである。
そこは愛知県内で唯一同心円状に磁気が高い場所で(右図:産総研の空中磁気異常図を階調反転して見やすくした)、
そういう場所は通常は火山などの山体に沿ってあるのだが、
ここはむしろ谷あいで、地形とは無関係の分布。
地質とはやや対応があるものの、地質のせいとはいえない※
※:詳細な地質図を参照できたので追記する(2022.6.19).
同心円状の磁気異常(減少)地帯は、爆発的噴火による火砕流の地層にほぼ対応していることがわかった。その噴火はやや北にある大峠(954m、玄武岩質)によるものである(中・後期中新世(1500万〜700万年前)。茶臼山火山と同時期)。同心円の中心部は火砕流が一番厚い層なのだろう。

下界に降りると、雨は上がっており、晴れ間さえ覗いている。
津具の町から目指す地帯を横断する県道80号線に入る。
山中の渓流沿いの一本道で、人家はなく、車もほとんど通らない。
磁気等高線の頂点部にさしかかった所で車を止め、計測に入る。

丁度そこは東栄町の”花祭り”発祥の地である白山神社への入り口であり、
幸いなことに入り口の箱に「古戸散策マップ」が用意されていた。
この古戸(ふっと)という地磁気異常地帯は、
まさに案内マップができるほどの隠れた観光地だった!
後で知ったことには、この地は鬼が主役の「花祭り」の聖地だった。 

近くに「遥拝場」の小さな看板があり、マップの説明によれば、
白山神社に行けない人や動物のためのものだという。
遥拝場に登り、地磁気を測ると43μT(以下同単位)、標準的値だ。

その地図を頼りにさらに等高線の頂点域内を進むと、
道脇の沢に御滝・山の神の祠がある。
マップでは「霊感のあるスポット」とあるが、ちょっと陰湿な雰囲気。
地磁気はやはり43。
山の神の祠は信仰施設で、何がしか感じる所があったので、iPadの「バケタン」(お化け探知器)を作動してみる。
すると、「良くない状態」と出た。
なんか、そんな気がしたんだよな。
滝の下で水を採取して、酸化還元電位を測ったら+220mV(以下同単位)。

さらに進むと集落の中心部というべき普光寺と鎮守の八幡神社がある。
階段上の八幡神社で専用機で地磁気を測る(下向きの鉛直成分を360°回って最大値を計測値とする)と、
なぜか北向きではなく西向きが最高値となり40。下の寺の広場では45。
こんなに近くでこの差は大きい。
さらに、等高線の頂点域 からは外れるが、
花祭りの最初にお参りするという「みるめ様」に向かう。
山の中の狭い道を走って最後は車を置いて徒歩で登る。
竹林の中に鎮座するみるめ様の祠はけっこう大きく、
下から見上げた時は威厳を感じた(右写真)。
地磁気は43。
感じるところがあったのでバケタンで探知した結果は、「守り神の出現に期待」と出た。
さすが「みるめ様」。

車の所まで下り、「宝篋印塔」という案内板があったので、廃屋を抜けて、
薄暗い不気味な岩肌に宝篋印塔(昔、僧が教典を埋めたという)があった。
もう誰も世話をしていない雰囲気で、バケタンの結果は、「良くない状態」。
やっぱり。
最近、バケタンの探知前に、自分でも霊感がはたらくようになってきた。
幾度にわたるバケタンでの探知経験のおかげだ。
以上、古戸の地磁気異常地帯を計測した結果は、それほどの異常値とはいえなかった。
もっとも地図では0.1μTレベルの違いなので、私の計器では誤差の範囲内となってしまう。

なにしろ、昨日カエル館内で1桁の数値を見たばかりだし。

2泊目に泊まった宿は、信州の遠山(現飯田市)にある「島畑」
実は最初は静岡の佐久間あたりも計測で行く予定だったので、
秋葉街道沿いの手ごろな宿が静岡県側にはなく、
本当なら休業の日なのだが、たまたま他の都合で開いているというので受け入れてもらった。

この宿、以前の秋葉街道や信玄南進の旅の時にも泊まったことがある。
部屋は民宿レベルだが、野草の天ぷら・鹿肉・猪肉・山女魚の串焼きなどの囲炉裏料理がいい。
食事をしていると、主人が私の写真を撮り、食事中にプリントしてくれる。
写真と一緒にライター型の楊枝入れと、スズメバチが入ったウイスキーを猪口程度のグラスに注いでくれた。
今ではワインですら水で薄めて飲んでいる身に、何が入っていようとアルコール40°以上は強烈。
唯一困ったのは、気さくに旅の目的を尋ねられた事。
ばか正直に「地磁気の計測」ましてや「霊の探知」と言うわけにはいかず、
「ドライブの旅で」と言葉を濁す。

ちなみに地磁気の地図によると、ここ八重河内は、
東栄町古戸とは逆の値が高い尾根になっているが、
測ると42。
蛇口から取った水の酸化還元電位は+720と高かった。