今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

梅雨末期の大雨で毎年死者が出るのはなぜか

2018年07月07日 | 防災・安全

毎年同じ現象で死者が出る。
その被害地域が微妙に入れ替わるからか、昨年の被害を「他山の石」とはせず、学習効果がない。

気象現象は、地震と違って予測可能で、しかもほぼリアルタイムの実況もネットで配信されている。

すなわち、前もって接近がわかり、しかも対処のタイミングをはかれる。

それなのになぜ被害者が毎年、判で押したように出るのか。

気象災害は、近くの避難所に早めに避難さえすれば死は免れる。
すなわち、死者を0にすることは可能なはずなのに。

言い換えれば、気象災害の人的被害者はタイミングを逸した”逃げ遅れ”のためだ。
では、なぜ逃げ遅れるのか。
「正常性バイアス」(じわじわくる危険に鈍感) という心理傾向が根底にあり、
そのバイアスを”過去の無事な経験”が強化する(過去に経験した以上の被害は起きないという無根拠な楽観主義)。

そして何より、自宅の危険度の認識に乏しいためだ(つまり情報不足)。

自宅の危険度とは、たとえば自宅の裏山が土砂災害危険箇所であるかの知識。
これは情報が公開されているので、誰でもネットで調べられる
→国交省「土砂災害危険箇所マップ」。

梅雨末期に必ず大雨となる西日本(東日本は位置的に大雨にはならない)は、
広い平野がなく住宅地に山が迫っている所ばかりなので、危険な裏山が控えている場合が多い
(たとえば若い母子が犠牲になった松山沖の怒和島は、人家の大半が土石流危険区域内)。

すなわち、この時期の大雨に対しては西日本一帯は最初から危険地帯なのだ(三陸沿岸が津波の常襲地帯であるように)。

次に、その自宅の裏山(土砂災害危険箇所)が雨によって土砂災害を起こしそうかの情報が必要。
これは気象庁の「土砂災害警戒判定メッシュ情報」で10分間隔で更新される最新情報がわかる。 

この2つを照合すれば、おのずと「今家に居ることが危険か」の結論は出せる。

自治体の「避難勧告」「避難指示」は地域単位なので、自宅がピンポイントで危ないかどうかの具体的な判定には不向き。
しかも発令が遅れる(事後になる)場合もある。 

近所の川の氾濫についても、水位について同じく10分単位のリアルタイム情報が発信されているので、
→国交省「川の防災情報
決して、川の様子を見に行ってはならない。 

現在の大雨があとどれくらい続くかも気象庁の「降水短時間予報」サイトでわかる(短期的な予報ほど正確度が高い)。

つまり、ネットで公開されている情報を駆使すれば、自主避難のタイミングが判断できる状態になっているのだ。

ネット情報なので、停電でテレビがつかなくても、アクセスできる。
同じ情報を使っているテレビだと言及が行政区画単位なので、自宅の危険度の判断には向かない。 

問題は、これらの情報が提供されているという事の情報、そしてどこを探せばこの情報にたどり着くのかのメタ情報がないこと。 
しかもこれらのサイトは同じ国交省(気象庁は国交省管轄)なのに、探しにくい(気象庁の上のサイトもトップページにない)。
こうして個人レベルで地道に提供するしかないのか。 

自宅の危険度のチェックは次の記事を参考に→大雨特別警報が発令される前に確認すべきこと


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