博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『大秦賦』その1

2020年12月08日 | 中国歴史ドラマ
タイトルだけだとピンときにくいでしょうが、大秦帝国第四部です。前作、前々作があまりに原作から外れていると原作者からブチ切れられたりして『大秦帝国』原作と謳うことができなくなり、こういうタイトルになった模様…… 『大秦賦』全78話予定のうち第1~6話まで鑑賞。

物語は長平の戦いの直後から始まります。趙で人質になっていた異人(昭襄王の太子である安国君の庶子)は商人呂不韋の庇護を受けつつ妻の趙姫、子の政児(後の始皇帝)とともに暮らしていましたが、秦が趙の都邯鄲に攻め寄せ、後難を恐れた異人は呂不韋の導きにより故郷咸陽へと逃亡することになります。しかし別ルートで逃亡するはずの趙姫と政児はその実おとりがわりで、異人か咸陽逃亡に成功する一方で、2人は邯鄲で抑留されることになります。


色々不憫な目に遭い、特に政児の方は父親に不信感を抱くことに……


呂不韋は実子のいない安国君の正夫人華陽夫人に異人を売り込み、太子嫡子争いのライバル公子傒を追い落として彼を嫡子の座に着けることに成功。夫人の出身地にちなんで異人は子楚と名乗ることになります。しかし華陽夫人の押しにより、彼女の養女格の韓霓を娶らざるを得なくなります。彼女との間には成蟜が誕生。子楚は嫡子として父を助け、めきめきと頭角を現します。その間に秦は800年続いた周王朝と西周国を滅亡に追い込んでおります。


その際に趙など五国が周に加担しようとしたのですが、その和平交渉の場に出てきた平原君は趙姫と政児の釈放と引き換えに子楚を脅して有利な条件を引き出そうとしたり、今作でもきたないなさすがな所を見せつけてくれますw 平原君は序盤のレギュラーと言っていいほど出番が多いです。


そして昭襄王は夢の中で曾孫にあたる政児と出会い、夢判断によりこの子こそが天下を統一する秦王となるということで、趙姫母子を邯鄲から呼び戻すよう遺言して75年の生涯を閉じます。今作の昭襄王は前作と違って狂気や禍々しさを感じさせない威厳のある老王として描かれています (^_^;)

一方、政児こと嬴政は趙で出会った少女冬児や燕の太子丹と交友を深める一方で、後に趙王となる公子偃や郭開とは確執を深めていきます。当時趙は燕との戦いで追い詰められており、嬴政と趙姫を秦に返すことで秦と和解しようと画策。しかし咸陽へと出立する前日に公子偃&郭開に夜討ちを掛けられたり、平原君とともにようやく咸陽に到達したかと思えば、母子の存在を快く思わない華陽夫人の陰謀で城外に留め置かれます……

しかしそこへ国外へと追われていた公子傒が帰還。子楚とは敵同士であったはずが、趙姫と嬴政を気に入ったらしく、2人に助け船を出します。安国君も嬴政を父昭襄王の夢を叶える少年と信じて母子を子楚の妻子として認知。しかし嬴政は何かと波風を立てたがる性格で……というあたりで次回へ。

歴史物としてのクオリティは高いのですが、前作『大秦帝国之崛起』(昭王〜大秦帝国の夜明け〜)と比べると普通の大河ドラマみたいになっちゃってるなあと。時系列的にも今回のあたりは前作の終盤とかぶっています。ついでにNHK-BSプレミアムで日本語版が放映中の『コウラン伝』も後半は本作とかぶってくるはずなのですが、こちらとも当然作風が違っています。というか違いすぎて笑いがこみ上げるぐらいです (^_^;)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『棋魂』その1 | トップ | 『大秦賦』その2 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

中国歴史ドラマ」カテゴリの最新記事