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今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

iPadが推進するクラウドコンピューティング

2010年10月07日 | パソコン・メディア

iPadの予想されたインパクトは真のペーパーレス化。
そして予想外のインパクトは,パソコンのクラウド化の推進だった。

一台のノートパソコンMacBookを使い倒している間は、ネットサーバにデータを保管するなんて考えなかった。
他人と情報を共有しないためでもあるが、すべての情報が携帯可能な1つのパソコン内に入っているからだ。
だから、他のパソコンを買っても、データが分散されると不便なので、それらはMacBookの予備としてほとんど未使用状態だった。

といってもアップル社の有料サービス”MobileMe”を利用して、大切なデータのバックアップのためにネットサーバは利用していた。

ところがiPadを使いはじめて、ノートパソコンとiPadの二つを持ち歩くことは、
重たさが増し(ノートパソコンだけで限界)、情報的にも重複して、バカらしいと思った。
そのうちの1つを持ち歩くとしたら、当然、より軽いiPadを選びたい。
そこで今までのパソコンの使い方を再考せざるを得なくなった。

私の日常的移動先は、自宅・勤務先の大学・そして東京の実家だ。
いままでその3ヶ所を移動する時、必ずノートパソコン(13インチのMacBook)を携行していた。
電源アダプタこそ各地に置いておいたが、本体自体がそれなりに重いので、
通勤の鞄は頑丈で大ぶりのもの、実家との往復にはキャリングケースを引きずった。

幸い、研究室にはデスクトップのiMac、実家にもより新しいノートパソコン(MacBookシルバー)。
ただデータのバージョンがばらばらとなり、最新のファイルはどこの場所のパソコンに入ったものかわからなくなりそう。
データをUSBメモリに入れて携行するのも面倒だし、メモリ自体いずれかに置き忘れたら仕事に支障をきたす。

理想は、ある場所のパソコンで作業したら、”自動的に残りの場所でも”最新の状態でデータが使えるようになること。
しかも、東京では公立図書館で作業するので、ネットに繋がっていなくても最新データを使える必要がある。
実にわがままな要望だ。

ところが、オンラインストレージサービスを使うと、以上の要望が難なく実現できることが分かった。
このサービスで一番有名なのは、 無料で2GB使えるDropbox。
ただ、たった2GBではデータ全部は入らないので、
ここでは、実際に利用しているアップル社のサービス”Mobile Me”(20GB使える)を例にする。

いわゆる「クラウド」(”雲”という意味)とは、複数のパソコン間から共通してアクセスできるクラウドサーバ(ネットサーバ)が中心となるシステムで、
本来は、パソコン側にはデータファイルは不要なのだが(情報の安全性のためでもある)、
本記事では、ネット環境外でも同等のデータ環境を実現するために、各地のパソコンに自動的にデータがコピーされ、
それを自由に扱えることまであえて拡大解釈する。
ビジネスで使われるクラウドは”複数のユーザ間”での共有が目的だが、私は”複数の場所”の自分のパソコン間での共有のために使いたい。
その場合は業務情報だけでなく私的情報も共有する必要がある。

サーバとパソコン内のデータファイルは、ネット接続中、随時同期される。
もちろん、サーバとパソコンとのうち更新が新しい方のファイルによって上書きされる。
パソコン内のコピーがあるから、ネット環境からはずれても同期された最新のデータを使える。
そしてネット環境のない図書館で最新状態に書き換えられたファイルは、
帰宅してネットに繋げた途端、サーバに同期される。
そして、他の場所のパソコンは、サーバから最新部分が同期される。
つまり、同じデータの集合(ボリューム)がサーバ+同期しているパソコンの数だけ存在することになる(私の場合は1+3=4つ)。

このようなデータの重複的分散は、大切なデータのバックアップとしてはフェイル・セーフ(「失敗しても大丈夫」システム)を実現するので心強い。
つまり、パソコンのどれかが突然壊れても、あるいはネットサーバがトラブっても、どこか一箇所が大丈夫なら、最新のデータが使え、それをまた残りに同期できるのだ。
いままではデータのバックアップは外付けハードディスクにしていただけだが、ハードディスクというのはいつ壊れるのかわからない消耗品なのだ。
しかも壊れる時は突然やってくる。

一方、ネットサーバは責任ある企業管理なので個人のハードディスクよりは故障は少ないだろうが、
ネット上なので別のセキュリティ上の危険がある。
といっても、クラウド上のファイルのバックアップも忘れてはならない。
クラウド上では最新のものに自動更新されるので、
最後におかしくなったファイルをそのままにしておくと(不具合は開いてみないと気づかない)自動更新されてすべてに行き渡ってしまう。
そこで以前のバックアップがあれば、おかしくなる前のファイルを復元できる
(実際、それで助かったことがある)。

当然、このクラウドにはiPadも加わることができる。
iPad上にはボリュームのコピーは作られないが、ネットサーバにダイレクトにアクセスして最新のファイルを開くことが出来る
(GoodReaderを経由する必要がない)。
あとiPadのカレンダー(予定表)もMobileMe sync経由で自動同期されるので、他のパソコンと更新を共有できる。

ただ、大学の長期休業時など、大学のパソコンをしばらく同期させないでいると、
同期だけで膨大な作業となり、それでトラブってしまうことがあった。
そこで、パソコンのスケジュール機能を使って、定時に起動・終了するよう設定した。
そうすれば、毎日自動更新され、すべてのパソコンが最新状態のデータとなる(これはバックアップとしても重要)。

だが、実際に起動しているか気になるもの。
そこで、”LogMein”というフリーソフトを使って、ネットで繋がれているパソコンを遠隔操作することにした。
これを使えば、起動している遠方のパソコンのカーソルを動かして、クリック操作もできる(アップデートなどを遠隔で実行できる)。
これらの作業すべてがパソコンからだけでなく、iPadからもできるのがうれしい(LogMeinのiPad版を使用)。
むしろiPadからの方がIDとパスワードが自動で入るのでアクセスが楽なくらい。

というわけで、最新のデータをパソコン間で共有し、あるパソコン画面を他のパソコンで操作するという、
空間的に遠く離れたパソコン間をシームレスにつなぐ便利で安全な環境を実現したのだが、
それを推進させたのが携帯性にすぐれながらパソコンと同様のネットアクセス力のあるiPadなのだ。

iPadはペーパーレスを実現する革新的電子書籍ビューワーでありながら、クラウド化を推進する最も軽いネット端末でもある。
電子書籍に特化したKindleや書類の閲覧に不向きなノートパソコンでは(ミニノートはなおさら)、結局両方持ち歩くはめになってしまう。
iPadのメディアとしての絶妙なスタンスこそ、革新的なのだ。

iPadの真のライバルは実はKindleやミニノートではない。
iPhoneとiPodtouchである。
これらのユーザは、大きさが違うだけで機能が同じiPadを一緒に持ち歩く気はしないだろう。

最後に、iPad購入時に買った方がいい周辺機器を論評する(「前の記事」で)。