今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

祝! 富士山世界遺産

2013年05月01日 | 時事
富士山がやっと世界遺産への登録が認められる見込みになった(正式承認はまだ)。
ただし、自然遺産ではなく、文化遺産としてである。

まずは”自然”としては、世界遺産としての価値が認められないほど荒れているのが悲しい。
自然遺産でないだけに、観光客を誘致することで美しい自然が破壊されることに鈍感になってしまうことをおそれる。
そして文化遺産として、それにふさわしい文化(人間活動)が継承されているのかが気になる。
信仰の山としての。

今や壊滅的な「富士講」。
今時、富士を訪れるのは観光客ばかり。

講の強さとしては木曽の御嶽講にはるかに負けている。
3000mを越す大きな山がその麓から独得な雰囲気を漂わせている点で、
文化遺産なら御嶽山こそふさわしい気がする
(日本アルプスの紹介者W.ウェストンも御嶽信仰の実地調査をしている)。

まぁ、富士も御嶽も信仰内容は日本人のメンタリティに合った神仏習合なので、
不自然な神仏分離を継続している現代日本ではその”文化”をアピールしづらいかもしれない。
(その証拠に御嶽神社も各種御嶽講とは距離をおいている)。

私からみれば、寛容な2つの宗教の出会いによる神仏習合こそが
宗教的反目が絶えない世界にとって貴重な”文化遺産”だと思うが
(「本地垂迹」などの附会的理屈は本質ではない。神も仏もどっちでもいいという八百万の神による曼荼羅の汎神論的感覚こそが本質)。