今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

危険な活断層:6-16位

2021年03月22日 | 防災・安全

前回(危険な活断層:ワースト5)の続き。
ワースト5に次いで活動の危険性が高いグループ(上位5つの「いつ活動してもおかしくない」よりは一段低いレベル)で、30年発生確率が2.5%を超える11ヶ所をピックアップする。

6位: 3.68%  塩沢断層帯(山梨県、一部神奈川県) M6.8
山中湖周辺。ということは富士山のすぐそば。

7位: 3.66% 黒松内低地断層帯(北海道) M6.8
渡島半島北部を南北に縦断し長万部(おしゃまんべ)を通る。泊原発が近くにある。

8位: 3.51% 宍道(鹿島)断層(島根県)M6.6
宍道湖を挟んだ松江の対岸。

9位: 3.49% 境峠・神谷断層帯主部(長野県)M7.0
上高地から鳥居峠にかかる断層。山崩れのおそれ。

10位: 3.05%  奈良盆地東縁断層帯(奈良県) M6.9
東縁といっても、奈良市・天理市を縦断する。

11位: 2.99% 糸魚川-静岡構造線断層帯中南部(長野県) M6.8
第1位のフォッサマグナの続きで諏訪湖周辺。フォッサマグナは連動の可能性もある。

12位: 2.96% 雲仙断層群南東部(長崎県)M6.6
第5位に隣接。熊本の地震のように近接する活断層がともに活動することがある。

13位: 2.93% 周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間)(山口県) M7.0
海の活断層だと津波、しかも逃げる猶予のない突発的な津波の恐れがある(1993年北海道南西沖地震で奥尻島に16.8mの津波が押し寄せ、死者・不明者230人)。この断層は北西側に隆起※するというので、山口側に津波が来るだろう。
※:押し合う逆断層だと、海底の断層面が隆起するので、前兆となる引き波なしに突然津波が発生する。

14位: 2.89%  上町断層帯(大阪府) M7.0
豊中−大阪中心部−堺を縦断する恐ろしい断層。
単独での活動可能性は上記のように高くないが、もうじきやってくる「南海トラフ地震」の影響を受けるといわれている。
神戸を上回る大都市直下の最も警戒すべき活断層なので、政府がスルーしているはずがない。
平成19年度の内閣府・中央防災会議では、M7.6と想定しており、ここ単独で想定死者(冬5時、風速15m/s※)はなんと42000人。
※同基準での奈良盆地東縁断層帯の想定死者は3700人。
この数は(当時の内閣府が想定していなかった)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の死者の2倍、想定している首都直下型地震(震央は都心部の外)の想定死者(その後対策強化により減少)の4倍なのだ。
大都市のど真ん中の真下でうごめきそうな活断層だからこの数になる。
だから、むしろ「東京より大阪の方が危ない」という認識が必要なのに、世間では無視され続けている(マスコミの東京中心主義だけでなく、大阪には地震は来ないという地元の誤った思い込みもあるようだ)。

15位: 2.87% 十日町断層帯西部(新潟県) M6.9
新潟の内陸部。実は番外の17位に十日町に隣接する断層帯(高田平野東縁断層帯,2.5%,M6.7)も入っている。 豪雪地帯だけに、積雪期に発生すれば、随所で雪崩を誘発する。

16位: 2.81% 安芸灘断層帯(広島〜山口県)M6.7
13位と同じ瀬戸内海西部の活断層。もちろん突発的な津波も警戒。この断層も北西側に隆起するというので、広島湾側に津波が来るだろう。
この順位以下の活断層は、最新活動時期の年数が平均発生周期に達していない(11位を除く)。

以上、前回の5つを含めた16の断層は、北海道から九州まで散らばっている(東北と四国にはなく、長野県に3つも入っているのはフォッサマグナのせい)。
警戒すべき地震(地域)は、南海トラフ3連動(静岡、愛知、三重、和歌山、徳島、高知、大分、宮崎)と首都直下型(東京、千葉)だけではないということを、まずは国民の共通理解としたいものだ。

ここに記した情報はすべて国の機関(国民の負託と税金で運営)からネット公開されている。
誰でもアクセス可能だが、目指す情報には簡単にたどり着けないのが欠点。
それを仲介して国民に知らしめる役割が、きちんと社会に機能していないのが残念だ。

関連記事→「直下に活断層がある都市は」
私のホンネメッセージ→「次の地震はそこでは起きない



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