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今日こんなことが

私は「はてなブログ」に引っ越しました。
こちらは過去の記事だけ残しています。またコメントも停止しています。

車の出し入れ時に家族を轢かない方法

2021年04月01日 | 防災・安全

自家用車の出し入れ時に家族を轢いて死亡させるという悲惨な事故が発生した。

今回の事故は、車の前にいた妻が転倒したのを気づかずに、車を前進させたという。

車社会になって久しいのに、いまだ車に対するタブー(禁忌)に無頓着な人がいる。
どこかで、きちんと教育する必要があるのだが…。

車の出し入れ時に絶対守るべき原則は以下の2つ。
ひとつは歩行者を含めて全員が、もうひとつは運転者が実行すべきもの。

①動く車の前・後ろに絶対に立たない
車はタイヤの向いている前後方向に進む。
その方向に立つことは、動いている電車の線路上に立つことに等しい(私なら怖くてできない)。
なのでこれはタブーである。
動こうとうする車の近くに居る必要がある時は、必ず車の側面(斜め)に立つこと。
これは幼児の段階でしつける(身につけさせる)べき行動だ(幼児がいる場合は→「車の出し入れ時に幼児を轢かない方法」)

車を誘導する場合でも、前または後ろで後退しながら誘導すること自体※、転倒のおそれがあって危険だし(今回の事故もこのパターンか)、誘導すべき微妙な位置(隙間)は、側面で見てこそ確認できる。
※:昔のバスガイドはバスの真後ろで笛を吹きながらバスを誘導したが、ガイドがバスに挟まれた事故現場を見たことがある。今のバスはカメラがあるので誘導不要。

②駐車場での運転は必ず徐行
徐行とはいつでも停止できる速度。
言い換えれば、人と接触しても衝撃を与えない速度。
駐車場は車と人が最接近するもっとも危険な空間なのだ。
駐車する時は、駐車位置の微調整のため、徐行するのは当然。
発車する時も、車の間から人が現れる可能性があるので、徐行で周囲を確認しながらゆっくり動かす。

徐行を心がけていれば、万が一アクセルとブレーキを踏み違えても、強く踏むことはないはず。


危険な活断層:6-16位

2021年03月22日 | 防災・安全

前回(危険な活断層:ワースト5)の続き。
ワースト5に次いで活動の危険性が高いグループ(上位5つの「いつ活動してもおかしくない」よりは一段低いレベル)で、30年発生確率が2.5%を超える11ヶ所をピックアップする。

6位: 3.68%  塩沢断層帯(山梨県、一部神奈川県) M6.8
山中湖周辺。ということは富士山のすぐそば。

7位: 3.66% 黒松内低地断層帯(北海道) M6.8
渡島半島北部を南北に縦断し長万部(おしゃまんべ)を通る。泊原発が近くにある。

8位: 3.51% 宍道(鹿島)断層(島根県)M6.6
宍道湖を挟んだ松江の対岸。

9位: 3.49% 境峠・神谷断層帯主部(長野県)M7.0
上高地から鳥居峠にかかる断層。山崩れのおそれ。

10位: 3.05%  奈良盆地東縁断層帯(奈良県) M6.9
東縁といっても、奈良市・天理市を縦断する。

11位: 2.99% 糸魚川-静岡構造線断層帯中南部(長野県) M6.8
第1位のフォッサマグナの続きで諏訪湖周辺。フォッサマグナは連動の可能性もある。

12位: 2.96% 雲仙断層群南東部(長崎県)M6.6
第5位に隣接。熊本の地震のように近接する活断層がともに活動することがある。

13位: 2.93% 周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間)(山口県) M7.0
海の活断層だと津波、しかも逃げる猶予のない突発的な津波の恐れがある(1993年北海道南西沖地震で奥尻島に16.8mの津波が押し寄せ、死者・不明者230人)。この断層は北西側に隆起※するというので、山口側に津波が来るだろう。
※:押し合う逆断層だと、海底の断層面が隆起するので、前兆となる引き波なしに突然津波が発生する。

14位: 2.89%  上町断層帯(大阪府) M7.0
豊中−大阪中心部−堺を縦断する恐ろしい断層。
単独での活動可能性は上記のように高くないが、もうじきやってくる「南海トラフ地震」の影響を受けるといわれている。
神戸を上回る大都市直下の最も警戒すべき活断層なので、政府がスルーしているはずがない。
平成19年度の内閣府・中央防災会議では、M7.6と想定しており、ここ単独で想定死者(冬5時、風速15m/s※)はなんと42000人。
※同基準での奈良盆地東縁断層帯の想定死者は3700人。
この数は(当時の内閣府が想定していなかった)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の死者の2倍、想定している首都直下型地震(震央は都心部の外)の想定死者(その後対策強化により減少)の4倍なのだ。
大都市のど真ん中の真下でうごめきそうな活断層だからこの数になる。
だから、むしろ「東京より大阪の方が危ない」という認識が必要なのに、世間では無視され続けている(マスコミの東京中心主義だけでなく、大阪には地震は来ないという地元の誤った思い込みもあるようだ)。

15位: 2.87% 十日町断層帯西部(新潟県) M6.9
新潟の内陸部。実は番外の17位に十日町に隣接する断層帯(高田平野東縁断層帯,2.5%,M6.7)も入っている。 豪雪地帯だけに、積雪期に発生すれば、随所で雪崩を誘発する。

16位: 2.81% 安芸灘断層帯(広島〜山口県)M6.7
13位と同じ瀬戸内海西部の活断層。もちろん突発的な津波も警戒。この断層も北西側に隆起するというので、広島湾側に津波が来るだろう。
この順位以下の活断層は、最新活動時期の年数が平均発生周期に達していない(11位を除く)。

以上、前回の5つを含めた16の断層は、北海道から九州まで散らばっている(東北と四国にはなく、長野県に3つも入っているのはフォッサマグナのせい)。
警戒すべき地震(地域)は、南海トラフ3連動(静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎)と首都直下型(東京、千葉)だけではないということを、まずは国民の共通理解としたいものだ。

ここに記した情報はすべて国の機関(国民の負託と税金で運営)からネット公開されている。
誰でもアクセス可能だが、目指す情報には簡単にたどり着けないのが欠点。
それを仲介して国民に知らしめる役割が、きちんと社会に機能していないのが残念だ。

関連記事→「直下に活断層がある都市は」
私のホンネメッセージ→「次の地震はそこでは起きない


危険な活断層:ワースト5

2021年03月21日 | 防災・安全

3月20日の宮城県沖地震(M6.9)は、広い意味で10年前の3.11「東北地方太平洋沖地震」(M9)の余震で、内陸に近いものの深度が深く、その意味ではプレート境界型の地震。
ただ震源が大深度なので、マグニチュードは高いが地上の震度(被害)は大きくないのが幸い。

このように、地震というと、「南海トラフ」などのプレート境界型の地震のイメージが強いが、直下型となる陸側のプレート内型=活断層型の地震も忘れてはならない。
こちらの地震は、深度が浅いため、逆にマグニチュードの割りに、地上の震度(被害)が大きい。
たとえば阪神淡路大震災をもたらした「兵庫県南部地震」(M7.3)や、取りざたされている「首都直下型地震」も活断層型の地震だ。

ただ、その「取りざたされている」とは、”マスコミで喧伝されている”、であって「公式に危険性が指摘されている」とイコールでないのが問題。

その一番の理由は、全国のマスコミの元締めである在京マスコミが、自分たちのいる東京の地震しか関心を示さないためだ※。
※:阪神淡路震災が起きた当日夕方、名古屋宅で見た全国ネットのテレビ特番のタイトルが「神戸で直下型大地震、東京は今後大丈夫か!」みたいな見出しで、神戸の震災の番組を名古屋で観る者として、唖然とした記憶がある。

だから、首都直下型地震だけが全国的に有名となって、まるで東京だけが危ないような印象が全国に拡散されていく。
その結果、東京は真剣に防災対策を進め、首都直下型地震の想定死者数を減少させた一方、東京と「南海トラフ」から遠い地域では、自分たちは関係ないという誤った安心感が広まり、防災がおろそかになり、いざという時、被害を大きくしてしまう(神戸も熊本も、住民にとっては虚を突かれた思いだったろう)。

国全体の防災・減災を願う者としては、「公式に危険性が指摘されている」地域について、マスコミ以外のルート(微力ながらこのブログ)で広めていくしかない。

そこで、国内の活動危険性が高い活断層※について、
※過去に活動=地震の痕跡があり、そのマグニチュードが6以上だった活断層に限定
国立研究開発法人・防災科学技術研究所がネット公開している「地震ハザードステーション」(J-SHIS)の活断層マップから、30年間の発生確率が高い活断層滞を抜出して紹介する。

まずは、発生確率が高い上位5つを、下位から、順位、30年発生確率、断層名(所在県)、マグニチュードの並びで紹介し、解説を加える。


5位:4.36% 雲仙断層群北部(長崎県) M6.8  
2016年に活動した熊本地震の震源地(活断層)から島原湾を隔てた対岸に、この危険な活断層がある。
言い換えれば、すぐ近くの熊本の活断層が2つも活動したのだから、それに刺激されてもおかしくない。この活断層はすぐ北にある雲仙岳の火山活動にも影響を与える可能性がある。
M6.8は2004年の中越地震(死者・不明者68名)と同じ。
この活断層の平均活動周期は2500年で、前回の活動が2500年前だという。
なのでここで紹介する5位以上の活断層は、今後いつ活動してもおかしくない。
発生確率の値は、このように理解してほしい。


4位: 4.77% 森本・富樫断層帯(石川県)  M6.7  
金沢平野東縁の山地にあり、市街地からいくぶん離れているが、金沢市も影響を受けることは確実。また山地が震源となるので、山崩れなどの災害が発生する。
大規模な土砂災害が発生した北海道胆振東部地震(2018年)もM6.7だった。


3位:8.39% 三浦半島断層群主部武山断層帯(神奈川県) M6.5  
ここで発生確率が2倍に跳ね上がる。
これは少なくとも首都圏では危険性が取りざたされている要注意の活断層。
三浦半島東側の横須賀市の真下にあるので、横須賀一帯が直下型地震に見舞われる。
北に隣接する300万都市・横浜市も無事では済まないだろう。
都市部の直下型だと、M6.1(2018年大阪北部地震)でも死者が6名でた(震度6弱)。
活断層が不明瞭な東京湾北部の首都直下型より先に活動するかもしれない。


2位:8.45% 阿寺断層帯主部北部(岐阜県) M6.4  
阿寺断層は、噴火活動中の木曽御岳の南側(裏木曽街道)を走る長い断層で、過去幾度もの活動で断層を横断する川の流路を変えてきた。
そう活断層は”地形”を変えるほどの破壊力があるのだ。
中津川市の鉱物博物館に模型による阿寺断層の説明があり、市内坂下町にこの断層の露頭(地上露出面)がある。
「北部」は、高山線が走る谷沿いの飛騨萩原(下呂の北)付近。
ここも山崩れ(高山線に被害)の恐れがある。

 

そして堂々の1位は…


1位: 22.1% 糸魚川-静岡構造線断層帯中北部(長野県) M7.0   
地形を変える活断層というなら、本州を東西に分断する大断層・フォッサマグナ(糸魚川-静岡構造線)に勝るものはない。
なにしろ、日本アルプスを標高3000mにまで押し上げ、大地溝滞に諏訪湖・八ヶ岳・富士を作ってきたのだ(諏訪湖は中央構造線、富士はフィリピン海プレートも関与)。
このフォッサマグナが貫録の1位を獲得。
「中北部」というのは、松本盆地を含む明科〜茅野の区間で中信の中枢部(松本,塩尻、岡谷,上諏訪)を占める。
平均発生間隔が700年なのに、1019年活動していないので、確率も群を抜いて高い。
「すでに発生したはず」というレベルだ。
しかもM(マグニチュード)が7とワースト5の中で最大。
直下型のM7は兵庫県南部地震クラスの揺れで、揺れの加速度(ガル)が重力加速度を超えて、あらゆる物が宙に浮く。
耐震性の弱い建物は鉄筋のビルを含めて倒壊し、阪神淡路大震災クラスの被害をもたらす。
これくらいの大きい活断層は、プレート境界型地震の影響も受け、東北地方太平洋沖地震後に、隣接する「北部」がすでに活動した(今も上高地付近で群発地震)。

以上、いずれも「南海トラフ」などのプレート境界から離れた地域だ。
日本の国土は、幾重もの地震と火山と洪水で作られてきたことをお忘れなく。
本来は”恵み”でもあるこれらと、共に生きていく術(すべ)=防災力を身につけよう。

危険な活断層6位〜


震度6強で死者なし

2021年02月14日 | 防災・安全

昨晩、就寝しようと思っていた矢先の地震。
東京は震度4で、室内の本棚に置いていた写真立てが床に落ちただけだった(震度4だとかように落下被害が発生する)。

これは久々に大きいなとテレビをつけたら、福島と宮城が震度6強、マグネチュード7.3。

地震のエネルギー(マグネチュード)でいうと、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)、熊本地震と同じ。
それと違うのは、直下型でないので、今回は震源から遠かったため最大で震度6強。
ただ宮城や福島では10年前の東北地方太平洋沖地震とほぼ同じ震度だ(なので福島第一原発が気になった)。
その時、震度5強の東京でも死者が3名出たのだ。
今回夜半にもかかわらず震度6強で死者が出なかったのは、すごい。

震度6強だと、耐震性のない古い木造家屋は倒壊する。
あと室内の本棚が倒れ、その下敷きになる(これは震度6弱でも発生)。
そういう被害が出なかったのは、これらの地域の耐震対策が進んでいたためだろう。

実は10年前のあの地震で宮城県栗原市は震度7を記録したが、死者が出なかった(震度7で死者なしはめずらしい)。
もちろん、今回は震源が深くて、津波が発生しなかったことも大きい。

負傷者は100名以上だが、たいていはあわてて逃げようとしての転倒などで、これは震度5でも発生する。

あと地震の感想などで「縦揺れ」、「横揺れ」とかさかんに言っているが、それらは主観的な印象にすぎず、揺れの評価としてあまり意味がない。
直下型地震の断層上なら垂直方向の揺れはありうるが、伝播してきた地面の揺れは横揺れが主体。
横揺れの左右動か前後動かは建築構造などで異なり、長方形の短辺側に沿って揺れるという。
なので長辺側は辺と直角方向に揺れるので、長辺に沿って本棚やタンスがあると倒れてくる(建物が正方形か円形なら安定)。
これらはどうしても長辺側に配置したくなる。
ならばせめて重い物を下に収納して重心を下げよう(物理法則として、重心から地面への垂線が基底面から外れると倒れる。地震の場合、地面から遠い上ほど揺れが大きく、下ほど揺れが小さい。なので重心を下げれば倒れにくい)。


「ゆれくる」では地震があった?

2020年07月30日 | 防災・安全

今朝のんびりとテレビを見ていたら、緊急地震速報が発令された(震源は房総沖だが、愛知にも発令)。

急いで情報が一番早いと定評のスマホアプリの「ゆれくる」を開いた。→地震速報はどこが早いか

するとすでに、関東一円に震度分布が出ていて、震源に近い房総半島の先では震度5強。

東京でも千代田区が震度5弱で、その周囲は震度4になっている。

震度5弱だと、物的被害が発生し始める。

ちなみに東日本大震災を起こした東北地方太平洋沖地震の時の東京は震度5強で死者3名。

かたずを呑んだ。

だが、生番組のモーニングショー(港区六本木)では、揺れはまだ来ないと言い続け、静穏な江ノ島海岸を中継している。

ゆれくるの分布では、すでに関東で地震が起きたはずなのに。

急いで、東京宅に電話をかけた。

しばらくして出た母によると、まったく揺れていないという。
私を同じ番組を観ていることが、聞こえてくる音声でわかる。

ふたたび「ゆれくる」を開いたら、先ほどの画面は消えていて、関東からはるか離れた鳥島近海でM5.8の地震を示していた。
もちろん、本州での揺れは表示されていない。

さっきのあの関東一円の地震分布はなんだったんだろう(情報源は気象庁)。

それにしても今回の「ゆれくる」は反応が早すぎる。

これでわかったことは、震度分布って、実際に揺れた値ではなく、その前に作成されていたこと。


三浦半島の異臭で気になること

2020年07月18日 | 防災・安全

先月に続き、7月17日に三浦半島で異臭騒ぎが起きた。
これが自然現象だったら怖い。
地殻変動が起きているようだから。

私が今一番恐れているのは、コロナウイルスでも、梅雨末期の大雨でもなく、
南海トラフの巨大地震だ。
政府(中央防災会議)の予想で、死者32万人にも達する史上最大の大災害の恐れがあるから。
そしてその危険は、着実に迫っている。

三浦半島には活断層もあるが、先端部の三崎・城ケ島側は相模トラフ(関東大地震の震源)に近い。
相模トラフは、フィリピン海プレートの先端部で、ここだけが本州に深く入り込んでいる。
入り込んでいるその真上に伊豆半島(元は火山島だった)と富士山がある。

さらにその沈み込みの先に、活動が活発化しつつある浅間山(火山警戒レベル2)があり、
また群発地震が続いている上高地付近がある(震源域近くに焼岳・アカンダナ山の活火山がある)。
またその西側の白山も活動の徴候がみられるという。
上高地の南の先には、一応活火山である乗鞍岳をはさんで、数年前に噴火災害を起こし、今でも水蒸気の煙を上げている木曽御嶽がある。

フィリピン海プレートの東縁は、隣接する太平洋プレートが下に潜り込んでいるところで、そのラインから平行に西に離れた所に火山フロントがあり、それらが富士山から伊豆諸島、小笠原諸島に続く火山帯を形成している。
その小笠原諸島に、今最も火山活動が盛んな小笠原の西之島(新島が本島を呑み込んで拡大中)がある。
ついでに、活火山である富士山は、宝永地震(南海トラフ連動地震)のあとに中腹から噴火して(宝永火口)、江戸にまで火山灰を降らせた(これが富士山の前回の噴火だ)。

フィリピン海プレートの西縁は、いわずと知れた南海トラフ
この南海トラフは、フィリピン海プレート自体が、ユーラシアプレートに沈み込んでいる所で、その先の火山フロント(ユーラシアプレート側)にあるのが、今年になって活発化している阿蘇山(レベル2)、霧島山(レベル2)そして先日大きな火山活動をした桜島(レベル3)から、口之永良部島(レベル3)、諏訪之瀬島(レベル2)へと続いている。

つまり、フィリピン海プレートの周囲の火山が一斉に活発化しているさなかに、同じ周辺部である三浦半島の異臭騒ぎが起きたのだ。

なので、東京宅(文京区)で常時観測しているラドン濃度(地中から放出されれるラドンガスの濃度。実際の計測値には地上放射線量も反映される)を気にすることにしよう。
なにしろ、兵庫県南部地震の直前、現地でのラドン濃度が急上昇したというから。
もっとも東京宅で相模湾のラドン濃度を捕捉できるわけではないが、異臭域が横須賀などの三浦半島の東側すなわち東京湾側なら、感知できる可能性はある。
ちなみに、記事を書いている現在は、16Bq/m3で平常値※

※:ラドン濃度の平常値(≒地上放射線量)は地域(地層)で異なり、設置している屋内環境(内壁の材質)も影響する。名古屋宅の平常値はずっと高く、いつも40Bq/m3を超えている。
福島原発事故直後は東京でも名古屋並みに高くなった
また日内変動があり、天気(晴雨)によっても変るので、定常的な変動傾向を把握している必要がある。


自宅の災害危険度の事前確認:気象災害編

2020年07月04日 | 防災・安全

今年も梅雨末期の大雨被害が出る時期になった。
例年、九州を中心とする西日本で、死者が出ている。

気象災害は、地震と違って、雨量などの予測と実況ができ、警報も発令できる。
すなわち、対処可能なはずなのだ。

それでも毎年人的被害が出るということは、避難のタイミングや方法などにまだ問題があるのだろう(洪水・土砂災害による物的被害は防げない)。

数年前に、分りにくかった警報基準が5段階に整理され、分りやすくなった。

その最高位のレベル5は「大雨特別警報」で、避難指示基準(レベル4)を超えた状態で、「下手に避難をすると危険」という、ある意味手遅れのレベルだ。
だからひたすらテレビでは「命を守る行動」を訴えるだけとなる。
そうなる前に住民はなんとかする必要がある。

そうなる前のレベル4の避難指示は、自治体の長が発令するので、範囲は行政区画単位となるため、さらに細かい地域差、いや、個々の家屋によって実際の危険度が異る点は考慮されない。

それが各家の避難判断を難しくしている。
実際、過去に避難勧告・避難指示が出ても、自宅はまったく安全だったという例も多いはず。
※:避難勧告は避難指示と区別がつきにくいため、今回を機に避難指示に一本化された。
なら、次回もそうなのか。
もちろんそんな保証はない。
そして、下手でない避難はどうすればいいのだろう。

災害危険度は個々の家によって異なるので、各家庭で事前にそれを確認することだ。

具体的にどうすればいいか、防災士の視点から、各家によって異る点そして事前に確認すべき事項を列挙する。


●河川からの距離と、家の敷地の相対的高さを確認する。
まず、近くの川が氾濫した時、わが家が被害を被るか
家の敷地の標高が堤防より高いか低いかを等高線付きの地形図で確認
自治体発行のハザードマップでも確認できるが、ハザードマップは特定河川の氾濫に限定されていることに注意

●家の周囲の微地形:台地、傾斜地、窪地、谷地、平地のどれか。
日本の住宅地のほとんどは河川の氾濫によってできた沖積平野(平地)に密集している。
それ以外は、土砂災害の危険がある谷地か傾斜地沿い。
安全なのはその中間の狭い台地だけなので、日本で安全な所に建っている家は少ない(浸水・土砂災害のどちらかあるいは両方の危険がある)。

●家の裏側および避難路に、土砂災害危険箇所(区域)があるか。
水も怖いが、土砂の塊はもっと危険。
家の裏側に土砂災害危険箇所があるなら、増水以上に危険なので、避難を早めにする。
地域の土砂災害危険個所(たいてい人家の近くにある)は国交省のサイト等で確認できるので、事前に確認(下のリンク先参照)。
また、がけ崩れの”前兆現象”などを事前に知っておく(自治体の防災サイト等)。

●避難所までの距離(歩行可能か)とルート上の危険度
歩いていけない距離なら、当然避難判断を早めにするしかない。
避難路は、以下がないことを確認:
土砂災害危険箇所、用水路、橋(川を渡る)、ため池、窪地(車道の場合はアンダーパスも)
これらを通らない避難路(避難先)をあらかじめ選定し、実際に通って安全性をチェックし、ルートを頭に入れること。
避難先は、行政の指定先である必要はなく、親族の家などでもよい(そこの危険度チェックも必要)。

●家族に避難に時間を要する人(高齢者、障害者、乳幼児など)がいるか。
いたら避難指示の前の警報レベル3で避難開始をするべき。
川べりに多い特養ホームの避難はたいへんなので、できたらこの段階で近くの住民が手伝ってほしい(まだ住民は避難しなくてよいレベル)。

●家は、平屋か2階建て以上か
ほとんどの浸水は2階にまでは達しないので、家の2階以上が避難先になりうる(平屋の人は屋根に上がる手段を考えておく)。
もちろん土砂災害の危険がないことが前提。
ただし、川に面しているなら、家ごと流される場合がある(川からの距離が判断規準)。


以上を平常時に確認をして、家ごとの危険度(浸水、土砂災害)と避難先・ルートを確認しておくこと。

これなしに、自主的な避難判断は難しく、そのため避難が遅れて致命的事態になってしまう。
これを読んだ読者は、さっそく着手してほしい(いくつかはネットを使えば机上で可能)。
くれぐれも、防災は、地震だけではないのだ。

そして、大雨時には次の記事を参考に→梅雨末期の大雨で毎年死者が出のはなぜか

→「自宅の災害危険度の事前確認:地震災害編」へ


車の中に子どもを置き忘れない方法

2020年06月19日 | 防災・安全

つくば市で起きた、2歳児を車の中に置き忘れて死なせてしまった事故。
夫が在宅での仕事に集中していて、置き忘れた事にずっと気づかなかった。

こういうミスは、誰でも起りうるのでひと事ではない。

なぜ起きて、どうやって防げばいいのか。

例によって「二重過程モデル」で考えてみる。

※認知・行動をシステム1(速いが不正確)とシステム2(正確だが遅い)からなるという心理モデル。私のブログでは基本タームなので、知らない人は、ググってみて。有名な本は、D.カーネマンの『ファスト&スロー』。ちなみに私はこのモデルを拡張した「多重過程モデル」を提唱している。

システム1による忘却は、対象が視野にないために起きる。
たとえば、傘を電車の中や店の傘立てに忘れる場合だ。
雨が止んだ外出先で傘を忘れないためには、手から離さないことが一番。

システム2による忘却は、注意対象でないため。
システム2の選択的注意は、非選択の認知対象を頭から消す。
すなわち、他のことに集中すると、その事は忘れる。

車の中で子どもを置き忘れる場合は、システム1でいうと、車から降りる時に後部座席に目を向けないために起きる。
システム2でいうと、子どもの事を忘れて他のことを考えているために起きる。

これを防ぐには、確認行為の習慣化が必要。
確認というシステム2を、習慣化というシステム1にすること。
そうすることで、確認のし忘れを防ぐ。
確認の一番いい方法はチェックリストを作ること。
スーパーの買い物などに使うだろう。
ただ毎回チェック項目が異なると作りにくい。

もうひとつは、点検動作をすること。
空間での確認で、指呼点検をする(鉄道の運転手がやるように、言葉でも確認するとよい)。
すなわち、動作として体に覚えさす。

習慣化とは、毎回やること。
すると、そのうち条件づけされて、自然に遂行される。

私自身は、車から降りる時、サイドブレーキとギアの位置(マニュアル車なので)、カーナビとスマホの着脱を、目視と指呼で点検することが習慣化されている。

家族がいる場合は、後部座席(とりわけチャイルドシート)を目視と指呼で確認する動作を加えればよい。

自分でこの習慣化がされた理由は、過去に忘れた失敗があったためで、
1度目の小さな失敗によって、行動修正し、それを習慣化(条件づけ)されることで、2度目以降の失敗を防ぐことになる。

システム1とシステム2の特性を活かして、うまく分業的に組み合わせるのだ。

この他にも、後部座席にセンサーやカメラをつけるなど、メカによる人間能力の補強という方法がある。
メカは最初から自動(システム1)化されていて、
しかも人間のシステム1より精度が高いから信頼できる。
こちら方向での対処も選択肢に入れていい。


自分のJCBカードが不正利用されている?

2020年05月05日 | 防災・安全
私の所に「MyJCB Express News」と名乗るところから、
「あなたのクレジットカード口座が第三者によって使用されていることを検知したので、あなたの口座が資金の安全のために凍結されたのですが、すぐにWEBサービスIDとパスワードを再登録して、制限を解除しなければなりません。
変更をご WEBサービスよりお申込みください。」
というメールが繰り返し来ている。
そして、貼られたリンク先に行って、クレジットカード情報の変更を促す、という内容だ。
日本語はまともだが(「あなた」ではなく「お前」というスパムメールもあった)、
これだけで怪しさ充分なのだが、もっと怪しいことがある。
 
私は、 そもそもJCBカードを持っていないのだ。
 
私宛のこのメアドは、スパムが多いので、これを金融機関に登録していないし。
 
もし、こういうメールが来たら、まずはキーワード(たとえば「MyJCB」)をコピペしてググってみるとよい。
そうすると、自分宛のメールの内容が世間で出回っていることがわかる。
 
そして何より、自分が契約している金融機関(銀行、カード会社など)に対しては、絶対に貼られたリンクを使わず、必ず前もってブックマーク登録してる公式サイトからアクセスすること。
 
ついでにいうと、なぜターゲットを AMEXや VISAでなくJCBにしたのか、それなりに理由がありそうだ。

土砂災害の危険箇所を知っておこう

2020年02月06日 | 防災・安全

新型コロナウイルスの感染拡大に日本中が右往左往しているが、その実日本では死者0で、感染力はともかく、毒性はインフルエンザ並みであるらしいことがわかってきたその頃※、

※インフルエンザと違うのは、予防接種による抗体がないため、免疫的に無防備なこと。

私にとって真に心肝寒からしめる事故が起きた。

神奈川県逗子市での突然の土砂崩れである。
歩道の真上から、68トンもの土砂が前兆がないまま落下してきたのだ。
運悪く巻込まれて亡くなった女子高生は、何がおきたか判らないままだったろう。

そもそも日本の国土の75%は山地で、いわば平地より斜面の方が3倍もある。
そのなかで最大の貴重な平地は関東平野で(そこに人が集まるのは必然)、そこだけは土砂災害の危険はない。
その関東平野の南を画す、神奈川県の横浜から三浦半島にかけては幅広い丘陵地帯で、しかも東京に近いので、宅地造成が盛んなため、人工的に削り取られた崖がやたら多い。

そういう所は、あちこち土砂災害警戒区域に指定される。
もちろん今回の場所も指定されていた。
いいかえれば、土砂災害のリスクがある斜面は、事前に判り、公開されている。

私が担当している防災の授業で、まずは学生に自宅付近のハザードマップを確認させるのだが、自治体が発行しているハザードマップは地震(液状化)・浸水・津波に限られている。
地震でも大雨でも発生する、すなわち一番リスクの高い災害である土砂災害の情報が載っていない。
なので、自治体のサイトとは別に、国交省の防災サイトで、自宅付近や通学路に土砂災害の危険区域の有無を確認させる(→国交省ハザードマップポータルサイト)。
これが防災の第一歩といっていいくらい。

地震や大雨でなく、長年の風化によって崩落する場合はこれといった前兆がないので恐ろしいが(逗子の崖は、火山灰が固まった凝灰岩なので風化しやすいという)、せめて自分の生活圏内に土砂災害の危険箇所であるかどうかは、事前に知っておく価値がある(それによって近づかなくなる)。

ちなみに、土砂災害警戒区域内に人家があるのはおかしいと思うなかれ。
警戒区域は、人が住んでいる地域にこそ指定されるから。
山がちの日本では急傾斜地のそばにも住まわざるをえないのだ。


避難判断の難しさ

2019年10月26日 | 防災・安全

今回の千葉の大雨でまたしても死者が出てしまった。
千葉は台風19号では大きな被害を免れたとはいえ、その前の台風15号の風害が癒えぬ中での大雨で、まさに泣きっ面に蜂。

その中で特に気になったのは、冠水の中、車で避難しようとして浸水に遭って死亡した人がいる一方で、自宅にいて土砂災害で死亡した人もいたこと。

すなわち、道路が冠水した状態での避難はかえって危険である一方、家に居る事が危険である場合もあること。
この違いは、もはや個々の家ごとのレベルであって、地域に一律な自治体による避難情報では対処しきれない。
すなわち、避難判断の基準は、家ごとに異るため、個々の家で判断規準を設けなくてはならない。 
自分の命は自分で守るのである。 

そのためには、洪水ハザードマップだけでなく、土砂災害危険箇所が家の近くにあるか、家屋の構造(土台の高さ、2階があるか) 、家族に災害弱者はいるか、そして家から避難所までのルートの安全性(途中に橋や低地はないか)などの複合的判断が必要となる。
このようなチェックは、私は防災の授業で学生に課題としてやらせているが、そういう機会のない人は、せいぜいハザードマップの確認で終っているのではないか(それすら見ていない人は論外)。

それからあらかじめ決めておくべき避難ルートは、等高線のある地形図を参考にして、最短ルートではなく、橋や低地(沼)を迂回して、高台を選ぶこと。


冠水したら2階へ避難

2019年10月18日 | 防災・安全

気象災害の場合は、危険がじわじわ迫ってくるので避難のタイミングが難しい。
だから多くの人が避難のタイミングを逸する(じわじわ迫ってきた後は一挙にくる)。
そうなるのは、家にいたい、家を守りたいという気持ちがあるためだ(その気持ちはわかる)。

避難に迷うなら、そして土砂災害の危険がないなら、いっそのこと避難所に避難しなくてもいい。

河川氾濫などの浸水時は、外に出ると水の直撃を受ける。
たとえ車で逃げても、冠水すると、エンジンが止まり、ハンドルが利かなくなり、水圧でドアが開かない中、車ごと水に流される。

この時点で窓ガラスを割って車外に出ても、車と一緒に流される(ただし脱出用ハンマーは買っておくこと)。
あるいは道路が破壊されて、川に転落する。

冠水した道を歩いて渡るのも危険。
泥水で足元がまったく見えない中、蓋の開いたマンホールや側溝に踏み入れて、水に呑まれてしまうから。
冠水の中転倒すると、水圧で起き上がれず、流されていっても他者からは見えないので助けることもできない。
逃げるなら膝までのうちに。
そして杖状のもので進路の深さを確認しながら。 

避難は、冠水の”おそれがある”うちにすべきで、冠水したら、家の中の2階に逃げる方が安全となる。
今回も前回も、ずっと前もどうやら浸水は2階にまでは達しない。
平屋でも屋根は水没しない。
豪雨の中、2階より低い道を延々と移動する方が危険だ。 

ただし津波は別。
2階では足りないし、そもそも家ごと流される。
即決で避難するしかない。 


武蔵小杉は沼地だった

2019年10月15日 | 防災・安全

昔からの集落ではなく、最近になって売り出された新興住宅地は、人が住まなかった空間の開発地であることが多いのだが、河川から多少距離があるのに冠水した「武蔵小杉」駅付近も昔はやはり沼地だった。

 地図アプリ「東京時層地図」の昭和戦前期の地図によると、南武線(図の左上から右下に大回り)の向河原と横須賀線(図の中央を縦断)の間は大小5つの沼があって、その東の多摩川側に「下沼部」と地名が記されている。
その西側の横須賀線と東横線(図の左斜めを縦断)に囲まれた今「パークシティ」のある所にも池があった。

そういえば、 水没した北陸新幹線の車両センターも「赤沼」という地名。 

同じ多摩川沿いの二子玉川もここと同じような地形で、集落でなく別の巨大施設があった所。 

逆に、昔からの集落地は「屋敷」などいかにも人が住んだ地名になっていて、周囲より微高地になっている。

これらは等高線付きの地形図を見れば確認できる(お勧めアプリは「スーパー地形」)。
たとえ沼や地名が消えても、地形までは変える事ができない。

地震ハザードマップが地盤が根拠になっているのに対し、洪水ハザードマップは地形が根拠になっている。


なぜ人は川べりに住むのか

2019年10月14日 | 防災・安全

台風19号は、結果的に多くの被害をもたらしたが、事前に懸念された風害ではなく、雨による河川災害だった点で、被害予想が外れたといってもいい。
15号で予想外の風害に遭ったせいで、冷静な被害予想ができなかったといえる。

それにしても、台風が通過した地域の間で被害の差が大きかった。
東京区部はほとんど無傷だったが、神奈川から岩手まで河川沿いが軒並み被害にあった。

大都市内部の住民からすれば、なんで危ない川べりに居を構えるのかといいたくなるのだが、
それは現代文明下の都市が逆に河川を必要としなくなったからにすぎない。

そもそも古代文明がいずれも大河沿い(ナイル、チグリス・ユーフラテス、インダス、黄河)に生まれたように、人は川べりに住むものだった。
いや正しくは、河川が作る沖積平野が人に生活する場所を与えた。

その沖積平野は河川の氾濫原が成長したものだ。
すなわち、川の氾濫は長い目で恩恵でもあった。
時に暴れるものの、川が与える恩恵が得難いため、人は川から離れなかった(木曽三川の中洲の集落である「輪中」が典型。暴れ川にへばりついてまで川沿いに住みたいのだ)。
なので昔の輪中や南関東の荒川沿いの住民は、舟を常備していた。

上水・下水道という人工的な水路を作る事によって、それまで水がなく人が住めなかった(水田も作れなかった)台地にも住めるようになった。
かような用水開発によって台地は居住可能になり、その結果、山地と低地の中間にある台地こそが、水害も土砂災害も無い防災上もっとも安全な所となった。 

だからこそ、現代では川沿いに住む利点はない。
ただし、国土の75%が山地の日本には、川が作った沖積平野さえ少ないため(一番広い関東平野に人が集まるのは必然)、ましてや台地はもっと少ない。
なのでやはり平野の川沿いに住まざるをえない。

昨年の西日本豪雨で、西日本の人は、洪水ハザードマップの正確さを痛感した。
今回、東日本の人がそうする番だ。
私が防災の授業で学生に真っ先にやらせるのが、ハザードマップ(地震、洪水)での自宅の災害危険度の確認だ。
こうやって、授業で強制しないと、やらないため。

これを見た読者も、今すぐに、居住自治体のサイトでハザードマップを確認し、自宅の災害危険性を把握しよう。


台風19号の爪痕:東京

2019年10月13日 | 防災・安全

東京直撃の巨大台風ということで、大騒ぎで、いや満を持して迎えた台風19号。

結局、風速60mではなく、大雨による河川氾濫が主たる被害となった。
その理由は、南関東の西を区切る関東山地(多摩川、荒川、笛吹川、千曲川の水源) を中心とする山間部に大雨が集中したから。
→その後東北地方でも被害が広まった。
結局は、すごい雨台風だった。 

同じ関東直撃でも、東京湾から房総半島を通過した15号と、こうも被害が異なる。

昨日はわが私設「本駒気象台」のリアルタイム観測画面を一日中にらめっこしていたが、結果は、最大瞬間風速が17m/sで、風速計が吹っ飛んだ前回の15号に及ばず、台風の進路から遠い愛知の職場の「日進気象台」の19.9m/sにも及ばなかった。
といっても今回は風向計が吹っ飛んだ(行方不明)。 
これが唯一の我が家の被害。 

正直言って、東京の内陸部は、おどされた割りに肩透かしをくらった感がある(しっかり準備した結果ともいえるが)。
関東各地に大雨特別警報が発令され、もう避難は手遅れで「命を守る」行動をするしかない、という事態とされたが、わが文京区は、ずっとレベル3の「避難準備情報」段階に留まり、しかも我が家の地域はその対象にすらなっていない(つまりは最強地域ってことか)。

それなのに、文京区から初めてもらったエリアメールは、内容が抽象的でエリア(たとえば避難所)に関する情報がなかった。

防災は最悪を想定して対処するものなので、危険を過大視することは間違ってはいないが、肩透かしが続くと、たとえば「東京は災害から守られている」などという神話が拡がってしまうおそれがある。
実際、東京の防災対策は潤沢な資金によって高いレベルに達しているが、それは関東大震災や幾度もの水害経験に基づいていることを忘れてはならない。