今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

ラドン濃度の東・名差

2010年03月20日 | 計測
名古屋宅に設置していた室内用のラドンガス濃度測定器RGD-PS3(写真)を
春休みの帰省に合わせて東京の実家に持ってきた。
丸二日のデータ収集期間を過ぎると、一時間間隔で七日間平均の計測値を更新する。
名古屋宅では、この半年は40~86Bq/m3(ベクレル)の間で、3月は70(以下同単位)を越えていた。
東京宅では、同じ3月だが6~10と断然低い(写真での表示は09=9)。

関東は地層の関係で値が低いことは知られていたが、これほど差があるとは思わなかった。
ちなみに、室内の世界平均は46、日本平均は16。
室内ラドン濃度の影響因は、一番は地層、二番は室内壁面の材質。
東京宅は沖積層で、関東ローム層、木造(ツーバイフォー)。標高9m。測定場所は2階(標高11m)。
名古屋宅は濃尾平野の東端で、三河山地との接点(亜炭など産出)。いちおう鉄筋。標高55m、測定場所は3階(標高60m)。

岐阜や福井はもともとラドン濃度が高い地域で知られているが、
愛知はそれほどでもないはず(舘野之男『放射線と健康』岩波新書)。
するとコンクリートの壁面の効果かもしれない。

問題は、ラドン濃度の値が高いのと低いのとどっちが健康にいいのかということ。

浴びる放射線は0であるほどよいという単純な「直線モデル」によれば、
迷うことなく東京の方がいいことになる。
でも直線モデルは、放射線防御の指針ではあっても、低線量域では科学的根拠がない。
実際のデータに近いのは、一定水準以下の線量は影響がないという「しきい値モデル」と、
一定水準以下の線量はかえって耐性を増進して健康に良いという「ホルミシスモデル」。

実際の動物実験や高濃度地域に居住する住民の健康調査によれば、
ホルミシスモデルの方が支持されるようだ(低線量のホルミシス効果は、
紫外線-実はこれも放射線-についてもあてはまるのは周知の事実。
更にアルコールやカフェインにもこの効果が認められる)。
ラドン温泉が世界中で健康増進に人気があるのも偶然ではなかろう。
すると、世界平均よりも高い名古屋宅は、かえって健康にいいという可能性がある。

私の頭の中は、多くの人と同じく「直線モデル」が強制的にインプットされているが、
同時にラドン温泉が好きで、ホルミシス効果に期待する心があるので、
名古屋に軍配をあげたい。

というわけで、ラドンがほとんどない東京宅には、
ラジウム原石1kgを浴槽に入れて、ラドン浴ができるようにした。